平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(1056)新幹線と特急を楽しむ旅。広島~呉~松山。(1)

今月の22日(木曜日)と23日(金曜日)が連休となりましたので、ちょっとお出かけをしようと思う。
JRのお得なきっぷを調べていると、「松山・広島割引きっぷ」というのを見つけた。
これは、凡の場合なら、大阪から広島まで新幹線で移動して、そこから在来線で、呉まで行き、スーパージェットという高速船で松山に渡り、今度は、帰路として松山から特急で岡山に移動し、さらに岡山から新幹線で大阪まで戻ってくるという切符だ。
(この逆回りもオッケー)
しかも、広島と松山に自由周遊区間が設定されており、広島区間なら岩国まで、松山区間なら伊予大洲まで、自由に乗り降りできる。
この旅程で、1人、15280円。
なかなか、面白い切符である。
大阪から広島までの新幹線代が、9890円。
呉港から松山観光港までのスーパージェット代が、5650円。
ということを考えると、往路だけで、もうほとんど往復の値段と同じなのだ。
とはいうものの、ちょっと考えてみると、広島には何度も行ったことがある。
松山も何度も行ったことがあるし、近いところでは、先月に行ったばかりだ。
と、少し迷ったけれど、面白い企画を考えてくれたという部分に乗っかってみるのも良いかと、行くことに決めたのであります。
なので、今回の旅の目的は、広島、松山の観光地には、行ったことがあるということで、そこには重きを置かず、まずは、普段は、青春18きっぷで普通電車でしか乗っていないので、今回は、新幹線と特急の贅沢を味わう旅ということにしよう。
よし、思いっきり新幹線と特急を楽しむぞ。
ということで、ネットで予約をして、前々日に京橋駅で発券をした。
そして、当日。
4月22日(木曜日)。
自宅を出発して、京橋駅で入鋏。
大阪を経由して新大阪に移動した。
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余裕をもって出たので、ゆっくり駅弁を選ぶ時間がある。
今から乗ろうとしている新幹線みずほ603号には、車内販売がない。
というか、コロナの影響と言うことらしいが、どんどん車内販売が消えていく。
このまま、車内販売というものが消えてしまうのではないかと、心配である。
なので、今回の新幹線を楽しむ旅では、取り敢えず、駅弁を買わなくちゃいけない。
ここは大阪の駅弁を応援する意味でも、八角弁当とか、そういうものを買わなくちゃいけないところだろう。
でも、何となく、大きなパネルで宣伝していた「品川名物 貝づくし」を買ってしまった。
大阪から広島へと移動する新幹線で、東京の駅弁。
まあ、食べたかったんだから、仕方がない。
しかし、この食べたかったから買ったという行為は、凡にとっては冒険と言うか、画期的な出来事なのである。
この駅弁を買う時だって、凡は迷いに迷って、新大阪の2軒ほどある売店のまわりを5周ぐらい歩き回っている。
もう、3周目ぐらいになると、売店のお姉さんも、「あ、またあの人だ。」なんて目でみられているようで、ショウケースの前で立ち止まるのも恥ずかしい。
それにしても、どうして、こうも迷うのかね。
まだ、朝早い時間だから、サンドイッチにコーヒーなんて、どうだろうか。
ちょっと、旅慣れてる感じでカッコいいよね。
でも、せっかくだから、ザ・駅弁というのを食べてみたい。
となると、幕の内か。
さっき言った八角弁当もある。
新幹線とか、そういうのをイメージした駅弁も多い。
しかし、八角弁当はいいとして、他のは、ちょっとウケを狙いすぎている感じがシンドイなあ。
神戸のステーキ弁当なんてのも、贅沢だな。
でも、ここは大阪だよ。
しかし、それにしても、新大阪の駅なのに、どうして全国の駅弁を集める必要があるのだろか。
駅弁という食べ物はね、その土地に行って、というか、その駅を通過するタイミングでもいいんだけれど、そこで食べるから旅情を感じるんだよね。
いくら、美味しいからってったって、神戸ぐらいだったら、まだ良いけれど、新大阪で、金沢や、静岡や、そんな場所の駅弁を売る必要があるだろうか。
あんなのを買うやつは、旅の楽しさを解っていない証拠だよ。
ナンセンス極まりない。
と、そんな持論を展開する凡が、買ったのは東京の駅弁なのではある。
詰まりは、そんな凡の持論を無視してまで、今凡が食べたいと思ったものを買った。
