平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(1345)ああ、恥ずかしペアルックの博多旅(1)

みゆきさんの妄想

今月は、奇跡的に、凡が6連休という、今の会社に入って初めての長期の休みが、本人は希望していないのだけれど、決まった。

なので、そのうちの最初の3連休は、凡だけで、新潟、長岡、糸魚川と、その周辺に縄文の資料館を周ったり、ひすい海岸で翡翠を探したりと、遊んできた。

んでもって、1日、家で休んで、残りの2連休である。

ここは、ミニボンも休みだったので、どこかへ行こうということになった。

ミニボン曰く、2日間、ふたりで家にいたら、息が詰まるらしい。

とはいうものの、ここだという目的地も無い。

そんな時に、ミニボンがネットで、福岡往復とホテルが付いて、1人、12000円だったかのパック商品を見つけた。
往復と言っても、新幹線でなくて、JALだ。

これは、値段的には安いのじゃないかということになって、その安さから、福岡往復に決まったのであります。

んでもって、このパックは、自由度も高くて、JALも便を選ぶことができるし、ホテルも選ぶことが出来る。

ということで、7月11日(月曜日)。

大阪モノレールの始発で伊丹まで移動して、JALにチェックイン。

時間は忘れたが、7時ごろの出発で、8時半ごろ福岡空港に着。

やっぱり、伊丹発は、関空発と違って楽ですね。

しかも、福岡は空港から博多までが近い。

9時過ぎには、福岡に着いてしまった。

今日は、朝から行動が出来るので、ちょっと遠くまで移動しようと思う。

門司レトロだ。

ミニボンが行ったことが無いと言うので、行ってみようと思う。

まずは、キャリーケースをホテルに預けよう。

今日のホテルは、ホテル法華クラブ福岡さんだ。

口コミで、朝食が良いと言うので、ここに決めたのだ。

さて、博多から、門司港まで、移動しようと思うが、この距離なら、普通電車で行っても大丈夫だろうけれども、ミニボンと一緒なので、新幹線で行こうと思う。

ネットの乗り換え案内を見ると、博多から門司港までの乗車券が、1380円、そして、博多から小倉までの新幹線自由席が、990円とあって、合計で、2370円だ。 

特急料金が990円なら、新幹線を利用するのも値打ちがあるだろう。

と、博多の自動販売機で、きっぷを買ったら、乗車券は、1380円で同じなのだが、新幹線が、指定席にしたせいか、特急券が、2290円で、合計で、3670円になってしまった。

