1月31日(火曜日)。
高級ホテルのホテル・ニューオオタニに泊まった翌日である。
朝食の付いているプランにしたので、頂きに行きましょうか。
高級ホテルのホテル・ニューオオタニの朝食である。
期待するなと言われてもしてしまうのは、仕方がないだろう。
まだ、オープンしたてのレストランに行くと、中堅どころと思われる男性がいて、受付の準備をしていた。
ミニボンが、「おはようございます。」と声をかけたが、無言だ。
いや、挨拶は、高級ホテルじゃなくても、これは基本だろう。
でも、こちとらは何と言っても低級の客。
仕方がないのかもしれない。
そして、受付をすると、席に案内するために先に歩き出したのだが、すごいスピードで案内という感じじゃない。
後ろにいる凡のことなど、振り返りもせずに、早足で歩いて行ったと思ったら、向こうの方のテーブルにいて、ここだと言う。
たぶん、7、8メーターは、先を歩いていたね。
テーブルについて、ミニボンと、「あかんね。」と男性スタッフの事を言った。
この男性は、あとでフロントにも立っていたので、ベテランではないかと思うのだが。
というか、他のスタッフも、全体的に元気がなくて、無表情だ。
周りを見ると、中国系の観光客が、5、6組。
朝食のバイキングの内容は、ホームページを見て想像していたけれども、やっぱり種類が少なくて、ハム、ソーセージ、それに玉子料理ぐらい。
あとは、パン。
いつもなら、お替わりをするのだが、お替わりをする料理もなく。
ただ、お腹いっぱいになって、これから動くのが億劫だなんてことになったら、折角の旅行が勿体ないので、お替わりしないで済んだ分、良かったと言えるのかもしれない。
ということで、高級ホテルの朝食を頂きまして、部屋に戻って、出発する支度をした。
今日は、宗像大社に行く予定だ。
凡は、2回行ったことがあるのだけれど、ミニボンは、行ったことがないので、行ってみようかということだ。
宗像大社は、宗像市に3カ所あって、それぞれ、辺津宮、中津宮、沖津宮と呼ばれる。
沖津宮は、玄界灘の沖の方の島にあって、関係者以外は立ち入り禁止だ。
んでもって、中津宮は、大島という島にあって、ここは誰でも参拝できる。
なので、辺津宮と、中津宮に参拝しようと思う。
となると、大島に向かう船の時間を元にルートを決めなくちゃいけない。
まずは、ホテルから博多駅に移動して、博多駅を、0808時に出発。
JR東郷駅まで行って、そこから西鉄バスで神湊波止場まで移動。
そこから、0925時発の船で、大島に移動した。
少しだけの船旅だけれど、デッキからの眺めは楽しくて、これは中津宮のお参りのオマケかもしれないね。
大島に、0950時着。
さて、この大島では、中津宮に参拝するのだけれど、もう1つ、島の反対側に、沖津宮の遥拝所があるので、そこも行きたい。
前は、巡回バスのようなものがあったので、それを使ったのだけれど、今は運行期間外だ。
なので、観光案内所で聞いたら、タクシーか、レンタル自転車だという。
それなら、タクシーをと思って、外に出たら、別のグループが、ちょうどタクシーに乗って出て行った。
なので、タクシーを呼ぼうとタクシー会社に電話したら、島のタクシーはもうないとのことで、断られた。
となると、レンタル自転車しかない。
また、案内所に戻って、自転車を借りた。
電動サイクルなので、坂道も楽に上れるという。
さて、まずは、沖津宮遥拝所に行こう。
と、電動自転車をこぎだしたら、ミニボンが、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。
いや、そっちに行ったら危ないよ。
と、思ったら、こっちに、フラフラ。
自転車に乗るなんて、40年ぶりぐらいで、もう運転を忘れてしまってるというか、運動神経も鈍くなっているのだろう。
本人は、もう必死だ。
なので、ハンドルを持つ手に力が入る。
でも、力を入れてハンドルを握ると、余計にフラフラするんだよね。
終いには、坂道で、こけてしまった。
そんなこんなで、やっとのことで、遥拝所に到着。
遠く、沖津宮に向かって、参拝。
それにしても、この遥拝所からの景色は素晴らしい。
海岸に下りて、その海の美しさを感じた。
さて、中津宮に行ってみよう。
またもって、フラフラと自転車を運転して、中津宮に到着。
無事、お参りを終える。
これで、大島での参拝は終わった。
次の船の時間は、13時なので、ここでランチを食べようと思う。
もう、自転車は、危ないので、案内所に返却をして、徒歩でランチのお店に行くことにした。
案内所で聞いたら、カフェが2軒あるという。
