平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(1472)ムー民の青春18きっぷ、高知旅。(3)

旅(国内)

7月28日(日曜日)

高知に来て、呑さんという居酒屋で、美味しい料理とお酒を頂いて店を出たところだ。

外に出ると日も落ちて、オープンしたお店のネオンで、お店探しも楽しくなってくる。

ただ、やっぱり、日曜日なのだろう、開いているお店が少ない。

また、高知の街を歩き回るのだけれど、これまた、1時間ぐらい歩き回っていた。

口ずさむは、みゆきさんの紅灯の海だ。

♪♪ けがれなき者よ この海に迷い込むな~ 幼き者よ この海に憧れるな~ ♪♪

鼻歌で繰り返すうちに、♪♪ お金なき者よ この海に迷い込むな~ 年老いた者よ この海に憧れるな~ ♪♪、、、なんて、歌詞が変わってしまっている。

ああ、みゆきさんに会いたいね。

、、、でも、ここ高知には、みゆきさんは、いないんだよね。

商店街の2カ所ぐらいで、よさこいの練習をしているグループがいた。

結構、大人数で、年齢も、幅広い。

踊れるって、憧れるね。

歩き回って、3カ所ぐらい候補を見つけたが、その中でも、1軒のお店の前に凡は立ったまま、悩んでいた。

入ろうか、なのだけれど、入り難い店構えだなと。

アーケードから入った路地にあって、3階建てだったかの長屋のビルに、人ひとりが上がることのできる階段があって、そのお店は、2階にあった。

これは、なかなか、入るのに勇気がいるというか、ハードルが高いよね。

とはいうものの、店の前に置かれている手書きの立て看板を見ると、オシャレな感じだし、食べるものもありそうだし、それに、ぼったくられるようなお店じゃなさそうだし、、、、ひょっとしたら、可愛い女の子がいそうな匂いもしない訳じゃない。

思い切って入ってみる。

トーン(TONE DINING BAR)さん。

店内は、テーブル席が、2、3席と、カウンター席。

スタッフは、40才代ぐらいのお兄さんと、お姉さん、そして、20歳ぐらいの女の子。

このお兄さんとお姉さんは、夫婦なのか、どうなのか。

カウンターに座る。

後ろのテーブル席では、地元のグループが、盛り上がっている。

カウンターには、地元のオッチャンひとり座っていて、お姉さんと、話をしている。

オッチャンとお姉さんと、女の子が、常連風な会話をしているので、ここに、凡の居場所はあるのかなと、キョロキョロしてしまう。

まあ、2杯程度頂いたら、河岸を変えようか。

まずは、ヒューガルテン(ビール)と、ニンニクとアンチョビのピザを注文。

凡は、アンチョビのピザが大好きなんだよね。

んでもって、このお姉さん、オッチャンにだけ話をしているように見えたのだけれど、他の人の事も見ているようで、凡の心の動きに気が付いたのか、ここである仕草をした。

お兄さんに、目配せをしたのだ。

お兄さんの目を見て、目を5ミリぐらい動かしたのだ。

すると、お兄さんが、凡の近くに来て、話しかけてくれた。

そこから、青春18きっぷで、大阪から来たという話になり、すると、隣で飲んでいたオッチャンも加わり、話が、凡の話題になっていく。

ムーの特別展に来たという話をしたら、オッチャンが、ムーの話をしだした。

お姉さんは、UFOを何回も見ているという。

いや、そんなことがあるのかと言うと、詳しく当時のことを話してくれたのだが、ここいらは、よく出ると言うのだ。

そう言えばと、お兄さんが、高知に、UFO事件の場所があるという。

そうか、あの介良(けら)事件は、高知だったんだ。

介良事件とは、1972年に、介良という場所の中学生の数名が、手に乗るぐらいの小さなUFOを、いくつも見つけて、家に持って帰ったりしたことがあった出来事を言う。

テレビなどでも紹介されたし、勿論、ムーでも取り上げられたことがある。

いや、これは、ムーの特別展を見に来た凡には、興味深い話である。

明日、介良に行ってみたいなと思ったが、青春18きっぷの旅ゆえに、時間が無い

そんな話をしていると、女の子が、カッパを見たという。

子供のころ、林の中のお地蔵さんの横に、全身が緑色のカッパがいて、キュウリを食べていたという。

話の内容的には、カッパがキュウリという段階で、典型的なパターンやんと思うのだけど、何度も言い張る話の詳細を聞くと、今思いついた作り話でもなさそうでも、、、あるのかな。