しまった。

自由席と指定席で、こんなにも値段が違うものなのだろうか。

これも、みどりの窓口の駅員さんと、話をしながら買ってたら、こんなミスはなかっただろうに。

やっぱり機械で買うのは苦手だ。

ということで、さくらと在来線を乗り継いで、門司港に着。

門司港の駅は、門司港レトロと言われるだけあって、ホームもまた趣があって、何枚も写メを撮ってしまう。

駅を出て、海の方に歩いて行って、門司港に来たことを感じてみる。

これは、考えてもみなかったのだけれど、「恋人の聖地」という跳ね橋があって、少し待ったら、橋が跳ね上がって、通れるようになるというので、待ってから、橋を通った。

とはいうものの、別に何ていう事も無い。

向かいに渡ったところで、門司レトロ名物の焼きカレーのお店があったので、入ることにした。

門司港茶寮別館さん。

ミニボンは、普通の焼きカレー、凡は、シーフード焼きカレーを頼んだ。

これはもう、カレーにチーズが乗っていて、それをオーブンで焼いているので、間違いないですよね。

美味しかったです。

外へ出ると、少し雨が降り出したようだ。

焼きカレーのお店から、老松公園の方に向かって歩いて、中央市場を通って、それから栄町銀天街を抜けて、門司港まで帰って来ようと思う。

ぶらぶらと、のんびり歩く。

こういう街歩きが、凡は好きだ。

中央市場も、銀天街も、月曜日が定休日のお店が多いのか、大体が閉まっている。

銀天街の横道に、前に行った焼きそばと甘味のお店があったので、かき氷を食べる。

やっぱり、暑いときは、かき氷に限る。

途中で、雨がドシャ降りになってきたので、百均で300円の傘を買った。

そして、関門連絡船のりばまで移動して、ここから、下関の唐戸まで、短い船の旅である。

ミニボンは、旅行に行って、そこで船に乗ったら、大体が満足してくれるので、ここは、船に乗ってかなきゃいけない。

ということで、下関の唐戸に着いたら、これまた、更にドシャ降り具合が、酷くなっている。

港の奥を見たら、軍艦が雨に霞んで見えている。

カッコイイね。

唐戸市場が近いので、覗いてみる。

でも、こんなところに来ても、買うものがないのである。

生ものは、買えないし、これといって欲しい物も無い。

凡が、ぶらぶら歩いていると、カマボコ屋さんの兄ちゃんが、声を掛けてくる。

それを素通りして、歩いていると、後で大きな声で話しているのが聞こえた。

ミニボンと、カマボコ屋の兄ちゃんだ。

このちくわが、どうたら、こうたら。

でもって、このカマボコは、殿さまが食べるカマボコだとか、なんたら、かんたら。

んでもって、このちくわが、2つと、カマボコを2つ、それに、特別に、あーたら、こーたら。

それを、凡は、離れたところから見ていた。

どーなんのかなーってね。

ミニボンが、始めに試食をしたので、まあ、これは買うだろうなと思ってはいた。

買わない物は、試食しないからね。

試食したなら、付き合いで、買うんだろう。

凡にしたって、行ったこの時は、ドシャ降りで客は誰もいない。

そんな中で、強引といえば、強引だけど、熱心にすすめるのは、嫌いじゃない。

ある意味、商売熱心だから。

ただ、兄ちゃんの手に持った本数が、手に持てないぐらいになってるので、これは、どーなんのかなーってね。

ということで、結局、カマボコは断って、ちくわ2袋を1000円で買って、凡に追いついてきた。

これは、後日談だけれど、家に帰って、ちくわを食べようかなと思ったら、原材料のところの最初に書いてあったのが、「魚肉(輸入)」とあるではないですか。

下関の唐戸の市場で売ってるので、凡だって、てっきり下関か、福岡のフグを使ったちくわなんだろうなと思っていたのね。

