6月6日(日曜日)。
八戸の駅の上にあるホテルで目覚める。
さて、早速、朝食を食べに行こう。
朝食は、ホテルの中にある食堂ではなく、一旦、外に出たところにある一般のお店で提供される。
もともとは、バイキングの朝食が付いているらしいが、凡の行った時は、コロナ対策として、定食形式になっていた。
店の前のサンプルを見ると、一般の客には、850円で提供されているようだ
ということで、その朝の定食を頂く。
内容については、こんなことを言って申し訳ないが、褒めるところは見つからない。
冷めたいソーセージなども添えられているが、調味料は、どこを探しても、醤油しかない。
とはいうものの、お腹も膨れたし、支度をして、ホテルをチェックアウト。
何しろ、今日は、ピーマンさんが参加されている朝市に行かねばならない。
出来るだけ早く出発しよう。
そうだ、昨夜に聞いたうに弁当を予約しておこう。
駅のホームからお店に電話を入れたら、当日の予約は聞いてないが、朝一に電話してくれてるしと、予約を受け付けてくれた。
JR八戸駅から、陸奥湊駅まで移動。
7時30分のちょっと前ぐらいに到着。
駅から朝市を目指して歩いて行くと、岸壁に沢山のお店が並んでいるのが見えた。
館鼻岸壁朝市(たてはながんぺきあさいち)。
日曜日の朝に開催されている。
朝市というと、干物などを年配の女性が道に並べて、ポツリポツリと観光客が、その店を冷やかして歩くというイメージだった。
でも、八戸の朝市は、驚くね。
兎に角、会場へ入ったら、その人の多さにびっくりした。
人、人、人で賑わっているじゃない。
しかも、家族連れや、若い人も多い。
というか、朝の6時ぐらいからやっているそうで、そこに行こうと思ったら、もう5時とかに家を出なきゃいけないだろう。
若いカップルが、朝市で、デートをしているのだ。
健康的なデートじゃないか。
しかも、岸壁にずらりと屋台が並んでいるのだけれど、その数が半端ないのである。
地元の食材もあるけれども、どちらかというと、食べ物屋台のフリーマーケットという印象だ。
(後ろは岸壁だ。)
まずは、ピーマンさんの屋台を探さなきゃいけない。
と、探しながら歩くも、美味しそうな屋台が並んでいるので、ついつい食べて見たくなるが、何しろ、朝食を食べたばかりなので、お腹も空いてはいない。
なので、食べ歩きは断念。
(ピーマンさんの屋台)
やっとのことで、ピーマンさんの屋台を発見。
マスターに挨拶をして、まずは、朝市をぐるりと回ってみることにした。
楽しい。
実に楽しい朝市である。
今度は、これを目的に来てもいいな。
んでもって、また、ピーマンさんの屋台に戻って、アイスコーヒーを頼んで、屋台の後ろに設置されたライブの椅子に座る。
既に、朝イチから、ライブをやっているようで、そんな朝の時間を、お客は、めいめいに楽しんでいるようだ。
今、ちょうど自動車のバンの前のステージでは、男性ボーカルと箱を利用したパーカッションのセッションが繰り広げられている。
港の潮風と、明るいオープンなステージと、使い古したガタガタと座りの悪い椅子と、それらを感じながら飲むアイスコーヒーは、また格別だ。
それにしても、マスターはスゴイなと、改めて感じていた。
昨夜、本八戸のお店で気持ち良く飲んだのだけれど、それからも、マスターは、お店でお客の対応をしていたはずだ。
それが終わってから、家に帰り、バンを運転して、この港に来て、それで、自分のお店の設置をして、それだけでなく、ステージを作り、パイプ椅子を設置して、今もまた、アンプの調整をしている。
寝てないよね。
年はいくつか聞けなかったが、ある程度の年齢ではある筈だ。
それを、こんな風に、活動的かつ積極的に動けるなんて、ベラボーな刺激を凡は受けたのである。
「お前は、何やってるんだ。」という問いを投げかけられた気がした。
その答えなんて、恥ずかしくて、というか、不甲斐なくて、言うことが出来ないよ
こんな風に、朝市で、ライブをやっているのは、マスターの店だけだ。
物を売ると同時に、何かを発信していこうという気持ちが、素晴らしい。
そんなライブを、椅子に座って聞いていたら、マスターが、女の子の写真のパウチをテーブルに置きだした。
見ると、「八戸発アイドルユニット」とあるではないか。
そこに、可愛い女の子の2人組の写真が載っている。
「ストロベリームーン」ちゃん。
今、八戸は熱いね。
アイドルってさ、普通じゃ、なかなか会えないよ。
そのアイドルのステージが、始まろうとしているのである。
ライブの期待も高まるというものだ。