大島では、お魚の美味しいお店があるということなのだが、海鮮丼とか、生の魚はミニボンが食べれないので、カフェにしようと思う。
教えて貰ったカフェを探して行くと、2軒とも休業中だった。
となると、仕方がない。
魚のお店に行くしかないことになる。
フェリー乗り場から近いところに魚料理のお店が2軒ある。
向かって左は、わりと小奇麗な感じだろうか。
右は、漁師のやっているお店らしい。
どちらにしようかと思うが、案内所にも、豪華な海鮮料理の写真があったし、ネットでも紹介されているので、右のお店に入ることにした。
「海宝丸」さん。
凡の前に、中年の御夫婦が、同じようにお店に入ろうとしている。
やっぱり、人気店なのかな。
中に入ると、大きなテーブルが3つほどあって、その横に小上がりがあった。
入口のテーブルで、若い男の人が定食を食べている。
結構、品数が多そうだ。
前にいたご夫婦は、小上がりに座った。
凡がテーブル席に座ると、店のご主人が来て、冷たい麦茶をくれた。
店は、かなり年配のご主人と、若い感じの男性の2人でやられているようだ。
それにしても、全体的に、生活感が溢れている。
奥のテーブルも、雑然としていて、前のテーブルには、前の客のお膳が、そのまま残っている。
メニューは、海賊丼、刺身定食、さざえのつぼ焼きの3種類だ。
定食と丼の方は、どちらも2000円である。
少し高めかと思うが、観光地の海鮮丼は、どこも高い。
凡は、刺身定食。
ミニボンは、海賊丼は、食べれないので、まだ、焼き魚とかが付いている刺身定食の方が食べれるかと、同じく刺身定食を注文。
同じ時に入店したご夫婦は、海賊丼を2つ頼んだが、注文してから、そのうちのひとつを刺身定食に変更した。
奥の方で、若い男の人が、お盆にいくつかの小鉢を並べたりしている。
でも、奥のステンレスの台を見ても、用意されているお盆は2つだけだ。
刺身定食は、都合、3人分んなんだけれどね。
大丈夫なのだろうか。
それにしても、時間が掛かっている。
20分ちょっと待って、ようやく刺身定食を持って来たのですが、ミニボンが、ご夫婦の方が先に店に入られたのを気にして、あちらの方が先ですよと言ったら、そっちへ持って行った。
厨房のステンレスの台には、お盆が1つだけ残っている。
どうなるんだろう。
厨房の奥で、何やら、ゴトゴトやっている気配だけは伝わってくるのだが。
んでもって、凡とミニボンにも、ようやく刺身定食が登場。
持ってきた時に、年配のご主人が、「漁師の店だから。」と、漁師を強調。
四角いお皿には、刺身が山盛り。
そして、煮魚のようなものや、マリネのようなもの、そして、刺身の胡麻和えなど、沢山の種類の小鉢が並ぶ。
それと、アラ汁。
しばらくして、焼き魚を、「漁師のサービス。」と言って、年配のご主人が持ってこられた。
なのだが、ご夫婦の方へは、持って行かない。
今回は、サービスだというので受け取ったが、向こうの御夫婦が気になる。
だって、同じようにお店に入って、同じように注文してるんだものね。
でも、ご夫婦も、優しい大人なんですね、何とも思わない感じで食事をされていた。
しばらくして、半分以上食べ終わった頃に、ようやく、「焼き魚、持って行ったかね。」と御主人が御夫婦に聞いて、それから持って行っていた。
なんとも、のんびりしているというか、大丈夫なのかという感じだ。
さて、刺身定食を頂きましょう。
山盛りの刺身。
これだけの刺身を食べられるのだろうか。
内容的には、あまり見たことのない魚ばかりだ。
というか、乾いている感じで、あまり新鮮な感じには、素人の凡にはみえないのである。
これは、凡の知識の無さかもしれないが、ホントのところは、どうなのだろう。
それでも、マグロとかね、サーモンとか、そんなのが無いところを見ると、やっぱり漁師の地元の魚なのだろうと思う。
冷蔵庫に、今月の漁の休みの日という回覧が貼ってあったりしたので、ご主人は、漁師には違いないのだろう。
ただ、歩くのも、お年のせいか、のそりのそりと言った感じなので、或いは、昔は漁師だったけれど、今は、引退されているのかもしれない。
面白いのは、刺身には、蟹の代わりに、カニカマが盛られていて、しかも、ちょっと端っこが黄色くなっている。
刺身定食の刺身にカニカマを添えるなんて、そりゃ、料理人なら思いつかない、漁師ならではの発想だろう。
それにしても、量は多いよね。
しかも、ミニボンが刺身を食べないので、凡は、自分のと、ミニボンのと、2皿食べなきゃいけないのである。
さて、小鉢を頂こうとしよう。
凡は、汁が好きなので、アラのすまし汁を啜った。
かなり、生臭い。
汁好きの凡ではあるが、それ以上、飲まなかった。