だって、ちくわの袋には、「唐戸市場」と赤く大きく書いてあって、その横に、フグのイラストと、「〇〇栄誉大賞」とデカデカと印刷してあるもんね。

ちくわの名前も、「ふく」(フグ)という文字の付いた名前である。

じゃ、輸入の魚肉って何なのということなんだけれど、鱈とか、そういうメジャーなもんだったら、そう書くよね。

魚肉としか書いてないのは、どんな魚なんだろう。

フグの絵が描いてあったり、フグという文字の入った商品名だったりしてるんだけど、肝心のフグは魚肉に入ってないのかと思ったら、「ふぐエキス」とある。

フグじゃなくて、エキスだ。

しかも、トラフグじゃなくて、シロサバフグ。

と、帰ってからも、原材料の表示を見て、なかなか、楽しめたのであります。

いや、これは怒ってるのではなく、面白なあということなのでございます。

ちくわも、美味しかったですし。

というか、観光地の土産物で怒るなんて、それは、野暮というものでございます。

ということで、唐戸市場で、ちくわを買ったら、もうすることがない。

2階に、寿司屋があるようなので、行ってみたら、長蛇の列だったので、やめた。

外は、ドシャ降りが続いている。

なのだが、港の奥に停まっている軍艦が気になる。

なので、近くまで行ってみることにした。

もう、雨の勢いがスゴクて、ほとんど、傘を差している意味がない。

全身、びしょびしょだ。

護衛艦「いなずま」。

甲板で、白い制服を着た自衛官が、2人、作業をしていた。

カッコイイ。

さて、こんな雨じゃ、他に行くことも出来ないので、門司港へ帰ろうと思う。

とりあえず、ミニボンも、船に乗ったし、下関も来たので、まあ、満足というところか。

唐戸から、船で、門司港まで移動。

JRの時間に余裕があるので、スターバックスで、アイスソイラテだったかを頂く。

この時も、凡とミニボンは、柄は違うのだけれど、似たようなデザインのかりゆしウエアを着ていたので、お姉さんに、お揃いのシャツ素敵ですねの言葉をもらっちゃった。

いや、これ、恥ずかしいですね。

何故か、このペアルックに見える取り合わせは、目立つのか、この日だけでも、居酒屋さんとか、他のお店でも、4回ぐらい言われたかな。

もう、ペアで着るのはよそう。

最近、ペアルックって、街でほどんど見かけないものね。

してると目立ってるのかも。

恥ずかしいね。

でも、みゆきさんとなら、ペアルックもしてみたい気もするな。

とはいうものの、凡なんて、みゆきさんに認識もしてもらえないので、ペアになることすら無理な話だ。

もし、これが近所に住んでたらね、みゆきさんのお出かけするときに、ちらっと何を着ているか見てさ、凡も同じ服を着るとかね。

無理やりペアルック作戦。

でも、みゆきさんは、東京で、凡は、大阪だ。

なので、チャンスがあるのは、コンサートの時ぐらいということになる。

2枚チケットが当たったら、まず初日は、みゆきさんの服を記憶しておいて、2回目のコンサートの時に、同じような服を着て参戦。

今回のラストツアーで言うなら、花柄のフェミニンなブラウスに、シースルーの袖みたいなね。

凡が着て行ったら、目立つだろうなあ。

ああ、でも、そんなことして何の意味があるんだろう。

でも、しちゃうのが恋というものだ。

無理して、人の視線に耐えて、やっとの思いで、ペアルックで、みゆきさんのコンサートに参加するさ。

凡も、そりゃ、バカなことをしてるって解ってるんだ。

でも、みゆきさん恋しさにしてしまった。

コンサートが終わって、急に、凡自身が、情けなくなって、そして寂しくなって、こんなことしたって、みゆきさん、ちっとも喜ばないもんね、なんて思いながら、空を見上げたら、涙がこぼれちゃった。

