昨年から、心待ちにしていた中島みゆきさんの、ラストツアー「結果オーライ」が、東京を皮切りにスタートした。
その2番目の開催地は、石川県の金沢だ。
凡は、幸運にも、チケットをゲットしたのでありまして、さあ、いよいよかとなったら、変な心境の変化で、今からみゆきさんに会えるというのに、何やら、ふわふわと、頼りない心持になってしまって、どうにも実感がわかない。
湧かないのであるが、みゆきさんには、どうしても会いたいたい訳で、モチノロン、焦りながら、金沢に向かったのであります。
ということで、その時のレポートを書いて行こうかなと思うのであります。
1月20日(月曜日)。
JR京橋駅で入鋏をして、環状線で大阪駅まで移動。
今回は、初めて、おとなびというシニアの割引を使って、e5489というネットで、きっぷを買った。
使ってみると、なかなか便利ですね。
とはいうものの、やっぱりフリーメイソンか、その辺の秘密組織が、日本を分断するためにやったJRの民営化が悔やまれる。
民営化も最悪だけれど、いくつもの会社に分割したのは、さらに最悪だ。
今回のようなお得なサービスを利用しようと思っても、東と西が、バラバラだ。
まあ、今回は、金沢だけだったので、すんなりサービスは受けられたけれどね。
んでもって、まずは、駅弁だ。
北陸線のホームの駅弁屋を覗いてみる。
どれを見ても、同じように見える駅弁だけれど、ここは基本の幕の内を買う。
んでもって、列車が入線したので、列車に乗り込む。
サンダーバード11号。9号車。
大阪、0912発。
金沢、1158着である。
予約した時は、ガラガラだったが、いざ乗り込むと、凡の隣にサラリーマンが座っていた。
凡は、窓際だったので、焦って席に移動して、コートを脱いで、シートに座ったら、「ペキッ。」と音がした。
今買った弁当の上に座ってしまったのだ。
割れたところから漬物の匂いがもれる。
その匂いが、思ったよりクサイ。
クサイ匂いは、なかなか消えず、凡に纏わりついていたが、ややあって消えた。
「あ、クサイのは、凡でなくて、この弁当の漬物なんですよ。」と、周りに言い訳をしたかったが、仕方がない。
さて、列車が走りはじめると、弁当を開ける。
まずは、エビフライが目に入る。
如何にも安い弁当用の海老だなと思いながら、弁当を観察すると、意外にも全体のバランスの取れたおかずが並んでいることに気が付く。
ひじきなども、普通なら、ひじきと薄い揚げを焚いただけのものが、ほんの少し入っているのをよく見かけるが、この弁当のは、ひじきに、ゴボウを混ぜ込み、さらに、枝豆を色添えに散らしてある。
しいたけが、まるまる1個入っているのは、キノコ料理を、絶対に作ってはもらえない凡にとっては、嬉しいまるまる1個だ。
何しろ、ミニボンは、極端な、キノコ嫌いで、見るのも触るのも、テレビの映像を見るのも嫌いなのである。
テレビで椎茸や、キノコが映ると、すぐにパチンとチャネルを変えてしまう。
そこまでしなくても良いのにと思う。
酢レンコンも、赤く縁を染めてあるのが爽やかだ。
見た目も嬉しくなる。
煮物、揚げ物、焼き魚、酢の物など、味付けの変化も楽しい。
海の幸、山の幸、里の物と、おかずを食べさせるのに、飽きさせない工夫もある。
これで720円なら、お値打ちかもしれない。
どこで作られているのかと、包みを見たら、姫路のまねき食品さんだった。
まねきさんの姫路のホームの駅そばは、凡のお気に入りなんだよね。
幕の内(梅)味彩。
ごちそうさまでした。
駅弁も食べたので、ぼんやりと辺りを見回した。
車内放送でもあったけれど、今日は満席だ。
それなのに、斜め前の席のサラリーマンが、席を立って、その時は空いていた別のシートに座った。
あとで車掌さんが回ってきたときに説明をしていたが、ずっと移動した席に座っていた。
移動する前の席を見たら、窓際に、斜め後ろからなので、顔とか見えないけれども、70歳過ぎぐらいの男性が座っていた。
ベージュのジャンバーに、ベージュのズボン。