そして、マリネのようなものは、兎に角、硬い。
かなり強く噛まないと、噛み切れないのだ。
これほどまでに、硬くするのは、どうやったら良いのだろうか不思議でもあった。
煮魚も、まあ、少しはマシだったが、漁師の料理である。
そして、ご主人が、得意げに持って来た漁師のサービスの焼き魚。
これまた、箸が入らないぐらいに硬い。
箸を縦にして、魚に突き刺そうとしても、まったく箸が入らないぐらいに硬いのだ。
おそらくだけれど、昨日あたりに作って、そのまま置いておいたものなのじゃないだろうか。
さっきから、裏の厨房で、「チーン。」「チーン。」「チーン。」とレンジの音が何度も響いている。
そうそう、入店した時に、食事をしていた男の子が、会計をしようと厨房の前まで来て、「ごちそうさまでした。」と声をかけている。
詰まり、お会計をして欲しいのだ。
でも、聞こえてないのか、どうなのか、まったく反応がない。
何度も奥に声をかけていたが、しまいには、諦めて、「お金、ここに置いておきますね。」と言って、2000円を厨房の前のカウンターに置いて出て行った。
この2000円、凡が出る時も、そのまま置かれていたけど、大丈夫なのか。
刺身の中で、白身の魚で、脂の乗った切り身があった。
或いは、地元でしか食べられていない、そんな魚かなと思ったのだけれど、ご主人が横を通ったので、刺身を一切れ箸で摘まみ上げて、ご主人に見せて、「これ、何という魚ですか。」と聞いた。
すると、ご主人は、それを見て、少しあって、こう言った。
「ブリ。」
いやいやいや。
魚を知らない凡でさえ、これがブリじゃないことだけは解る。
そして、ご主人は、付け加えた。
「ブリのてんぷら。」
いやいやいや。
刺身やん。
どう見たって、生の魚やん。
てんぷらって、衣をつけて揚げてるよね。
これ、衣ないよね。
それを、ブリの天ぷらって、、、。
ご主人が、のそりのそりと歩いて通り過ぎた後、ミニボンは、笑いを堪えるのに必死だ。
でも、ビックリだね。
どう見たって、ブリじゃない刺身を見て、ブリの天ぷらとは。
ということで、何とか刺身を、ミニボンの分も合わせて2皿頂きまして。
その他の小鉢も、食べられる分は、頂きまして。
お会計であります。
凡は、もう1度、あの魚の事を聞きたかったので、ブリは食べていないのですが、こう聞いた。
「ブリ、美味しかったです。」と。
実は、そのブリという言葉で、間違いに気が付くかなと、それを期待したのだ。
「あれ、わし、ブリって言ったかな。いや、あれは、〇〇という魚やったんや。」と気が付くかもしれないと思ったからだ。
すると、ご主人は、「この辺は、ブリが獲れるからな、、、、〇#▽%□、、、。そやけど、油で揚げたら解らんやろうなあ。」と、しみじみと言ったのだ。
いやだから、あれはブリじゃない。
っていうか、油で揚げてもいないんだよね。
でも、そんなことは言えない訳で。
結局、あれはブリのてんぷらということになってしまった。
知らない魚が多かったので、刺身は、全部、地の物ですかと聞いた。
すると、そうだという。
この島で獲れた魚だと言った。
そして、こう付け加えた。
「エビとカニ以外はね。」
いやいやいや。
あれは、カニじゃなくて、カニカマだよね。
しかも、端っこが少し黄色くなったカニカマだよ。
そりゃ、カニカマは、この島で獲れた魚ではないという部分だけは、正解だろうけれどさ。
その前に、カニカマは、カニじゃない。
でも、そんなことも言えないのである。
年配のご主人は、親切のつもりで答えてるわけだからね。
きっと、かなり年配なので、勘ちがいをしているのだろう。
ちょっと前は、漁師をしていて、それで獲れた魚を使った料理を提供していたのだろう。
そして、もっと身体も動いたし、或いは、誰かを雇って、それか、奥さんとかが料理を担当して、漁師の料理じゃない家庭料理を提供していたのかもしれない。
2人で4000円を払って、店を出た。
店を出た途端、ミニボンが、お腹をかかえて笑った。
そして、「このお店に入って良かったね。」と言ったのだ。
いや、これ本心である。
このお店のご主人の、トボケタ対応が、どうにも可笑しかったようで、それだけで入って良かったと思ったようである。
凡にしたって、船の出発まで少しあったので、時間も良い感じで潰れたし、楽しかったのではある訳である。
今までの文章を見てみると、人によっては批判しているように受け止められるかもしれないが、凡もミニボンも、楽しく食事をすることが出来たということなのでありまして、この店にして良かったということは嘘ではないのです。
この文章を書いている何日も日が経っている今でも、ギャグにして、ミニボンと笑えるぐらいだからね。