というか、その後も、手長足長や、ぬらりひょんとか、オバケ系が好きなようで、スマホで検索して、画像を見せてくれたりする。何や、凡より好きやんかと思ってしまう。

そんな女の子の話を聞いているうちに、すっかり、老兵の凡は、女の子の虜になっていくのを感じていた。

可愛いのである。

何かね、お姉さんと、お互いにポーズを決めてじゃれ合ったり、カッパの話を、嬉しそうにする、その仕草や表情が可愛いんだな。

何故なんだろうと漠然と考えながら、女の子の話を聞きながら、お酒を飲んでいた。

そして、気が付いた。

スレてないのだ。

こういうお酒を飲むバーなり、居酒屋なり、そういうお店にいる女の子は、客慣れしているというか、客を、ある意味、商売の道具としか見ていないというか、そう言う子が、一定の割合でいるものだ。少なくとも、大阪じゃ、そうである。

客をナメてはいなくても、単調なビジネスライクな受け答えしかしない(まあ、これは、お店の方針である場合もあるが)、私は、時給の分だけ働いてますみたいな場合もある。

でも、この女の子は、普通なのだ。

そこら辺にいる女の子が、たまたま、カウンターの中にいて、自分自身が楽しんでいるように、、、、これは、他人の凡からは見えるのである。

スレていない。

本人が、楽しんでいるから、こっちまで、楽しくなる。

そういうことに違いない。

最近、凡なんて、普通の女の子と、お話をしていないからね、こういう風に目の前にいられたら、久しぶりに新鮮な気持ちを思い出した。

さて、料理の方だけど、注文したピザは、チーズがたっぷり乗っかっていて、凡の大好きなタイプだ。

ピザと言うと、本格的なイタリア料理店などのを見ると、と言っても、あまり、そんなお店には行ったことが無いのだけれど、お店の前のメニューの写真などを見ると、ピザ好きな凡には、どうも物足りないものが多い。

