10月3日(木曜日)。
明日は、早朝に空港に向かうので、実質、今日が、ハノイの最後の日であります。
まずは、1日の始まりの朝食である。
昨日は、欲張って料理を2品も頼んだので食べ過ぎた。
なので、今日は、イングリッシュブレックファストと書かれたものを注文しよう。
玉子にベーコンに、トーストという組み合わせ。
他のテーブルにも、凡の後に、3組ぐらいやってくる。
んでもって、待っていると、料理がなかなか来ない。
というか、後から来た人の料理が先にサーブされている。
まあ、料理には段取りとか、掛かる時間の差があるからね、順番が逆というのもありうるだろう。
それに、何つったって、ハノイである。
のんびり時間を楽しみましょうか。
ということで、料理が来たのは、最後だった。
手作りなのでね、美味しかったです。
それにね、スイカの端っこみたいなのを、飾りに添えてあったりと、盛り付けも良い。
最近は、どうしても、バイキングの朝食を求めがちなんだけれど、こういうのも良いなと再発見した次第です。
部屋に戻って、窓の外を見ると、左側に民家がある。
凹んだ角のところに、何本もロープを張って、そこに洗濯物を引っかけて干している。
今も、50歳ぐらいのお姉さんが、ベランダのようなところで、洗濯物を干してる最中なんだけれど、こういう風景は、旅のオマケというか、自分の住んでいる空間とは違う、旅情みたいなものを感じさせてくれる。
知らない旅行者の凡が、お姉さんの様子を窓から見ているなんて、お姉さんには、申し訳ないけれど、そこにお姉さんのドラマを見てしまうのである。
あの女性は、洗濯を干したら、部屋に戻って、何をするのだろうかとかさ。
家族は、どんな人だろうとか、想像してしまうのである。
そして、ただ、想像しただけなのに、そして、ただの傍観者に過ぎないのに、なぜか、この女性というか、この女性のいる空間に、そして、女性の家族や生活に、愛着のようなものを感じてしまう。
そして、愛しいと思う。
この洗濯物を干してある空間が愛しいし、この路地が愛しいし、このハノイが愛しい。
凡って、ある意味、惚れやすいのかな。
本当は、ハノイに住んでみたいのだけれど、それが叶わないから、普通の生活を、ちょっとだけ、覗いてみたくなるのだ。
ふと、同じ家なのか、隣の家なのか判然としないが、1階上の窓があって、女性用のパンティが1枚、ハンガーに掛けられて、窓にひっかけてある。
あれは、どうみたって、年配の女性のものではない。
といって、若い女の子の物でもなさそうである。
いや、何を言っているのか。
さっきは、洗濯物の干してある空間が、愛しいと書いたばかりだが、このパンティのハンガーを見ると、何故か、切ない気持ちになってしまう。
どういう思考回路か分からないが、凡には、このパンティの持ち主の女性が、幸せそうには見えないのだ。
毎日、毎日、安い給料で、下働き。
こんな毎日が、ずっと続くのかなと思うと、家に帰った時に、ため息をついてしまう。
彼氏なんていないだろう。
それよりも、両親の面倒をみるのに精いっぱいだ。
おそらく、細身の、安物のワンピースを着た女性で、儚げな雰囲気があるはずである。
ここで、凡の好きな女性の特徴のひとつを言うと、そのキーワードは、「はかなげ」ということだ。
彼女は、はかなげであるに違いない。
凡は、見たことも無い女性に、惹かれ始めていた。
ああ、これが恋というものか。
「あ、凡ちゃん、女性のパンティ見てる。そんな趣味あったんや。っていうか、さっきから何を、はかなげが、どーのこーのって、ぶつぶつ独り言いってるのよ。そんな女性好きなんや。そうや、あたしは、儚げかな。なあ、あたし、儚げかな。ねー、聞いてる?あたし、儚げかな。」(ジャスミンちゃん)
「どうかな。儚げではないわな。儚げな人は、3回も儚げかな、なんて聞かへんし。」(凡)
「そしたら、ミニボンちゃんは、儚げなんかな。ほら、身長143センチで、丸まっこいやん。そやから、ミニボンちゃんは、儚げなん?」(ジャスミンちゃん)
