6月4日(金曜日)。
青森に着いて、美味しいランチを頂いた。
さて、これからどこへ行こうかな。
駅前の案内所に立ち寄って、パンフレットなどを探してみる。
時間的にも、ここかな。
青森近代文学館さん。
駅前から路線バスで、最寄りのバス停まで移動。
バスを降りる時に、運転手さんが、傘を持って行けと言う。
ちょうど雨が降り出して、凡の為に、声を掛けてくれたのだ。
凡は、実は、カバンに折り畳みの傘を入れてあったのだけれど、運転手さんの親切に乗っかって、傘を借りて降りた。
親切な運転手さんだ。
バスの車内に3本ほど置いてあったので、或いは、バス会社の方針なのかもしれない。
近代文学館は、図書館と併設されていて、入場は無料だ。
内容は、青森を代表する作家の紹介で、1フロア。
その外に、ビデオの機械が置いてあった。
青森の作家と言っても、名前は聞いたことがあるが、よくは知らないという作家ばかりで、それでも、その説明などを読むのは楽しかった。
外にあるビデオは、太宰治が題材だ。
やっぱり、青森と言えば、太宰か。
とはいうものの、凡は、太宰治の作品を、読んだことはあるのだけれど、高校生だったので、ほとんど覚えてはいない。
それでも、青森と言えば、太宰だからね。
展示を見て、ビデオを見て、またもって、路線バスで青森駅に帰る。
下りる時に、借りた傘を、別のバスの運転手さんに返した。
そろそろ、チェックインの出来る時間だ。
歩いてホテルに移動。
部屋に入ると、4500円とは思えないほど、良い。
デラックスシングルと書いてあったが、ツインの部屋を案内された。
ただ、凡は、ツインよりデラックスシングルの方が良かったのではある。
もともと、ネットでは、デラックスシングルを謳ったプランを申し込んだんだ。
ツインをシングルユースするのは、まあ、部屋の空間的には、ゆったりとしていて寛げるだろうけれど、あの、もう1台のベッドは、どうするのよと悩むのである。
勿論、これはホテルが用意してくれたのだから、もう1台のベッドも使用して良いということになるのだろう。
なので、こっちのベッドで、ゴロリンチョとやって、そんでもって、そっちのベッドにゴロリンチョとやっても良いのである。
贅沢だよね。
或いは、今日これから知り合った北の国の女と、もう1台のベッドで、あんなことや、こんなこと。
なんてのも、出来ちゃったりするわけだ。
まあ、出来ちゃったりするわけだけれど、実際に、出来ちゃったことは、未だかつて1度も無いのだけれどね。
しかし、この凡の身体は、1つな訳だし、ベッドを2台使うと言うのは、清掃の人にも申訳ない気がするのだ。
だから、使用するのは、どっちか片方の1台ということになる。
となると、これがまた、窮屈なのだ。
もう1台は、使用せずに置いておく。
まあ、それは良い。
ただ、清掃の人の事を考えて、誰が見ても、新品だと解る状態で、ベッドを置いておかなければいけない。
そうでなければ、清掃の人も、これは使ったのか、使ってないのか、判断に困るだろう。
それでもって、判断が出来ない場合は、念のためにシーツを変えたりするだろう。
いや、本当の事を言うとね、次の日に、凡が新規の客として、その部屋に泊るという設定で考えるなら、たとえ前泊者が使用していなくても、その部屋に誰かが泊ったのなら、もう1台のベッドもシーツ交換をして欲しいと思うのであります。
だって、誰が泊ったかも分からないし、一晩、どういう状態だったのかも分からない。
そういうのって、ちょっと気持ち悪いじゃない。
なので、この場合、敢えて、2台のベッドを、誰が見ても使ったと分かるように、適度に乱しておくのが、次の日に泊る人への配慮だろう。
とはいうものの、清掃する人にとってみれば、使わないのなら、新品だと解釈するのが、一般的なのかもしれない。
余計な手間暇はかけたくないと考えるのかもしれない。
ここに、凡は、今日のホテルでは、ベッドは1台だけしか使わないでいようと思う。
何か、申し訳ないものね。
となると、次の日に泊る人の為にも、もう1台のベッドには、指1本触れてはならぬのである。
迂闊にも、ベッドに座ったり、荷物のバッグがシーツに触れたりしてはいけない。
そう思うと、些か、窮屈になるのである。
念のために、もう1台のベッドからは、およそ30センチは離れて行動すべきだろう。
そう考えると、あまり酔っぱらってホテルに帰るのも控えるべきか。
まあ、仕方がない。
スタッフの人の好意でツインにしてくれたのだから、それに感謝してお酒控えめといきましょうか。
とはいうものの、空間は広いので、閉塞感も無く、ゆっくり過ごすことが出来そうではある。
また、調度品や、壁なども、リニュアルしたのが最近なのか、新しくて綺麗なので、気持ちが良い。