そういえば、大きなカメラを持った人が増えてきたような気がする。
(ハッシュタグをつけてSNSにアップしてと言ってたので、そうしたいのですが、これでいいのかな)
#ストロベリームーン #八戸
ということで、始まったアイドルのステージ。
カワユイ。
このユニットは、中1と小6の組み合わせで、最近、オリジナルの曲も出来たようだけれど、この時は、有名なアイドルグループの歌を歌っていた。
いつか、この子たちが、テレビの歌謡番組に出演して、それを家のテレビで、冷たいビールを飲みながら見る日が来たら、それは最高だろうね。
そんなアイドルのステージが終わったら、みんなでマツケンサンバを踊るタイムがやってきた。
凡は、こんなのは苦手だ。
なので、こっそり、ひっそり、ただ見ていようと思って、小さくなっていたら、マスターが、フリフリのボンボンを持って来て、凡に渡して踊れという。
ああ、どうしたものか。
恥ずかしくて仕方がない。
とはいうものの、ヤケクソである。
前に出て、踊った。
踊ったというか、フリフリを持って、ジタバタと足を右左に動かしただけだ。
しかし、実に楽しい時間だ。
マスターに刺激も受けたし、また、この朝市自体が、想像以上に規模が大きくて、見ているだけでも楽しい。
また、ライブをやっているバンドの人たちの何かを発信していこうという気持ちも感じた。
ちょっと、朝市に寄って行こうと思っていたのだけれど、すっかり長居をしてしまった。
1時間半以上、そこにいただろうか。
さて、そろそろお暇をして、初めは種差海岸を散策して、それから、うに弁当と思っていたが、その時間がなさそうだ。
駅に向かって歩こうと思ったら、鮫行きのバスが来たので乗り込んでみた。
或いは、鮫で、散歩でもと思ったが、その時間も無いことが解ったので、JRの鮫駅から、八戸線で、久慈駅まで移動。
この間の車窓の風景が素晴らしい。
時おり見える海岸に打ち寄せる波が、思ったより荒いので、遠くへ来たもんだと、そんな旅情を感じていた。
そして、久慈駅に到着。
うに弁当はJRの駅ではなく、隣にある三陸鉄道さんの駅舎の中の立ち食いそばのお店で売っている。
三陸リアス亭さんのうに弁当。1570円。
予約してあることを告げて購入。
凡が行った時は、当日のものが、まだ残っていた。
お店の前にある駅舎の中のベンチで食べる。
弁当の包みをあげると、ウニが、ご飯の上に、一面に乗せられている。
こんな贅沢な弁当があるだろうか。
蒸しウニなので、生ほどの香はしないが、蒸しウニならではの、優しい風味が口の中に広がる。
昨夜の綺麗なお姉さんに、うに弁当を教えて貰って良かったと感じていた。
さて、これからどうするか。
この久慈では、琥珀が有名なようで、見ると琥珀博物館なるものがある。
三陸鉄道の案内所で聞いてみたら、タクシーで片道2000円はかかるようで、琥珀を見るだけなら、お店でも見れるということなので、博物館は、候補から外した。
(久慈駅前)
ということで、琥珀のお店を見に、道の駅まで歩いて行く。
この道の駅には、琥珀のお店が2軒ある。
まずは、1軒目を覗いてみる。
若くて可愛い女の子が、優しい感じで声を掛けてくれた。
でも、琥珀なんて、買えるお金も無いし。
小さなお店なので、ちょっとだけ見て、2軒目に移動。
こっちは、すごく積極的な女性が、ずっと凡について説明をしてくれる。
でも、やっぱり、琥珀を買うお金なんてない。
すると、こはく缶なるものを発見。
これは何かと聞いたら、琥珀を採掘している場所の実際の土を缶詰にしたものだそうで、自分で琥珀を掘り出して体験するものだという。
こういうのは、面白そうだ。
それに、テレビドラマ「イチケイのカラス」で、主人公の入間みちおが、ふるさと納税の返納品で貰ったという設定で登場すると言う。
よし、買ってみよう。
琥珀缶には、普通の琥珀缶と、極琥珀缶という2種類があるという。
どう違うのかと聞いたら、普通のは、土をそのまま入れているという。
そんでもって、極の付く方は、土と一緒に、琥珀の粒も予め混ぜていれているという。
それなら、極の方がいい。
だって、土を掘って、それで琥珀が出なかったらショックだもんね。
極の方は、琥珀の欠片をブレンドしてくれているから、ショックを受けることもなく、ただ、楽しいだけじゃないか。
いいねえ。
ということで、極を購入。
記憶では、普通の琥珀缶が1000円だったのに対し、極は、3000円だったような。
これは後日談になるのですが、極こはく缶を開けてみましたよ。
いざ、採掘!