「ミニボンのことは、ええねん。放っておいて。」(凡)
ジャスミンちゃんが、悪い笑みを浮かべたように見えた。
意外と、ジャスミンちゃんは、悪女なのかもしれないな。
さて、今日も、街をぶらぶらしましょうか。
今日は、昨日、乗れなかったメトロに乗ろうと思う。
まずは、メトロの駅の近くに、B52博物館というのがあるので、そこへ行こう。
メトロの駅は、そこから歩いて行ける。
ホテルの近くでグラブを呼んで、B52戦勝博物館に移動。
ここは、ベトナム戦争のときに、撃墜したアメリカ軍の爆撃機のB52の残骸が展示されている博物館です。
庭には、その現物が、野ざらしで置かれています。
他にも、レーダーや、ミサイル、ソ連の戦闘機ミグ21なんかもあって、迫力があります。
ここもまた、幼稚園児の遠足なのか、迎撃用の武器の前で、はしゃいでいました。
ここは、入場料無料なので、利用しやすいのかもしれませんね。
建物の中には、ベトナム戦争の資料などが展示されています。
行ってよかったなという施設でした。
さて、メトロに向かって歩きましょう。
カットリン駅は、大きなビルのような建物で、メトロ自体は、高架になっています。
とはいうものの、これに乗って、どこに行きたいという駅はないので、とりあえず、最後の駅までのチケットを買った。
エスカレーターでホームに行くと、、、怖い。
ホームの壁とか、そこらへんが、ガラス張りになっているのだ。
凡は、極端な高所恐怖症であります。
足の裏を、スースーさせながら、電車を待つ。
到着した電車は、新しく、座席は、硬い樹脂のものだった。
窓が広いので、走り出すと、ハノイの旧市街とは、また別のハノイの風景が見えてくる。
これが、楽しいんだ。
どこかの駅で、途中下車して、ぶらぶら散歩なんてのもしてみたいが、そこまで、時間が無い。
最後の駅に着いた。
一旦、外に出るも、また、チケットを買って、引き返す。
復路は、また、カットリン駅まで戻っても良いのだけれど、折角だから、1つ手前の駅で降りることにした。
ラタン駅。
ここから、グラブで、またホアンキエム湖の近くにある大教会に移動した。
というのも、行きたいお店があったからだ。
前回に行ったときに、ベトナム柄のTシャツを買ったお店。
S Countryさん。
もう1回行ってみたいなと思ったので、実は、今日は、朝から、このお店で買ったTシャツを着て、このお店で買ったバッグを持って、ホテルを出たのだ。
店に入ると、先客がいる。
日本人の、どうも親子のようで、母親が試着をした息子に「可愛い。」と言ってたが、果たして親子だったのだろうか。
お店の女の子は、凡がお店のベトナムの国旗柄のTシャツを着て、お店のベトナムと書かれた赤いトートバッグ持っているのを見て、前にも来たことを思い出したようで、壁を指さした。
壁には、額のようなものが飾ってあって、そこに、お店に来た人の15人ぐらいの写真が貼ってあった。
そして、お姉さんが、その1枚を指さしたら、凡の写真だった。
本当に、凡を覚えていてくれたんですね。
女の子に覚えてもらっていたことが、うれしかったです。
んでもって、このお店のTシャツを着て、バッグを持って、店に行って良かったと思ったのであります。
取り合えず、喜んでもらえました。
んでもって、今回は、赤いTシャツと、バッグに着けたら可愛い感じのポーチを購入。
折角だからと、ミニボンにも買ったらどうなのと勧めると、凡が前に買ったTシャツの赤いバージョンを購入。
んでもって、お店の可愛いお姉さんと、記念撮影。
さて、これから、ミニボンが食べてみたいと言っていた「チェー」というデザートを食べに行こうと向かう。
途中、TIREDCITYというチェーン店のTシャツとか、小物を売っているお店で、ミニボンが、これまたTシャツを購入。
すると、兄ちゃんが、グーグルマップに登録してくれないかという。
それは、勿論、オッケーだが、普段、そんなことをしたことがない。