ということで、このお店の評価というか、おすすめどころは、生活感あふれる食堂で、たっぷり時間があって、待たされても、それでいいやと思える状況で、硬くて箸が入らない焼き魚とか、刺身にカニカマが盛られてたりしても、地の物じゃないという説明に納得できる余裕があって、絶対にブリじゃない刺身を、ブリのてんぷらと説明されても、ああ、そうなんだと思える人には、オススメであります。
いや、これ皮肉じゃなくてね。
ひょっしたら、土日や、忙しい時期には、奥さんとか、他のスタッフが入られて、もっとスムーズに料理を提供したりしているのかもしれないしね。
、、、知らんけど。
ということで、おかしな漁師のお店でランチを頂きまして、ブラブラ散歩しながら、船着き場まで戻ったのであります。
船で、神湊波止場まで戻って、そこからバスで辺津宮に行く。
この辺津宮が、見た目は、1番立派だ。
本殿に参拝してから、第二宮、第三宮、そして高宮祭場と、お参りをした。
なんとも、清々しい気を感じる場所である。
その後、神宝館で、沖ノ島の発掘作業で出て来た遺物を見学。
何しろ、沖ノ島から出たものの、8万点が国宝だ。
すごいよね。
そこから、バスで駅まで戻るつもりだったけれど、早い方がいいので、タクシーで東郷駅まで戻った。
そして、博多まで戻る。
帰路は、博多 1710時発の新幹線みずほ608号である。
みずほも、指定席は、2-2のシート配列で、これまたゆったりとして快適である。
駅弁を食べながら、のんびりと帰った。
んでもって、新大阪に着で、そのまま自宅に帰ったのであります。
今回は、博多は、何度も行ったことがあるから新鮮味がないかなと思って出かけたけれども、いろいろ面白いこともあって、楽しい旅となりました。
サイコロが博多に出たことも、ラッキーであったかな。
そして、こんなブログに最後までおつきあいくださいまして、ありがとうございます。
コメント
まず、こちらのホテルですが、どちらかと言うと高級ホテルの部類に入るのにスタッフの態度がダメですね
お客さん側からおはようございますと言ったのに無視とはまるでなっていませんね
朝食ビュッフェもかなり微妙ですね、微妙と言うよりも期待はずれにもほどがありますね
何でですかね?
理解に苦しみますね
それからそれから漁師料理のランチ、まるで漫画ですね
本当に漁師なんですかね?
それかボケ始めているのかもしれませんね
生臭いあら汁もビックリだし、カニかま、ブリの天ぷらも笑えますね
これが滅多に旅しない人ならガッカリ度も大きいでしょうが、旅の達人である凡蔵さんは何度も何度もあちこち旅しているので、今回のような旅もまた一興でしょうね
ブログネタに良いと言うか、振り返ってみるとこれまた滅多に無い思い出になった事でしょうね・・・
ありがとう、yukemuriさん。
ホテルの朝食の中堅の男性の対応は、ちょっと、高級ホテルの感じではないですよね。
この辺が、難しいところなんですが、この1人のスタッフだけで、ホテルを評価はしたくないとは思うんです。
他のスタッフのことは、知らないわけですしね。
でも、人と接するタイミングなんて、そんなもので、たった1人の人と会った印象が、全体の印象に変わるんですよね。
なので、ここで、笑顔で迎えてくれたなら、きっと、また泊まりたいなと思うんですよ。
このホテルも、もう次回は無いなと思います。
安いビジネスホテルの朝食だけのパートの年配のお姉さんの方が、笑顔で接したりしてくれると、また泊まりたいなと思わせてくれるんですよね。
と、こんな批判的なことを書いてしまいましたが、わたしも接客業が長いので、そこは反面教師として心にとめておかなきゃです。
それから、漁師の料理ですが、たぶん、怒る人もいるんじゃないかな。
2組だけで、こんな感じだと、もう少しお客が多かったら、もっと大丈夫かって感じになるかもです。
ネットの評価は、賛否両論ありましたよ。
おおむね、昔の評価は良いようです。
それか、誰かが手伝いに来ているときは、良いのかも。
始めから、奥さんが、生魚とか食べないので、入って注文しても、食べれないかもしれないという感じで入りましたので、
そんな悪いイメージは、奥さんも抱かなかったようです。
というか、あまりにも、面白かったので。
これが、オシャレなお店で、奧さんの好きなエビフライとか、そんなのが、こんな状況で出て来たら、怒るかもしれませんけれどね。
わたしも、船の時間まで、たっぷりありましたし。
ブログネタにもなりましたしね。
帰ってから、我が家では、何日か、「ブリのてんぷら。」をギャグにして遊んでましたよ。
そういう意味でも、まあ思い出にはなりました。