また、バス周りも、ゆったりとしていて、アメニティも、足の指を広げてリラックスさせるグッズや、マウスウォッシュなど、充実している。
今まで、寝るだけだからと、安いホテルばかり泊まってきたが、1回、こういうホテルに泊まると、その室内の快適さの違いに、また泊まりたくなる。
掃除なども、行き届いているし、何より、ベッドのシーツの白さが良い。
シーツなんて、どこも同じ白じゃないかと思われるかもしれないが、白のシーツでも、ホテルに依って、その白さが違うのである。
何となく白だけれど、かなり古いなあと感じるシーツもあるし、洗ってあるのだろうけれど、どう見ても真っ白じゃないなというシーツもある。
海外だと、シミが残っているやつもあるしね。
まあ、それは論外か。
それに比べて、真っ白で、洗い立てで、皺の無いシーツは、気持ちがいいね。
ということで、ホテルには、すっかり満足したのであります。
しかし、ここにきて、前日からの寝不足のせいか、眠くて、そして、身体がダルイ。
コンビニで買ったコーラーで、葛根湯を飲む。
そして、ベッドに横になって、これからどうするかなんて考えていた。
んでもって、気が付いたら、2時間ぐらい経っていた。
1730時頃、夕食のお店を探しに、ホテルを出る。
まだ、外は明るい。
以前に行ったことのあるお店などの前に行ってみたり、新しいお店の前に立って、どんなお店なのかと想像したり。
そうだ、宿泊は出来なかったけれど、青森グリーンパークホテルの食堂の晩酌セットで、心のこもった料理と、生ビールを頂こう。
そう思って、ホテルまで行ってみると、コロナの影響で、長期休業していた。
だから、ネットで予約できなかったんだね。
残念。
さて、それならどうしようと、アイフォンで、検索したら、良さそうなお店があったので、行ってみることにした。
「六兵衛」さん。
店の前まで来ると、お店は地下にあって、階段を下りていくことになるのだが、結構、暗いので入りにくいお店ではあった。
ただ、そこは迷いなく、降りて行って、戸を開けたら、店内の照明も、ことのほか暗い。
先客が、カウンターの奥に夫婦ではない中年のカップルが、かなりの数の料理を目の前に広げて座っていた。
ここは、ご夫婦でやってられるのかな、ママと大将の2人が切り盛りしている。
手に取れるメニューは無く、壁に貼ってあるのが、出来る料理だ。
見ると、どれも良心的な価格である。
凡が行った時は、ほとんど客はいなかったが、コロナの前は、いつもいっぱいで、なかなか入れないお店だというのは、ネットの情報。
何にしようかと迷っていると、ママが声を掛けてくれる。
オススメを聞いたら、ほたて貝焼きみそ、焼き竹の子、天然のほや、というので、それを注文。
ほやは、今まで食べたどのほやよりも臭みが無く、潮の香りだけが口中に広がる。
氷を浮かべて涼しげなのも楽しい。
ほたて貝焼きみそは、ホタテの火の入り方もグッドタイミングで、それに、以前に青森で食べた時は、ホタテ以外の具ばかりで、「ほたて、どこなの?」という貝焼きみそだったが、このお店のは、サイズは知らないが、間違いなくほたて貝焼き味噌である。
そんでもって、焼き竹の子。
どうやって食べるのかと迷っていると、ママが1本、見本で皮をむいてくれた。
1、 2枚ぐらい取るのかなと思ったら、まだむくの?というぐらいに皮をはいだ。
すると、細い竹の子が現れる。
味噌をつけて食べるのだが、これまた美味しいものでした。
それにしても、ママがむいてくれた1本は、嬉しかったなあ。
どうして、他の人に世話を焼いてもらって食べる料理は、こんなにも美味しいのだろうか。
これがもしもだよ、みゆきさんだったら、どうなのよ。
みゆきさんが、「ねえ、凡ちゃん、竹の子の皮のむきかたも知らないの?もう、あたしが、むいてあげるね。」なんてさ、凡の目の前で、竹の子の皮をはいでくれるんだ。
細い竹の子を摘まむみゆきさんの指。
普段のみゆきさんは、マニュキュアとかしてるのかな。
コンサートの映像じゃ、マニュキュアはしてはいないか、或いは、透明のマニュキュアなのか、そんな風にDVDでは見て取れる。
たぶん、イメージじゃ、マニュキュアはしていない。
そんな指先を凡は見つめている。
みゆきさんの指先の生々しい皮膚が、しっとりと湿り気を帯びた竹の子の柔らかい穂先に接触している。
ああ、こんな接触が、この世に存在していることが奇蹟だ。
「はい。凡ちゃん、お口アーンして。」
「ちょっと、みゆきさん、恥ずかしいよ。みんなみてるよ。」
「何言っているの、はい、アーンしなさい。」
「あーん。」
凡が、竹の子を噛もうとしたら、みゆきさんが絶妙のタイミングで竹の子を引き抜く。