お兄ちゃんの、言われるままに、お店を登録。
そんなことをしながら、チェーのお店に到着した。
「Che 4 Mua Hang Can」というお店。
何か、看板や入り口は、今風だけど、中は、古くて雑然とした感じである。
店の奥でオーダーを取るというので入ると、背の低い椅子に、ごちゃごちゃっと、人が座っている。。
ここも有名店なのだが、おしゃれなお店という訳じゃない。
周りを見ると、地元の人の利用も多いみたいだ。
ということで、チェーという、説明の難しいスイーツを頂いた。
勿論、美味しかったですよ。
さて、一旦、ホテルに戻ることにしよう。
14時ごろだったかな。
ホテルに戻った理由は、休憩と、それと、シャワーをして、さっき買った、S CountryさんのTシャツに着替えるためだ。
折角だからね、新しいTシャツで、街に繰り出しましょう。
ふと、窓の外を見ると、左側の民家の2階の窓にハンガーで吊るされていた女性のパンティが、2枚に増えている。
朝は、1枚だったんだよね。
それが、2枚に増えたというのは、昼間に洗濯したということなのか。
ということは、女性は、今日は、仕事はお休みなのか、或いは、仕事をしていないのか。
或いは、主婦なのかもしれない。
ということは、人妻のパンティ。
いやいや、そういうイヤラシイ意味で言っているのでは、決してない。
それとも、女性は、病気で、寝ているのだろうか。
もともと、華奢な、はかなげな女性なのだが、病のせいで、最近、とみに瘦せてきている。
鏡を見ると、頬のこけた自分が映っている。
「あたし、どうしちゃったんだろう。」
いつか幸せな出会いがあることを待っていたんだけれど、こんなあたしを愛してくれる人なんて、いる訳ないじゃん、なんて、鏡の中の自分の頬に、涙が伝うのが見える。
「あたし、大丈夫だよね。病気、治るよね。」
そう呟いてみたけれど、ただ、窓に吊るされたパンティのハンガーが、風に吹かれて、ぶつかって、カタカタ音がするだけだ。
少し、疲れたから、ベッドに横になった。
って、そんな可哀想な女性なのだろうか。
それなら、今すぐ行って抱きしめてあげたい。
ドアを蹴破って、彼女のもとに行って、「大丈夫だよ。」って、抱きしめる。
、、、警察に電話されて連行される凡。
って、これまた、馬鹿な妄想に耽ってしまったじゃないか。
とはいうものの、気になる2枚のパンティである。
まあ、それは置いておいて。
凡もミニボンも、ベトナム柄のTシャツで、嬉しがりのお上りさんになりまして、ホテルを出る。
とはいうものの、日本で、「東京」なんて書いたTシャツを着ている外人よりは、少しばかり、おしゃれなのではあります。
さっきの、S Countryさんは、ベトナムテイストなのですが、あくまで、おしゃれなお店なんです。
さて、ホテルを出ると、向かうのは、バインセオのお店。
ミニボンが、食べてみたいらしく、ネットで調べたようです。
コメント
トレインストリートも知りませんでしたし、B52戦勝博物館も全く知りませんでした
ホーチミンは一人でウロウロするにあたり色々と調べたんですが、ハノイは全く調べていません
前回来た時に買ったお店に再び行って、そこのお店の人が覚えていてくれると嬉しいですよね
自分もソウルの焼肉屋さんとか屋台の人が覚えていてくれた時は嬉しかったです
女性用のおパンツが干してありましたか(”Д”)
凡蔵さん、けっこう気になったようですね(^^;)
ありがとう、ゆけむりさん。
いやあ、ハノイにハマってしまいましたよ。
こんどは、ホーチミンにも行ってみたいです。
それと、ホアヒンとかも、魅力的なところみたいだし、ベトナムと言っても、縦に長いので、その場所によって、いろいろ、魅力があるのでしょうね。
Tシャツ屋さんは、まさか、覚えてくれてるとは思わなかったので、嬉しかったです。
女性用のパンティ、、、気になりますよね。
しかも、近所の家は、服などが沢山干されてるのですが、この窓には、パンティしか干してないんですもんね。