3月31日(金曜日)。
青春18きっぷで、清水に来ております。
ホテルクエスト清水さんに泊まった2日目。
朝食を付けていたので、1階のレストランに、オープンと同時に行く。
思ったより狭い感じのレストランには、バイキングの料理が並べられているのだが、それほど種類は多くない。
カツオの出汁茶漬けと、根菜のカレー、それに、アスリート豚汁という豆乳の入った具だくさんの豚汁が、おすすめのメニューのようだ。


どれも美味しく頂いて、レストランを出たら、順番を待っている人がいた。
さて、チェックアウトして、身延山に出かけましょう。
清水駅から乗り込むと、結構人が多くて、座ることも出来ないぐらいだった。
んでもって、富士駅で、身延線に乗り替え。
JRの車窓から富士山を見るということでは、この身延線が1番だろう。
ずっと、写メを撮ろうと、何度もシャッターを押したが、障害物とスピードで、中々、上手くは撮れなかった。


身延に着いたら、バスが来たので、乗り込む。
そして、身延山入口の終点で下車。

お土産物屋さんの並ぶ参道を、ブラブラと歩いて上って、山門のところにある観光案内所で、地図を貰って、お寺の回り方と、大体の所要時間を聞く。
ぐるっと回るだけで、2時間ぐらいで、さらに、ロープウエイで先に行くと、さらに1時間ぐらいだそうだ。
天気も、それほど良くないので、ロープウエイは、また今度にするか。

ということで、山門をくぐると、凡の足が止まって動かない。
これは無理だ。
そう思った。
山門から本堂へ向かう道が、一直線の階段になっているのだ。
それも、かなり急な階段で、且つ、かなりの長距離。
凡は、かなり極度の高所恐怖症である。
こんなの上ることは出来ないよ。

この階段は、菩提梯といって287段あるそうだ。
もう帰ろう。
このまま帰ろう。
これは、事実、そう思ったのである。
こんな階段を歩いて上らせようなんて、頭イカレテルよ。
引き返そうとした時に、ふと階段の横を見ると、立て看板がある。
年配の方、体調の勝れぬ方は、女坂か男坂をご利用くださいとある。

そうだよね。
そうでなくちゃどうするの。
仏様は、いつでもウエルカムじゃなきゃ、凡のような愚の極みの衆生は救われることが出来ないもの。
高所恐怖症の人を救ってこその仏様でしょう。
ということで、凡は男坂を上り始めた。


とはいうものの、この坂だって、かなりの急こう配で、歩いていると息が上がってくる。
なのだけれど、つづら折りになっているので、高所恐怖症の凡だって怖くない。
かなり上ったところで、それでも、階段を見た恐怖に頭がどうにかしていたのだろう。
本当は、そのまま、ちゃんと男坂が本堂まで続いているのに、最後の最後の部分で、道の折れ曲がったところに、ちょっと横道があって、階段に通じていたので、ここからは階段じゃなきゃ上れないと思い込んでしまったのだ。
大きな道がそこにあって、ちゃんと見えているのだけれど、細い道しか見えなくなってしまっていた。
疲労した脳の、不思議な現象である。



真っ直ぐ前を見れば、そこに太い男坂があるのに、細い階段に通じる細い道しか見えていない。
凡も、狂っていたのだ。
どうしよう。
あと、踊り場1つぶんぐらい階段になっている。
ええい!ここまで上ったら、もう上るしかない。
と、階段に出て、ほぼ、四つん這い状態で、無我夢中で、本堂の前まで上った。
凡は、高いところにくると、いつも四つん這い状態になってしまう。ただ、これも問題があって、かなり前に、大阪の梅田のホテルの上層階にある本屋に行こうと思って、エスカレーターに乗ったんだ。
するとどうだ。真ん中が吹き抜けになっていて、その吹き抜けの横にエスカレーターが付いていたんだ。始めは、大丈夫かと思ったが、階が上がるにつれて、怖くなって、エスカレーターで両手をついて四つん這い状態になってしまった。
これが問題だ。
エスカレーターの凡より上の階段には、たまたま女性のスカートの人がいなかったから良かったものの、これがあーた、もし、凡より上にスカートの女性がいたなら、どうなってたか。
スカートの中を覗く変態野郎として、捕まってましたね。
思い出すと、怖い。
というか、吹き抜けの横にエスカレーターを作る思考回路が狂っているよね。高所恐怖症の人がいることを無視している。或いは、そのビルは、高所恐怖症の人を排除しようとしているのか。
エレベーターもそうだ。
透明のガラスのエレベーターを設計するような想像力の無い設計士こそ、この世から排除されるべきなんだ。
凡なんて、どうしても乗らなきゃいけないときは、ガラスから一番遠いドアのところで目をつぶって、鼻歌でも歌うしか対処法が無い。
以前、ミニボンと鎌倉にあるタワーに登った時は、エレベーターのボタンのところで目をつぶって、上に着いたら、みにぼんに「ひとりで見て来て。」と言って、また、目をつぶって下まで下りたことがある。想像力の無い人からしたら、バカかという批判を浴びるかもしれないが、想像力豊かで、思考能力の高い人は、賢明な判断だったと褒めてもらえるだろう。
と、話がそれてしまったが、この時は、危険を冒して、最後の部分を階段で上ったのであります。
幸いなことに、凡より上の階段には、スカートの女性はいなかった。
いや、階段の上は見てないから解らないけれどね。
上りきったら、すぐに、階段から離れて、ホッ。一安心。

