平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(1130)徳島でDMVというヘンテコな列車に乗る旅。(2)

旅(国内)

5月20日の金曜日。
徳島県の阿南市に、阿佐海岸鉄道のDMVに乗るために来ている。

そんでもって、昨日からDMVの時刻表とにらめっこして、どの時間に乗ろうかと悩んでいた。
というのも、JR牟岐線というのは、徳島、阿南市間は、比較的本数が多いのだが、阿南市、阿波海南駅間の本数が、地方のあるあるで、極端に少ない。
んでもって、凡の泊っているのは、阿南市だ。
阿波海南駅行きの列車は、0622時の次は、1021時と、朝のこの時間帯は、4時間の差がある。

さて、ここで悩む。
DMVだけを考えると、0622時発を選ぶだろう。
でも、凡の泊っているホテル・ルートイン阿南には、朝食が付いているのだ。
食い意地の張った凡である、この朝食を無視して出発できるのだろうか。
、、、無理だな。
時刻表と、にらめっこした結果、帰宅時間を、2330時ごろに設定するなら、1021時発の気動車でも行って帰って来れる。
ということで、阿南市を1021時に発に乗ることにした。
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さて、ホテルの朝食である。
内容的には、普通のビジネスホテルの朝食。
美味しく頂いて、部屋に戻る。
そして、少しゆっくりとして、チェックアウト。
JR阿南市から、1025時発の気動車に乗り込む。
そして、1138時に、阿波海南駅に着。
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IMG_1962.JPG(JRの向こうに見えるのが、DMVの乗り場)
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さて、阿佐海岸鉄道のDMVに乗り替えるのだが、その発車時刻が、1240時と、1時間ぐらいの時間がある。
DMVの終点では、折り返しの乗車になるだろうから、ここで昼食を食べておこうと思う。
なのだけれど、食べる店の選択肢は、少なそうである。
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阿波海南駅の前には、中央分離帯のある太くて短い道があって、その両脇には、来た人を歓迎するかのようなお店や建物が、古びてはいるが、ひっそりと存在している。
いるのだが、飲食店で開店しているのは、1軒の食堂のみである。
周りを歩いて見ると、ちょっと離れたところに喫茶店風のお店があって、ランチもやっているようだ。
イカやアジなどを食べさせるようで、少し気になる。
迷って、駅前の食堂に入った。
中に人がいる気配がしたからだ。
「とっと屋」さん。
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錆びかけた屋根などに年季を感じるが、「定食の店」という新しい幟が心強い。
引き戸を開けると、ゆったりとしたテーブルの配置で、男性が3人ほどいた。
メニューは、思ったより多くて、とはいうものの、ここは定食の店の実力拝見とばかりに日替わり定食をお願いした。
赤魚の煮つけの定食。800円。
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煮つけの味付けは、しっかりと甘辛く、ご飯が進む。
まずは、日替わりで良かったかと思っていたら、後から来た作業員のような男性グループが、とっと屋さんの名前を冠した、とっと焼きなるものを頼んでいた。
料理が運ばれてきた時に、ちょっと覗いてみたが、何なのか不明だ。
そういえば、とっと丼なるものもある。
ただ、ホルモン的なものにも見えるので、それなら苦手だから食えない。
一体、どんな料理だったのだろうか。
ということで、日替わりを美味しく頂いて、駅に戻る。

さて、ここで、昨日から書いているDMVについて、簡単に説明をしておきたい。
普通の人なら、そんな名前知らないよね。
DMVとは、デュアル・モード・ビーグル(Dual Mode Vehicle)の略で、道路では、バスとして運行をして、線路のあるところでは、列車(気動車)として運行するバスと列車の両方の性格をもった乗り物なのです。

もともと、この路線には、鉄道線が走っていたのですが、地域の過疎化であったり、利用者が激減したのをきっかけに、コスト削減や、観光資源を目的に、導入されたそうです。
JRの阿波海南駅の前には、バスのロータリーのようなところがあって、そこで、バスと列車のモードチェンジをする仕掛けだ。

何も無いコンクリートの地面に、急に現れた線路。
その最先端が、この阿波海南駅のDMV乗り場にある。
ここで、バスから車輪が出てきて、列車に変身するのだ。
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とはいうものの、ここであることに気が付く。
DMVの乗り場は、そのモードチェンジする手前にあるのだ。
ということは、乗り込んでから、線路の上にバスで移動して、そこで車輪を出してモードチェンジするという段取りになっているので、その車輪が出てくる瞬間を見ることができない。
折角のDMVなのに、それは残念でしょう。