凡は、空振りで口をパクリとやっちゃう。
「あははは。変な顔。」
なんて、みゆきさんの大笑いの声が店内に響く。
「ちょっと、もう、やめてよ。」と言いながらも、凡は満面の笑みであるに違いない。
「ごめん、ごめん。はい、竹の子。」なんて言いながら、また竹の子を凡の口の前に持ってくる。
凡が、パクリとやろうとしたら、また引っこ抜く。
んでもって、みゆきさんが竹の子を、凡の口の前に持って来て、またスポンとやる。
んでもって、またまた、凡が、「アーン。」とやる。
んでもって、またまた、みゆきさんがスポン。
アーン、スポン、アーン、スポン、アーン、、、、、。
って、凡というバカは、このパターン好きだね。
しかし、みゆきさんが、マニュキュアをしてたなら、どうなのかな。
凡は、マニュキュアをしている女性も好きなんだなあ。
細い指先に、みゆきさんのマニュキュアをした爪がある。
イメージでは、真っ赤だ。
しかし、そんな真っ赤なマニュキュアをしたみゆきさんなら、それに合った服も来ているだろう。
居酒屋の椅子に座って、脚を組み替えるみゆきさん。
やっぱり真っ赤なマニュキュアなら、黒いミニスカートだろうか。
細い脚が暗い居酒屋にボンヤリと白く光っている。
ああ、美しい。
みゆきさんのミニスカートから、にょっと出た脚ほど美しいものはあるだろうか。
上着は、腕のところがシースルーになった薄手のブラウスなんてイメージだろうか。
真っ赤なマニュキュアの指で、竹の子を摘まんで、「ねえ、凡ちゃん、サービスして欲しい?」なんて聞く訳だ、ミニスカートから脚を出したみゆきさんがね。
「サ、サ、サービスして欲しい。」なんて、うわずった声で答えるね。
すると、みゆきさんは、真っ赤なマニュキュアの指でむいた竹の子の穂先に、「チュッ。」とやって「はい、凡ちゃん、アーン。」なんて、何とも言えないイヤラシイ香りのするパフュームを漂わせながら、凡の口の前に竹の子を持ってくるね。
んでもって、凡が「アーン。」とやったら、みゆきさんが、「スポン。」なんてね。
やっぱり、このくだりは欲しい訳なんだよね、凡としてはさ。
しかし、そんな、みゆきさんとのやり取りは、起きることは奇蹟以上に可能性ゼロだろうなあ。
寂しいなあ。
この竹の子は、聞くと、ネマガリダケという種類だそうだ。
美味しかったです。
あとは、ケンミンショウでも紹介されたという「タラタマ」を注文。
これは、鱈のスルメに生玉子を落とした酒のアテなのだが、お酒の進む味なので、危険なアテともいえるものだ。
そうそう、これも美味しかったのだが、イカゲソの揚げ。
これは細く切ったイカを揚げて、大根おろしと、温玉を乗せ、甘辛い濃い目の出汁を掛けたものだ。
イカゲソ揚げという名前で想像したただの唐揚げではなかったので、意外性もあり美味しかったです。
このお店は、大将も、ママも、親切で、また、料理も、安くて美味しい。
なので、店を出る理由が見つからない。
ただ、酒の酔いだけは、確実に回って来ているのでありまして、そろそろ帰ろうかと思いだす。
途中から、女性2人組が入ってきて、遠くの席に座った。
、、、、遠いなあ。
と、少しばかり期待をしながら、状況を判断するに、これからお姉さん二人と、あーだこーだと発展することはないだろうと諦めて、お会計をした。
このお店は、だいたい、500円前後のものが多くて、なかなかリーズナブルであり、それでいて、美味しかったです。
それに、生ビール2杯、田酒、むつ八仙を冷酒で、名前は忘れたお酒の熱燗をシングルで頂いたので、そこそこの値段にはなったが、それでも安いお店には違いないのでありました。
さて、店を出たら、もう1軒寄り道をしたくなるのは、これは仕方がない。
とはいうものの、これから本格的に飲むと言うのも、もう酔っぱらっているので、ちゃんとした居酒屋などに入るのは、無理かもしれない。
ということで、ホテルの目の前にあるラーメン屋「砂小屋」へ入る。
入った理由は、店名が気になったからである。
ここでは、普通にビールとラーメンを頼む。
明るい店内は、女性ひとりでも入れる感じで、ただ、凡が行った時は、オッチャンばかりだった。
ということで、最後の締めも完了。
ホテルに戻って、ミニボンに電話を入れたら、シャワーもせずに、電気も付けたまま、バタンQ。
翌朝、6時過ぎに起きたら、ほとんどやったことのない、浴槽に入浴剤を入れて、湯に浸かった。
やっぱりJALのホテルだからね、そんなこともしてみたのである。
さあ、美味しい朝食でも頂きに食堂へ行ってみようかな。
(ホテルの窓からは、青森の海も、少しだけ見える。)
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