大判小判がザックザク。
いや、この場合、琥珀がザックザクだね。
と勢いよく缶を開けたら、まずもって、小さな琥珀が、もうパラパラとはいっているではありませんか。
これがプラスで封入された琥珀なのだろう。
その大きさ、米粒の半分ぐらいの小ささ。
んでもって、実際の採掘だ。
土は乾燥していて、付属の竹串なんぞでは到底削る事も出来ず、少し湿らせて削ってみたが、削っても、削っても、何も出てこない。
結局、削った土からは、1つも出てこなかった。
というか、すごく小さな欠片が出て来たようだけれど、手で土を落としている時に割れてしまった。
テーブルに新聞紙を広げて、結構な時間を、手をドロドロにして削ったが、結局は、初めに混入されていた米粒半分ぐらいの欠片以外は収穫ゼロ。
あの極こはく缶の横の写真の堂々たる琥珀は、何だったんだろう。
そして、お店で買った時に、お姉さんに言われた「大きいのが出て来たら良いですね。」という言葉が、蘇って来て、耳の奥でリフレインしている。
缶の説明を見ると、対象年齢10歳以上。
いやいや、10才の子供が、これをやって、1個も出て来なかったら、ショックを受けるよね。
凡が思うに、これは努力しても結果が得られないこともあるよという体験をさせてくれる缶だったんだろうなと思う。
それを、それほどショックを受けることもなく、納得できる年齢を対象にするべきじゃないかな。
なので、対象年齢50歳以上とすべきじゃないだろうか。
というような極こはく缶でありましたが、この時は、ワクワクな気持ちで購入したのであります。
んでもって、そのお店の袋に入れて貰って、帰る途中、1軒目のお店の前を通る。
すると、若くて可愛いお姉さんが、寂しそうな目で、凡を見ていた。
「いや、たまたま、むこうで面白いものがあったもので、いや、それに、琥珀そのものみたいに高価なものでもないんだ。本当は、お姉さんのお店で買いたかったんだけど、なんとなく流れでね。むこうのお店で、安い体験セットを買っただけなんだ。」
そんな言い訳をしたかったが、その勇気もなく、「ごめんね。」と小さく呟いて、お店の前を通り過ぎた。
久慈の駅まで戻って、ちょっと時間があったので、横にあるビルのカフェで、三陸産フィッシュバーガー・マヒマヒというものを食べる。
周りは若い女の子ばかりで、ちょっと浮いていたか。
JR久慈駅から八戸まで、また、さっき来た線を逆もどり。
車内は、ガラガラだ。
さて、これからどうするか。
今日1日というか、昨夜からの八戸が楽しかったので、八戸で、もう1泊して、またピーマンさんに行こうか。
マスターや隣の女性との時間が楽しかったものね。
次はいつ行けるか分からないしさ。
名残惜しいんだな。
とはいうものの、ここで悩む。
凡とマスターとの温度差だ。
こっちは、会いたいと思っていても、向こうは、思ってないかもしれないじゃない。
片想いは辛いもんね。
やっぱり、先へ進もう。
それに、今日の朝、明日の仙台からのピーチを予約してある。
仙台に泊って、そのまま空港へというのが楽だし、便利だろう。
ということで、八戸駅に着いたら、キャリーをホテルで受け取って、みどりの窓口に行ったら、もう今から新幹線が出るという。
なので、そのまま、切符を買わずに新幹線に乗れと言うのだ。
言われるままに、そして、適当な席に座って乗っていたら、その指定席の人が乗り込んできたので、仙台までに2回席を替わったが、無事に仙台駅に切符なしで到着。
車内検札来なかったんだよね。
で、仙台駅で清算をしたら、1万円ぐらいした。
結構、距離があったのかな。
今日の宿は、仙台ビジネスホテルさん。
特価プラン、朝食付きで、税込み、2900円。
駅から歩くと結構な距離があったが、無事ホテルに到着。
チェックインをすると、フロントの男性の対応も、丁寧である。
部屋は、やや狭くて、圧迫感はあるが、それでも、掃除も出来ているし、バスにしたって、狭いとはいうものの、充分である。
窓の外は、どこかのビルの壁面だ。
まあ、これも問題ない。
さて、晩御飯にビールといきましょう。
と、ホテルを出て、そこでコロナの時短がないかチェックして、シマッタと思った。
果たして、泊まるのを仙台以外にしておけば良かったか。
八戸で、もう1泊すればよかったか。