少しばかり、ガッカリしていると、向こうから阿波海南文化村行のDMVが走って来るではないですか。
急いで、アイフォンを取り出して、列車が、バスの中に車輪を収納する瞬間を撮ることが出来た。
ちょっと、遠くで分かりづらいけど、車輪はハッキリ写っている。
これで、ちょっと満足をして、凡の乗るDMVを待っていた。
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ここで、もしDMVに乗車することを考えている人がいらっしゃったら、1つだけアドバイスを。
予約をして行かれることを強くおすすめします。
凡が行った時は、平日だったのですが、3分の2ぐらいは席が埋まってました。
(帰路は、2、3人だったけどね。)
もちろん、予約なしでも乗れるのですが、何しろ、席が、ざっと数えて18席ぐらいだったかな。
これが、土日なら、もっと人が多いでしょうしね。
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ということで、待っていると、始発の阿波海南文化村からのDMVがやってきた。
バスは、マイクロバスぐらいの大きさかな。
結構、席は狭いです。

1240時発。
そして、いよいよ線路の上に移動して、そこでモードチェンジが始まる。
前輪がバスのボンネットから出て、線路に乗っかる。
やや、バスの前方が浮き上がるのが分る。
んでもって、その後に、後輪が出て線路に乗っかる。
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この時だ、車内のモニターに、モードチェンジの様子が動画で映し出される。
と同時に、「モードチェンジ、スタート」というアナウンスが入るのだ。

んでもって、♪♪テンコシャンコ・テンコシャンコ♪♪みたいな音楽が流れて、「ソレソレソレソレーッ」みたいな、阿波踊りのようなお囃子と合いの手が流れるのだ。
思わず、この演出しかなかったのかと、その田舎臭いお囃子が、どうにもヘンテコだ。
B級感半端ないです。

そして、モードチェンジが終了すると、女性のアナウンスで、「フィニッシュ!」と言って終わる。
帰路の時だったか、同乗した後ろに座った女性が、この「フィニッシュ!」が余程気にいったのか、一緒に、「フィニッシュ!」と口に出して喜んでいた。
気持ちは分るけどね。

この演出のせいで、DMVの印象が、「フィニッシュ!」と脳内に染みついてしまった。
そして、何かをした後に、「フィニッシュ!」と言いたい凡になってしまっている。
ご飯を食べた後に、「フィニッシュ!」とかね。
トイレをした後に、「フィニッシュ!」なんてね。
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鉄道線に入ると、やっぱり列車を感じる線路の音。
ゼットン、ゼットン、ゼットン、、、。
トンネルを抜けると、左側に海が見える。
そして、トンネルを抜けると、今度は、畑や住宅。
兎に角、この路線は、やたらとトンネルが多い。
そんな楽しい列車の旅は、甲浦駅で終わり、ここでまた、モードチェンジを行って、ここからは、またバスとして走り出す。
んでもって、道の駅宍喰温泉に到着。
1311時。
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さて、始めは、この道の駅で、少し時間を取るつもりだったのですが、ホテルで朝食を取ることを優先させたので、帰路の時間は、1329時だ。
とはいうものの、道の駅とはいっても、それほど魅力的なお土産が売っているわけじゃない。
ただ、横にホテルがあるので、温泉に入ったり、食事をしたりは出来る。
凡は利用していないので、その感想は書けないが、そういう時間配分も面白いかもしれない。
それか、1つ手前の道の駅東洋町で降りた方が、バスの座席から見たところ、面白そうではあった。
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さて、帰路のDMVに乗って、今度は、今来た道の逆戻りである。
1329時発、阿波海南駅に、1401時着。
ということで、今回の旅の目的であるDMVに、無事乗車できました。
楽しかったです。

ただ、地域の活性化や、観光資源を考えるなら、マイクロバスではなくて、もう少しだけ、大きなバスというか列車にした方が良いのではないかと思う。
この大きさじゃ、地元の人も乗れないし、観光客相手にしたって不十分。
中途半端な感じになってしまっている。

ただ、1つだけ言えることは、というか、希望の光は、たとえ、どんな形であっても、今まだ、この場所に、2本の鉄の棒が、ずっと向こうまで延びていることだ。
この鉄の棒だけは、何としても残して欲しいと切に願うのであります。

さて、JRの徳島駅行きの気動車に乗って、徳島に戻りましょうか。
阿波海岸駅1408時発、徳島駅1611時着。
2時間の気動車の旅も、のんびりと。

さて、これから大阪に帰るには、往路と同じ「とくしま好っぷ」で帰ろうと思っている。
その時間から考えて、この徳島駅で、1時間49分の時間がある。
ということで、ちょっと一杯やって帰りましょう。
どうせ、フェリーの売店に、弁当が売っている保証は無いしね。