その凡自身の、食べたいから食べたいという心の欲求に素直に従った凡を褒めてあげたいのだ。
と、何とも、自分に甘く、自分が好きな凡なのであります。
でも、その時は、まだまだ、迷っていた。
凡は、駅弁を買う時には、その日のお昼ごはんを考えてしまう。
今日これから広島に行くなら、ソース味は止めておこうとかね。
だって、広島なら、お好み焼きを食べるかもしれない。
或いは、唐揚げ弁当なら、ひょっとしたら広島で、「むさし」と言ううどん屋さんに行くかもしれない。
そうなると、うどんに唐揚げとおむすびのセットを付けることになるかもしれない。
だったら、今は、唐揚げは止めておこうとかね。
それぐらいだったら良いけれど、ひょっとしたら夜ご飯に、焼き鳥を食べるかもしれないから、焼き鳥丼とか、同じような味付けの甘辛い牛肉弁当なんかも、ちょっと止めておこうかなとか、そんなことになったら、もう訳わかんなくなってしまう。
なので、場合によっては、本当は、これが食べたいと思った駅弁は買わずに、これ本当に凡は食べたいのだろうか?なんてのを、疑問を感じながら買ってしまったりする。
そして、その駅弁を食べて、ああ、やっぱり、あっちの駅弁の方が食べたかったのかもね。
なんて、凡の優柔不断さを恨んだりするのだ。
馬鹿だね。
なのだけれど、今回は、もう心の欲しいままに、貝づくしを買ったのであります。
ああ、やっぱり凡を褒めてあげたいよ。
さて、みずほに乗り込むと、乗車率50パーセントというぐらいだろうか。
2-2のシート配列は、やっぱり豪華さ満点だ。
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0751時、新幹線が、ホームを滑りだしたら、さっそく駅弁を開いた。
しじみ、あさり、ほたて、イタヤ貝が、甘辛く煮てあり、ごはんの上に敷き詰めてある。
枝豆の彩も添えてあって、見た目も楽しい。
ただ、野菜の煮つけもそうだけど、全体に同じ甘い味付けなので、(おしたしは塩味だったが)凡的には、酢の物か、苦みのあるおかずが、1つあれば良かったかなと、にわか駅弁評論家になってみる。
そういえば、みゆきさんは、駅弁などを買う場合、迷ったりするのかな。
以前に、あれはいつかのコンサートだったかに行った時に、東北新幹線で移動した話になって、メンバーの駅弁のカマボコが床に落ちたときに、立ったまま落ちてたというエピソードを話してたけど、あれは、たぶんスタッフが、みんなの分を手配したものだよね。
でも、プライベートで旅行に出かけた時とか、駅弁を迷うのだろうか。
「こっちの幕の内は、ニンジンが入ってるから、やーだなー。そうだ、ステーキ弁当は、、、でも、太っちゃうーっ。唐揚げ弁当は、『コケッ、コケッ、コケコッコー。』(みゆきさんのニワトリの物まね。久しぶりの旅行にテンションがアップしてるのね。)なんてね。でも、昨日の晩御飯、唐揚げだったしなあ。釜飯は、うん、これは好きだな。でも、食べた後の陶器の容れ物捨てられないから、どうしよ。やっぱ、止めた。あー、あれは酸っぱいから止めて、これは甘いから止めて、これは辛いから、やーだ。もう、どれにしようかなあ。」なんて、メチャ、迷うみゆきさんだったりして。
でも、凡のイメージだと、どこか男っぽい性格も持っている気がするんだよね。
もう、一切迷わない。
「あたしは、肉が食べたい。ステーキ弁当よ。これを買うわ。」なんてね。
いやしかし、みゆきさんなら、そんな普通の人が食べるステーキ弁当なんて、そんな生やさしいものではあるまい。
駅弁なんて、そんな枠にとらわれるみゆきさんじゃない。
肉が食べたいと思ったら、もう、駅に来るまでに、肉屋に寄るかもだ。
それで、ステーキ肉の2枚や3枚は買って新大阪駅に来るね。
新幹線が走りはじめたら、その肉を取り出して、何しろ焼くことが出来ないからね。
そのまま、肉を手づかみにして、かぶりつく。
「むしゃ、むしゃ、むしゃ。」
さすがに、肉を生でむしゃぶりつくみゆきさんを横で見ていると不安になるよね。
「み、みゆきさん、大丈夫?」
みゆきさんが、振り向いて凡を見るね。
凡を見ながら、手に肉を鷲づかみにして、前歯で肉を引きちぎっている。
やっとのことで肉を噛み切ったら、美しいみゆきさんの唇から、肉のやけに赤い血が滴り落ちる。
そして、目尻を思いっきり下げて、ニコって微笑むね。
少しばかり、怖いと思ってしまうかもだ。
「美味しいよ。」なんて、とびっきり可愛い声で凡に生の肉を差し出してくれる。
さすがに、それは食べたくないと断ると。