さて、目の前に本堂がある。
日蓮宗の総本山というぐらいだから、もっと、宗教的な雰囲気に満ちているのかと思ったら、どちらかというと観光名所っぽい雰囲気である。
ちょうど、桜の時期だったので、そう感じたのかもしれないし、訪れている人も、有名な桜もあるらしく、それを目当てに来ているふうでもある。

本堂にあがると、そこから、祖師堂、報恩閣、御真骨堂と、渡り廊下を通じて移動することが出来る。
順番に見て回って、また本堂に戻ってきた。
何となく、もっと、そこいらじゅうから南無妙法蓮華経と読経の声が聞こえてくるのかと想像していたが、観光的なオープンな雰囲気に拍子抜けしたのではありました。


お参りを終えたら、桜の時期だからなのか、売店が2つほど出店的にあって、そこで「切さんしょう」という餅を見ていたら、高校生のバイトみたいな売り子がいて、美味しいというのでお土産に購入。

さて、そろそろ戻りましょうか。
今度は、本堂から、直接に男坂を下りてゆく。
そして、山門まで戻ってきた。
そして、ぶらぶらバス停まで戻ってきて、ちょっと迷っていた。
次のバスの時間まで30分弱あるのだけれど、どうしようかと。
しいたけ丼なるものを提供するお店があって、凡はしいたけが大好きだ。
でも、ミニボンは、大嫌いなので、しいたけを食べるなら、今のような機会しかない。
或いは、バス停の前に喫茶店があって、そこで、京都のイノダのコーヒーを提供しているという。
これもまた、面白そうだ。
どうしようと、迷っているうちに、いつものことで、優柔不断な凡は機会を逸してしまい、どこにも入ることなく、時間が経ってしまった。
仕方がなく、バスに乗って、駅まで戻った。
駅の前には、営業している飲食店が2店舗あって、1つは外国人がグループで食事をしているようで、時間が掛かりそうだ。
そして、もう1軒は、誰もいなかったので、そっちに入ることにした。


お店の名前をつけたファミーユ丼を頂く。
お土産物屋と喫茶店が一緒になったようなお店で、奥さんが優しそうだった。
さて、今回の旅の目的も達成したので、あとは、帰路に向かいましょう。
そのまま身延線で、富士まで移動。
富士のホームに降りたら、立ち食いの駅そばがあったので、これは食べなきゃいけません。最近、駅の立ち食いそばの店が減ってきていることに危機感を覚えている。
そりゃ、どの駅にあっても儲かるということはないだろう。
利用者が減れば、儲けが出なければ、潰れて行くのは道理だ。
でも、旅をする者にとっては、貴重な存在なのであります。


さあ、駅そばを食べよう
凡の前に、同じ電車に乗っていたオッチャンが、かき揚げそばを注文した。
凡も、このお店の売りが、揚げたてのかき揚げのそばのようだったので、かきあげそばを注文。
冷凍になっているかき揚げを、油で揚げて、そばに乗せる。
430円。
甘辛い汁で、かなり濃い。
濃い味が好きな凡でさえ、ああ、濃いなあと思うぐらいである。
とはいうものの、これが富士駅の駅そばであって、それぞれの駅のそばに特徴があるから楽しいのである。
この甘辛い濃い目の汁も、凡は美味しいと思った。
オッチャンは、急いでいるのか、或いは、お腹が減ってなかったが、懐かしさで注文しただけなのか、半分残して去って行った。
凡は、もちろん、完食、完飲。
さて、富士駅からは、大阪に向かって列車を乗り継いでいくだけだ。

富士駅を14時過ぎに乗って、興津、浜松、豊橋と来て、凡は、その豊橋で降りた。
ちょうど5時だったからだ。
5時だったからという言葉の意味は、5時からやっているお店に行ってみようと考えていると言う事だ。
豊橋に来て、いつも入ろうかと思うけれども、いつもタイミングが合わずに入ることの叶わなかった駅前にあるお店がある。
「中華のみゆき」さんだ。
お店の料理が気になっているのではなく、みゆきさんと同じ「みゆき」という店の名前が気になっているからだ。
ただ、それだけ。
今回、再度、トライしてみようということであります。

みゆきさんの前に来ると、今日は、果たして営業しているようであります。
なので、戸を開けて入店。
カウンターだけのお店で、入った時は、凡だけだった。
ラーメンが売りのようだが、揚げやきそばというメニューが目に入って、急に食べたくなって、それを注文することにして、まずは、その前に、生ビールと餃子を頼んだ。