寄り道するお店は、既に決めてある。
以前に、徳島に来た時に行ったことのある居酒屋「安兵衛」さんだ。
このお店は、昼間から飲めるお店なので、こういう時に、便利だ。
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吉田類さんも、テレビ番組で訪れたことがあるという。
入口に、サインと写真が置いてありました。
カウンターに座って、まずは生ビール。
お姉さんに、オススメを聞いたら、アジもオススメだけど、まるまる1匹で、大きいからどうだろうと言うのだ。
ちょっと来てみろと、冷ケースの前に呼ばれて、見てみると、流石に、これ1匹は食べられないなと思ったので、刺身の盛り合わせにした。
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まわりを見てみると、ほぼ男性客ばかりだ。
出張の帰りかなと言うサラリーマンが、ひとりで飲んでいる。
奥のテーブルには、随分と出来上がったグループが、店のお姉さんと、もう何十年も店で働いているみたいな話をしている。
ここのお姉さんは、年配の人ばかりなので、まあ気楽と言えば、気楽、なあなあと言えば、なあなあ。
これが、5時になると、急に店員が入れかわって、Tシャツを着た若い兄ちゃんになる。
そうなると、俄然、店に活気が出てきて、元気な居酒屋になるのだ。
どっちも、雰囲気があって、良いのではあります。
昼間は、気だるい雰囲気で、夜は活気のある雰囲気。
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さて、焼き鳥、トンカツなどを追加で注文。
メニューが多いので、迷ってしまうが、何でも好きなものを注文しても、誰も何も言わない感じが良い。
気取ったところがないのだ。
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生ビールを、熱燗に変えて、イワシの酢味噌などを頂く。
こういうのが、このお店の良さですよね。
家では食べることが出来ないし、チェーン店にもなさそうだ。
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ふと、テーブルの注文用紙を見ると、生ビール2杯に、熱燗を3つ頼んでいる。
そろそろ、切り上げないと、酔っぱらって帰るのが億劫になってしまう。
最後の締めに、寿司でも食べようと思う。
バッテラでも食べようかと思ったら、「デラックス」なる寿司があるじゃない。
何につけても、デラックスというのは、それは贅沢なものであるに違いない。
徳島の最後は、デラックスで締めよう。
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んでもって、サーブされたお寿司は、ちょっとだけ具の多い海鮮巻きずしというところか。
デラックスという言葉に、ウキウキとして待っていたが、やや、デラックス度が足りない気がした。
「えー、寿司飯より、愚の方が多いやん。わー、具がこぼれ落ちそうだよ。」みたいなのを期待したのだけれどね。
このネーミング、普通に海鮮巻き寿司じゃ、ダメだったのかな。
とはいうものの、ボリュームもあって、締めの1品には十分でございました。

ということで、徳島での一杯も「フィニッシュ!」ということで、そろそろ徳島港へ向かいましょう。
路線バスで、徳島駅から、徳島港へ移動。
南海フェリーで、和歌山港へ移動。
1855時発、2105時着。
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復路のフェリーも、往路と同じフェリーで、客も少なく、絨毯スペースでゴロンと寝転がっていたが、寒くなってきたので、椅子に座って、和歌山港まで戻る。
んでもって、南海電車の和歌山港駅から、なんば駅まで移動。
そして、地下鉄、京阪電車と乗り継いで、23時半ごろ、自宅に戻ったのであります。

今回は、ただDMVに乗るという目的だったので、他は何も考えない分、のんびりと旅をして、美味しいものを食べて、意外と、楽しめた2日間だった。
これが、徳島で観光しようとか、阿南市で、有名なところに行こうかとか、そんな事を考えていたら、たぶん、こんなリラックスした旅にはならなかっただろうなと思う。
ということで、今回のDMVに乗る旅は、これにて、「フィニッシュ!」でございます。
長々と、お付き合いくださいまして、ありがとうございました。

コメント

  1. yukemuri より:

    DMVですか?
    初めて聞きました
    バスと電車が合体してような乗り物なんですね
    モードチェンジの時に変なお囃子にフィニッシュですか?
    微妙な演出ですね(笑)
    そうそう、煮つけ定食は美味しそうですね
    最近煮つけなんて食べたないなぁ~
    たまには食べたいですよ
    類さんが来た安兵衛も良いですね
    特に海鮮太巻き?かな、サバとかも巻いてあるのかな?
    これがとても美味しそうに見えますよ
    そうそう、一度だけ類さんと同じ飛行機になり、2言ほど言葉を交わした事があります

  2. 平 凡蔵。 より:

    ありがとう、yukemuriさん。
    DMVは、私も、それほど興味がなかったのですが、テレビ番組でやってたのを思い出して行ってみることにしました。
    モードチェンジの時のお囃子もヘンテコですが、その路線自体も、これでずっと運営できるのかなって感じの微妙な存在でしたよ。
    地元の足としても、観光用としても、中途半端な感じで。
    魚の煮つけは、美味しいですよね。
    魚の煮つけとか、焼き魚は、家の食卓に上ることが少ないので、食堂に行った時は、頼む頻度は多いかもです。
    類さんの行ったお店の海鮮巻きは、、、、デラックスという名前なのですが、ほぼ、鉄火巻きのような感じで、もちろん、サバも入ってませんでした。
    サバも、エビも、うなぎも、入ってませんでしたよ。
    他の料理は、美味しかったです。
    1度、類さんとお店で、乾杯をしたいですね。

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