チーズが少ないのだ。

あの本場のピザというものは、一体、外側のチーズの乗っかっていない生地を楽しむものなのだろうか。というか、そうとしか考えられない見た目じゃないか。

しかも、そのチーズの乗っかっていない外側が、結構、広い面積を占めている。

あそこって、チーズも無いし、ソースも塗られていないし、具も乗っかっていない。

生地の焦げた香ばしさはあるにしても、凡には不要な部分なのである。

それを考えると、日本のピザは、チーズが、たっぷり乗っかっているお店も多い。

このトーンさんも、チーズがたっぷりだ。

解ってるね、こういうのが、お酒に合うんだよね。

それに、ニンニクとアンチョビもまた、お酒に合う。

青森の八戸市に、「ピーマン」さんというピザの美味しいパブのようなお店がある。

そこのピザも、チーズがたっぷりで、凡の大好きなピザなんだ。

そこのマスターに、チーズが多いねと言うと、「ピザ好きな人は、チーズが好きだからね。」と返って来た。

解ってるね、マスター。

凡は、こういうピザを食べた時に、ああ、日本人に生まれて良かったと思うのである。

日本のピザは、イタリアのピザより、断然、美味い。

いや、本場のピザは、1度も食べたことはないのではありますがね。

ただ、デリバリーのピザは、凡もよく注文するのだけれど、もう少し、チーズの量を増やして欲しいな。

追加のチーズを、トッピングで追加しても、まだ、物足りないのであります。

んでもって、お酒は、お兄さんのオススメの美丈夫という日本酒の銘柄の会社が作っているライスグラッパを頂く。

美丈夫という日本酒の酒粕を蒸留して、オーク樽で貯蔵したものらしい。

所謂、焼酎のようなものだ。

そして、ディーゼルというビールのコーラ割り。

そして、トマトのビール割り。

んでもって、最後に、生ビール。

お酒の感想については、酔っぱらってましたし、時間も経っているので、憶えていません。

それにしても、ディーゼルなんてカクテルは、初めて飲みましたよ。

今日1日、土讃線をディーゼルに揺られながら高知に来て、1日の終わりに、ディーゼルを飲む。

実に、楽しい。

お兄さんは、今日は、どこに食べに行ってたのかと聞いたので、呑さんだと答えると、昔からある居酒屋だと教えてくれた。

んでもって、ひろめ市場は、高知の人は、県外の人を案内する時ぐらいしか行かないそうだ。

それならと、お兄さんのオススメを教えて貰ったら、「たちばな」さんというお店だそうだ。

人気のお店で予約必須だけれど、8時頃で、ひとりなら、席が空いている場合もあるという。

これは、良い話を聞いた。

とはいうものの、明日は、大阪に帰らなきゃいけないし、行くのは無理だな。

さて、そろそろ行きましょうか。

もっと、ゆっくりしたい気持ちはあったけれど、キリがないという言い方もおかしいが、切り上げ時が分からなくなってしまう。

可愛い女の子がお会計をしてくれて、5100円。

10時20分ごろだった。

まだ、もう1軒ハシゴしたい気持ちだったが、お腹が、ちゃぷちゃぷな感じで、もう飲めそうにないので、ホテルに戻ることにした。

コンビニで、サンドイッチと、プロテインと、シュークリームと、水を買ってホテルに戻る。

っていうか、お腹ちゃぷちゃぷなのに、まだ、食うんかい。

シャワーをしてベッドに横になった。

夢にカッパでも出て来てはくれないものかね。

目をつぶるも、なかなか、寝られなくて、カッパの夢は見ることが出来なかった。

コメント

  1. ゆけむり より:

    かっぱの夢見られなくて残念でしたね
    その代わりにスレてないお嬢さんの夢を見たのかな?
    スレてないお嬢さんんって、今時珍しいですよね
    自分が感じるのはエグッ、ヤバァ、エモッ、バグってるなどを多用する少々脳みそが流れ出たようなタイプが多い(多いと言うかそんなのばっかり)ので、何を言っているか分からない会話が多いような気がします
    その点スレてなく、かっぱやUFOの話をする、しかもきゅうりを食べていたのを目撃した話をしてくれるのは可愛いですよね
    その上凡蔵さんの心の中を読み解き、店主に目配せするなんて大したもんですよ
    こんな風に話が弾んでこそ旅先ならではの楽しみなんですよね
    ただ美味しい物を食べるだけでなく、話に花が咲く、これが料理を含めて素敵な時間になると思っています
    なので仏頂面した店主が黙々と料理しているのはイマイチです
    せめて「どっから来なさったの?、仕事?、観光?」などと聞いてくれたら話が弾むのに、仏頂面して黙っている人にこちらから話かけてもつまらないですしね
    入り難い店っぽかったけど、結果的にナイスなお店で良かったですね!

    • 平 凡蔵。 より:

      ありがとう、ゆけむりさん。
      スレてない女の子って、地方に行くと、やっぱり多いような気がします。
      何と言うか、一緒にいてて、安心するし、応援もしたくなる。
      、、、、とはいうものの、スレている女の子も、寄って来られると、鼻の下を伸ばしちゃうかもしれませんが。
      旅行に出て、そのお店の人とお話出来るのは、やっぱり、楽しいですよね。
      今回は、思い切ってお店に入って良かったです。
      お店をやっておられる人にしてみれば、客に話しかける、そんな余裕は無いよみたいなこともあるでしょうし、
      それは解るんですよね。
      なので、まあ、楽しくお話が出来たら、それは、オマケという感じでしょうか。

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