「あんたね。生の肉は、身体に良いのよ。あーたら、こーたら。それにさ、あたしって、素材の味を大切にするのね。そんでもって、あーたら、こーたら。」なんて、みゆきさんが、生肉の美味しさを、生肉にかじりつきながら、口から血を滴らせながら、とくとくと説明してくれる。
「もう、堪忍してくれ。」と凡は、声にならない声で呟くかもだ。
そして、生肉を食べ終わるとみゆきさんは、「凡ちゃん、美味しかったよ。」なんて、また微笑んでくれる。
凡は、食べ終わった後の、みゆきさんの口の周りに付いた赤い血や、両手の赤い血を、ウエットティッシュで丁寧に拭いてあげる。
いや、しかし、その血を拭く作業に、凡は、意外と幸せを感じるのかもしれないのではある。
とはいうものの、みゆきさんって、そんな男っぽい性格ではないのかもしれない。
まだまだ、幼い少女のような感性を持っていることも考えられるよね。
駅弁なんて、元から買わないのだ。
そんでもって、プリンを大量に買ってくる。
理想としては、高級なプリンじゃなくて、プッチンプリンみたいなのが雰囲気かもだ。
新幹線に乗り込んだら、その大量のプリンを、付属のプラスチックのスプーンで食べ始める。
「みゆき、幸せ。」なんて、言いながらプリンを食べてるんだ。
ああ、可愛いなと思う瞬間だね。
そうだ、みゆきさんは、自分の事を、多分だけど、みゆきなんて言いはしないだろうけれど、まあ、ここは凡の前だけでは、ちょっと甘えたさんのみゆきさんになるという凡好みの設定である。
「そんなに食べちゃったら、太っちゃうよ。」なんて凡が言うと。
プラスチックのスプーンを口にくわえたまま「嘘だーっ。プリンは、太らないって言ってたよ。」なんて、とぼけたことを言うかもだね。
しかし、実に可愛い。
「誰が、そんなこと言ってたの?」
「、、、ちっさいオジサン。」
「ちっさいオジサンって?」
「あ、違った丸いオジサン。」
「ん?丸いオジサンって?」
「違う、違う、三角のオジサン。」
そう言った瞬間、みゆきさんが「ぷっ。」と吹き出す。
その噴き出したのを見て、凡は言うね。
「バカヤロ。」
この場合のバカヤロは、みゆきさん、可愛いねという意味だ。
しかし、凡は、未だかつて、本当に人に対して、言葉に出して、バカヤロと言ったことが無い。
ミニボンにだって、1度も言ったことがない。
それは、怒った時のバカヤロでも、愛してるのバカヤロでも、どっちも言ったことがないんだ。
あの言葉は、どうにも、勇気がいる言葉だよね。
でも、1度で良いから、凡がみゆきさんにバカヤロという事は無いにしても、みゆきさんから、「バカヤロ」と言われてみたいものであります。
そんな駅弁を頂いたら、後は、車窓の景色を楽しむ。
電車って、こんなに早かったんだと、流れる風景を見ながら感じていた。
そして、少しばかりウトウトしていたら、0912時、広島駅に着。
広島にこんなに早く着けたんだね。
それにしても、新幹線を楽しむ旅で、ウトウトしてしまって、ちょっと楽しみが減ったか。
でも、駅弁も頂いたし、車窓の景色も楽しんだし、何よりゆったりとしたシートで贅沢な気分を味わえたのであります。
さて、広島駅に着いたら、まずは、観光案内所に行ってみた。
ネットで調べて、まずは、無理だろうなとは思っていたのですが、一応、現地であれば路線バスや地域のコミュニティバスの情報などが解るかなという気持ちで、ある場所への行き方を尋ねたみた。
葦嶽山だ。
ここは、酒井勝軍が、日本のピラミッドだと断定した、その第1号なのであります。
また、神武天皇陵とも言われている山です。
ネットで調べても、その登山口に行く方法が、車以外には見つからなかったんです。
なので、観光案内所に聞いてみた。
いろいろ調べてもらったけれど、やっぱり車じゃなきゃ無理だと言う事で、まずは、登山は諦めた。
でも、庄原市か三次市で泊って行く方が現実的だということが解ったので、観光案内所い行った甲斐はあった。
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さて、葦嶽山が無理なら、このまま呉まで移動しよう。
1000時発、広行きの安芸路ライナーに乗り込む。
水尻駅を過ぎたら、海が見えた。
呉駅についたら、コインロッカーにキャリーを預ける。
まだ、今日のホテルは、決まっていないからだ。
呉に着いたら、やっぱり軍艦と潜水艦を見に行かなくちゃね。

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