カウンターの中では、お姉さんが、準備なのか忙しそうでもあるのだけれど、どうもウエルカム感がない。
ここで確認しておかなきゃいけないことがある。
みゆきという店名である。
「お姉さんは、みゆきさんって言うんですか?」と聞いたら、ただの屋号だという。
それも、いささか、冷たい反応。
ギョーザが来たタイミングで、揚げやきそばと、チャーハンを追加注文。
そして、ビールを2杯やった後に、焼酎のロック。


凡の後で、サラリーマンが出張の帰りに新幹線の時間までという感じで、店に入ってきた。
味噌ラーメンを頼んだ。
でも、なかなか出てこない感じに、時計を気にしている。
出て来た味噌ラーメンは、美味しそうではあった。
その後に、かなり年配の女性が入店。
始め凡の左に座って店員のお姉さんを呼んだが、反応が無い。
なので、右の1番厨房に近いところに移動していって、カウンターに座って、そこでまたお姉さんを呼んだ。
凡の後ろと通る時に、年配のお姉さんが、「初めて来たから、、、。」と心細い声で、相手にしてもらえない心情をつぶやきながら移動していった。
これは、あかん。
こんなことをしてたら、あかん。
折角、来てくれたお客さんを、こんな風に扱ってたら、ダメだと思った。
年配の女性客も、ラーメンか何かを注文していたか。
料理の味はというと、極普通の味で、チャーハンのスープは、味が無かった。
会計すると、3750円。
会計をしていると、また別の中年ぐらいの女性のスタッフが出勤してきて、凡に向かって、ありがとうございましたと、明るく、はきはきとした口調で挨拶をした。
或いは、この女性が、お店の店主だったのかもしれない。
ただ、一言聞いたありがとうの口調にも、ウエルカム感が出ている。
店を出てから思ったのは、この後から来た女性がいつもいるなら再訪してもいいけれど、、、。
どうなのかな。
駅に戻って、18時発の大垣行きに乗り込んだ。

そして、米原、大阪と帰って来て、京橋から京阪電車で、自宅に帰宅したのであります。
思い起こしてみれば、昨日の環状線では、ミニスカートから、にゅっと素足を出したサイドカットのハイヒールのお姉さんに、今回の旅の色っぽい吉兆を見た気がしたのではありますが、身延山の尼さんに出会う事もなく、清水の紅灯の海で可愛い女の子と、あんなこと、こんなこともなく、あの吉兆は、何だったんだろうかということではありますが、始めから目的を決めた旅は、やっぱり、何かをした気持ちにもなって、充実した感じを抱きながら、家に帰ったのではあります。
今回も、ダラダラとした文章にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
コメント
朝食ビュッフェはビジネスホテルとは思えないぐらい種類があったようですね
まるで観光地のツアー御用達の温泉ホテルみたいで嬉しいですね
これは間違いなく食べ過ぎちゃいますね(笑)
お~、山門前の桜の写真ですが、ポスターみたいでとてもキレイですね
本堂前の枝垂桜も最高に美しいです
一番良い時に行かれたようで素晴らしいです!
それにしてもけっこう階段も登るようだし、あんなに上まで行った記憶がありまえん
ロープウェイは乗った記憶があるんですが、たしか自分の時も桜の時期でかなり混んでいたような・・・
ハイ、ほとんど忘れちゃったm(__)m
冷凍のかき揚げをその場で揚げて熱々を乗せてくれる、駅の立ち食いそばだからこれはこれで良いですよね
自分は以前大衆食堂でハンバーグ定食を注文したら、おじさんが客のテーブルの横の冷凍庫から冷凍ハンバーグを出し、業務用レンジでチンして出してきました
今はその店は潰れてありませんけどね・・・
最後は餃子に揚げ焼きそばにチャーハンにビール&焼酎ですか
流石の食べっぷりです!
ありがとう、yukemuriさん。
朝食のビュッフェは、種類は少なかったんですよ。
でも、工夫した料理が3種類程ありまして、そこは良かったです。
ビジネスホテルでも、何か1品でも、そういうのがあれば嬉しいですよね。
ちょうど、桜の季節で、ラッキーでした。
というか、桜が有名だとは知らなかったんですけれどね。
ハンバーグ定食を注文したら、冷凍をチンですか。
それは、たまにありますよね。
何やら奥で、チン、チン、チン、と音が鳴っている。
どんだけ電子レンジするねんていう感じのお店。
前に、喫茶店で、他の人がアイスコーヒーを注文したんですけどね、
それを作る様子を偶然見てしまって、濃縮したポーションの液体を、パカンと開けて、水で割っているところを見てしまいましたよ。
まあ、注文が少ない地域のお店なんかは、そうせざるを得ないのかもしれませんが、知ってしまうと残念ですよね。
というか、最近、電子レンジを使うお店多いような気がします。
立ち食いそばのかき揚げは、これも冷凍を上げているんですが、熱々なので、駅そばにしては、上出来だったのではと思っています。
今回も、また食べ過ぎでしょうかね。