仙台は、19時で、アルコールの提供がストップして、20時で閉店すると言う。
時間を見ると18時を回っている。
急いで、お店を探しながら、商店街の方に向かって歩く。
途中、国分町あたりでは、呼び込みの人が、意外に多いことに気が付いた。
まあ、最終的には、この人たちに声を掛ければ、どこかで飲むことが出来るに違いない。
ただ、居酒屋と言うより、女の子の居るお店が中心なのかもしれない。
歩いていると、呼び込みのお兄ちゃんが、声を掛けてくる。
「ガールズバー、どうですか。」
「キャバクラもありますよ。」
そんな感じの呼び込みだ。
当然、そんなお店に行くつもりはない。
なので、断って通り過ぎようとした時だ。
お兄ちゃんが、通り過ぎる凡の背中で、普通の声で、「おっぱいもあるよ。」と言った。
凡の足が止まりかけるも、そのまま歩き続けたが、気になるキャッチコビーじゃないか。
「おっぱいもあるよ。」
風俗のお店なのだろうか。
でも、それなら、こんな表現を使うだろうか。
或いは、おっぱいパブというか、おっぱいをお触りできるバーみたいなものだろうか。
それなら、おっぱいもあるよという表現は、いかにも似つかわしい。
それとも、おっぱいを見ながら飲むお店なのかもしれないぞ。
カウンターに座ると、目の前に綺麗なお姉さんが座る。
んでもって、オーダーを通すと、おもむろに、タンクトップの紐を外して、おっぱいボロリなんてね。
んでもって、その目の前のおっぱいを見ながら、熱燗をちびりちびりとね。
って、どんな状況やねん。
そして、凡は、そのおっぱいを見るね。
ジロリと見る。
じっっくりと見る。
近寄って、また見る。
んでもって、熱燗をちびり。
しかし、このおっぱいは見るためのものなのだろうか。
「君、そのおっぱいは、見るだけのものなのかね。」
「、、、、。」
「果たして、触れてもいいものなのかね。」
「、、、。」
「いやなに確認なのだが、吸ってもいいものなのかね。」
「、、、。」
ああ、もう気が狂いそうだ。
たまらなくなって、凡は、お店を出てしまうだろう。
しかし、一体、「おっぱいあるよ。」は、どんなお店だったんだろう。
呼び込みのお兄ちゃんから、だいぶと離れても、その言葉が頭に残っていた。
そのまま商店街まで出て、歩き回るが、飲める飲食店を見つけられない。
もうダメかと思った時に1軒の焼き鳥屋があったので、すぐに入る。
串鳥さん。
入って、いくつかの焼き鳥を頼んで、一応、アルコールのオーダーストップの時間を、女の子に聞いたら、「8時?8時半?」みたいな、あやふやな返事が返ってきた。
これは、大丈夫そうだなと、ペースを落としたが、最初の数杯で、酔いが回ってしまっていた。
焼き鳥を、いくつか頂いて、お会計をする。
店内のスタッフも、みんなバタバタと走り回っていたので、レジで、店長さんに、「忙しそうですね。」と声を掛けたら、「お客様に、そう思われたら本当は、ダメなんですけれど。」と返した。
そういう意識を持っているなら、きっと良い店に違いないなと思いながら店を出た。
帰り道、もう1軒と思ったが、まずは、酔いも回ってることだしと、牛丼とか、そんなものを食べて帰ろうかと思ったが、なかなか店を見つけられずにいると、ラーメン屋を見つけたので入る。
家系ラーメン 傳助さん。
麺柔らかめ、味濃いめ、油多めで注文。
ラーメンは、濃い目というのは、コッテリ感が増すのかと思ったら、塩味が濃いめのようで、スープを啜ると、これが結構に塩辛い。
これは、ライスが必要だな。
隣の若い兄ちゃんは、ライスを、3杯お替りをした。
そうなるよね。
というか、ライス無料だから、3杯食うというのは、いかにも若者らしくて、見ていて嬉しくなるじゃない。
学生だろうけれど、何か知らないが、応援したい気になった。
お会計をしようとしたら、店の兄ちゃんが、「辛さとか、大丈夫でしたか。」と、その見た目には似合わない言葉を掛けて来た。
ちゃんと、客の注文したものを覚えていて、声を掛けているというのも、気配りが出来ているということだろう。
気分も良く、ホテルへ帰る。
さて、明日は、いよいよ旅の最後の日だ。
帰路の飛行機の時間もあるので、動けるのは午前中だけか。
どう過ごそうかと思いながら寝る。
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