その様子を見たら、サラリーマンが席を立った理由が解った。
年配の男性は、小太りなのであるが、足を開いて、ひじ掛けを独占して、シートを後ろに倒していたのである。
正確に言うなら、極端には足は開いてはいない。
が、真ん中に境界線があるとするならば、10センチぐらいはみ出している。
ひじ掛けも、まあ5センチぐらいだろか。
背もたれも、全倒しではない。
とはいうものの、明らかに隣の領域を侵しているのである。
凡は、それを見てため息が出た。
そして思った。
凡の横の人でなくて良かったと。
こんなことを言うと、統計も取らずに正確じゃないし、語弊もあるかもしれないが、最近は、年配の方の、他の人への配慮に欠ける行為をよく目にする。
いや、若い人も同じか。
今こそ、道徳と言う教科を、もう1度学校教育に取り入れるべきなのではないだろうか。
台湾の人が、日本に来て、まず驚くのが、電車の中で、年寄りに席を譲らないことだという。
日本国内のテレビでは、やたらと日本人を美化する放送を見かけるが、もうちょっとは、現実を調べてから、放送して欲しいものである。
「弟子規」という台湾の人が、子供のころにならう書物がある。
あれを翻訳して、小学校や、或いは、家庭で教えることを、凡は提案したい。
んでもって、件のシニアである。
隣に人がいることを何とも思わず、自分の好きなように席に座っている。
非常に迷惑で、自分勝手な乗客である。
しかし、ここで思うのである。
正面に回って年配の男性を見たなら、どう思うだろうと。
或いは、優しそうなおじいちゃんなのかもしれないと。
普段は、誰にでも笑顔で対する善人なのかもしれない。
今日だって、孫に会いに行く途中だとか。
ひょっとして、孫に会った時は、満面の笑顔を見せるに違いない。
困ったことに、そんな善人が、自分がしていることが、他人に迷惑をかけているということに気が付いていない。
気が付いていないだけに、余計に困るのだ。
ただ、迷惑を掛けられた方は、本当に困るということだ。
こんな困ったことの連続が、日常なんだな。
疲れるね。
まあ、取り敢えずは、凡の隣のサラリーマンは、やや身体を外側に傾けて、お互いに、接触をしないようにされている方なので、兎に角は、快適に金沢まで到着したのであります。
さあ、あと数時間したら、凡はみゆきさんに会うことが出来るんだ。
そして、今はもう、みゆきさんも、この金沢にいるだろう。
空間と時間が、一気にみゆきさんに近づいた。
(金沢駅のホームに、水飲み場と思われる施設の残骸があった。どうして、残しておかないんだろうね。旅の情緒がまた1つ消えたような気がした。)
コメント
凡蔵さん、金沢へ行かれたんですね
良いですね!
そうそう、列車や飛行機などの交通機関で、自分の領域以上に使う人って時々いますよね
気が付かないのか当たり前と思っているのか、何しろはみ出された方は不快と言うか不愉快極まりないですよね
最近バスを時々利用し一番後ろの席に座る事が多いのですが、そこで気が付いたのが2人掛けの席の通路側に座って隣に誰も座らせないぞオーラを出しているお年寄りが多い事に驚きました
混雑してきても一向に知らんぷりを通し、結局2人掛けの座席を最後まで一人で使うお年寄り
う~ん、なんだかなぁと思う事が多々あります
ありがとう、ゆけむりさん。
年齢関係なく、席を独占しようとする人は、結構いるんですよね。
それで、年齢関係なくなんですが、シニアの方で、そんな人が増えているような気がします。
オリンピックの「おもてなし」のこころは、あれは、実際には違うんじゃないかと思ってしまいますね。
でも、もっと困るのは、席を空けて座っていて、後から来た人が、ドーンと勢いよく座って、我が物顔にいることですよ。
あれは、どういう神経なのかなと、急に、その移動がしんどくなります。
まあ、そんな不満ばかりいっても仕方ありませんが。
ただ、悪人とまではいかないので、却って困るんですよね。
他人のことを慮れない善人。