通り過ぎる人は、変人を見るかのように、嘲りながら、通り過ぎてゆく。

「ああ、みゆきさん。凡は、バカです。」

そう呟いた時に、黒いハイヤーが横に停まった。

すっと窓が開いたかと思ったら、そこに、みゆきさんがいる。

「み、み、みゆきさん。」

「あんた、ほんと、バカだねえ。泣くぐらいだったら、どうして、そんな格好してきたのよ。明日も、その格好で来なよ。分かった?」

って、ハンカチを凡に渡した。

白い亜麻のハンカチ。

なみだを拭くと、かすかにジャスミンの香がした。

そして、みゆきさんのハイヤーが去っていった後に、ハンカチを開くと、そこに明日のチケットが挟んであった。

と、まあ、無理やりペアルックからの、みゆきさん登場。

妄想は置いておいて。

帰路は、小倉までは普通で、小倉から博多までは、特急ソニック74号に乗った。

ソニックは、車内のデザインとか、あまり好きではないんですよね。

でも、特急なので、在来線の横揺れはあるが、ゆったりとしたシートで快適に、博多まで帰って来たのであります。

博多から、ホテルに行く前に、ミニボンが、今回の旅行で行ったみたいと言う場所があるので、そこだけは、先に押さえておこう。

櫛田神社だ。

別に、この神社の御祭神が、どうだとかいうのではない。

ミニボンの好きな桑田さんが、この神社の山笠というのかな、その前で、原坊さんと、写真を撮ったらしいんです。

その写真と同じところで写真を撮りたいと、そういうことなんです。

ということで、その写真も撮りまして、商店街をブラブラしながら、ホテルにチェックイン。

ホテル法華クラブ博多さん。

部屋は、清潔で、広めである。

値段を考えると、充分、快適だ。

まずは、シャワーをして、雨でぬれたシャツを着替える。

さて、博多の夕食を食べに行きましょうか。

フロントで貰った、近くの居酒屋などの飲食店のコピーを見ながら、ここはどうだろうと思うお店に行ってみようと思う。

居酒屋「はる坊」さん。

桑田佳祐さんの奥さんの原坊に名前が似てるから良いじゃん。

店の前に来ると、地元感が出てて、もし、コピーを貰わなかったら、入ってないかもしれないと思う感じの雰囲気だ。

とはいうものの、ホテルのおすすめだし、事前にネットで見てみたけれど、評判もいい。

テーブル席には、先客の4人組。

凡とミニボンは、カウンターに座った。

いわしの刺身に、明太子いりの出汁巻き、エビのマヨネーズみたいなの、山芋の鉄板焼き、とんぺい、などを注文。

ふわふわの出汁巻きは、やや甘めの味付け。

とんぺいも、もやしなどの具を多く使って仕上げてある。

どれも、美味しいです。

スタッフは、マスターとお姉さんは、ご夫婦でやられているのかな。

他に、スタッフが、2人だったか。

奥さんは、気を遣ってくれて、ミニボンとも、話を合わせて、いろいろお相手をしてくれる。

法華クラブに泊まっていると言ったら、奥さんも、県民割か何かでお安く泊まったという。

それで、朝食が美味しいでしょうと続けた。

なるほど、居酒屋の奥さんが、安いプランと言えども、わざわざ、地元のホテルに泊まりにいくぐらいだから、それが、朝食目当てな訳だから、明日の、朝ごはんは、期待が持てそうである。

そんな訳で、いろいろ奥さんが相手をしてくれて、楽しく食事をすることができました。

できました、と書きましたが、飲み食いは、まだまだ続きますよ。

つくねのハンバーグ、それに、鯛のあらだき。

あらだきには、日本酒でしょうと2合徳利をつけた。

いやあ、楽しかったです。

そして、美味しかったです

と、言ってますが、まだ、締めを食べていません。

ミニボンは、お腹いっぱいで脱落しましたが、凡は、まだ健在でございます。

最後の、締めに、カツカレーを注文。

これまた、ごちそうさまでした。

帰りに、コンビニで、甘いお菓子を買ってホテルに戻る。

まずは、順調な旅でありました。

コメント

  1. yukemuri より:

    福岡往復とホテルで12000円は超お得ですね
    これは行かない手は無いですよね
    博多良いですね~
    大好きな街です
    門司も何度か行きましたが、こちらの焼きカレーは自分が食べた行列店よりもはるかに美味しそうですよ
    唐戸市場にも何度か行きましたが、近くに護衛艦が停泊しているなんてビックリです
    それにしても「ふく」のエキス入りは笑えますね
    エキスってなんですかね?

  2. tairabonzou tairabonzou より:

    ありがとう、yukemuriさん。
    そうですよね、JALの往復が付いて、ホテルが付いて、12000円は、安いですよね。
    今回は、まず、その企画があって、博多に決めたようなものです。
    護衛艦は、わたしも、停泊してるとは思わなかったので、思わず、ずぶ濡れになりながら、見に行きましたよ。
    カッコイイですね。
    んでもって、ちくわのフグのエキス。
    しかも、トラフグじゃなくて、シロサバフグ。
    身でもなく、乾燥させた粉でもなく、エキスですもんね。
    フグを煮出した、汁なのかな。
    でも、面白いものを食べることが出来ましたよ。

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