平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(901)仁徳天皇陵で、愛を叫ぶ。

今月は、何故か、ミニボンと休みが同じになる日が多い。
何度か、お出かけをして、さあ、もうこれで終わりかと思っていたら、もう1日、一緒の日があることに気が付いた。
家で、ゴロチンチョというのもまた、これは良いのだけれど、折角だから、近くに出かけてみることにした。
行き先は、堺市博物館と、大仙陵古墳にした。
大仙陵古墳は、仁徳天皇陵とも言われていて、仁徳天皇のお墓と伝えられています。
縄文時代の興味から始まって、少し年代が若い時代にも興味が出て来たのかもしれません。
距離的にも近いしね。
11月21日(水曜日)。
ということで、まずは、堺市博物館を訪れたのであります。
ここは、以前来たことがあるのですが、、目の前まで来て、凡の不運の本領発揮で、休館日で入ることが出来ず、初めての見学であります。

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入場料は、200円と、かなり安い。
凡が訪れたときは、ちょうどVR体験の時間の直前だったので、すぐにVRも申し込む。
VRの仁徳天皇陵ツアーも申し込むと、合計800円だった。
すぐにVRの部屋に案内されると、部屋には誰もいない。
つまりは、凡とミニボンの貸し切り状態。
そこに並べられた椅子に座る。
目の前には、大きなガラスの壁の向こうに、中庭の芝生が見える。
期待感が増してくる。
まずは、説明を聞いてVRのヘッドセットを装着する。
ここからは、黄色いベストを着たボランティアの年配の男性の説明に変わる。
今、堺市では、この仁徳天皇陵を含む百舌鳥・古市古墳群を世界遺産にしようと活発に活動を展開していて、街中にボランティアの人が待っていてくださって、必要なら説明をしてくださる。
なんでも、200名ぐらいだったかな、在籍しているそうです。
すごい、気持ちの入れようですね。
素晴らしいなと思う。
さて、そのVR体験だけれども、思った以上に楽しかった。
今座っている席から、300メートル上空にドローンに乗っかっているような感じで上がっていくんだね。
それも360度の全方位で見えるんだ。
下を覗いたら、高所恐怖症の凡は、ちょっと怖かったね。
眼下に仁徳天皇陵が見える。
仁徳天皇陵は、世界一大きいから、地上で見ても、その形を想像することは難しい。
こうやって、上空から見るとよく解る。
全方位だから、そのまま横を向いたり、下を見たり、普段見ることのない風景を楽しんだ。
そして、映像は、現代の風景から、お墓が作られた時代へとさかのぼって、内部の石室まで移動する。
このあたりも、興味深かった。
ボランティアの人も、説明の練習をしたんだろうな、とても分かりやすい説明で、初めて知ったことも多かった。
今の仁徳天皇陵は、全体が樹木で覆われている。
形も、ハッキリと前方後円墳だ。
でも、建造当時は、木は生えてなくて、全体が沢山の葺石で覆われていたそうです。
形も、長い時間の経過で、崩れていたそうです。
それを、明治時代になって、これじゃダメだということで、形を直して、古墳の崩れを防ぐために植林したそうです。
知らなかったです。
つまりは、当時の人が見ていた仁徳天皇陵と、今見ているものとは、ちょっと違ったということが、凡には新鮮な驚きだった。
VRでは、そんな昔の古墳の映像をCGで見ることが出来る。
VR体験が終わった後も、ボランティアの人に質問をしたら、それについても、詳しく教えていただいて、何か、このVR体験だけで、今日1日、この堺へ来てよかったと感じたのであります。
さて、VRが終わったら、館内の展示を見て回ろう。
入口までボランティアの人と歩いて戻ったので、話をしていると、この辺りは、百舌鳥・古市古墳群とはいうけれど、言ってみれば、墓場群だと言った。
そして、これはボランティアの人の言葉を誤解しないでいただきたいのだけれど、語弊をまねかないで捉えて欲しいんだけれど、墓場群だから、本来は、人の住む場所じゃないと言ったのです。
これを聞いて、凡は、なるほどと膝を叩きたい気分になった。
昔から、大阪の経済や文化を引っ張ってきた堺市である。
南蛮船で外国のものを輸入したり、茶の湯や文学を育てていったり、今の大阪があるのは、或いは、堺市があったからかもしれないのである。
面白いなと思う。
仁徳天皇は、灘波高津宮に都を構えた。
もし、お墓を作るなら、もっとみんながお参りしやすいように、灘波にちかい場所に作っても良さそうなものだ。
でも、その当時の天皇は、みんなこぞって、この堺に作っている。
当時の、堺市周辺は、人の住むべき土地ではなく、住んではイケナイ場所だったのではないだろうか。
詰まりは、何か神聖な場所。
今で言うなら、パワースポットのような土地。
だから、普通の一般市民は、住んではイケナイ土地だったのだ。
しかし、一旦、そこに人が住むようになると、その本来持っている神聖なパワーが、経済や文化の発展を後押しするような、そんなパワーに変化したのかもしれない。
そんなことを考えたら、今からでも、堺市に移り住んで、そのパワーを凡の身体に流したい気分になった。
そういえば、周りの大仙公園なども、広くて気持ちが良さそうだ。
駅前にも、可愛い女の子もいたしな。
、、、、ムフフ。
と、またもや、妄想が始まってしまいそうである。
そんな気分の高揚を、静かに感じながら、館内を歩いて回る。
仁徳天皇陵に関する展示は、これは勿論、素晴らしい。
そして、それ以外にも、火縄銃の展示や、面白い展示が続く。
これで、200円は、かなりお得であります。

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(方墳にあった石室の模型。何やら、UFOに見えなくもない)

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ということで、結構な時間をここで過ごして、堺市博物館を出る。
ぶらぶら歩きながら、大仙陵古墳に移動。
ここでも、黄色いベストのボランティアさんが待機していた。
さて、一応、お参りをしておこう。
と、手を合わせている横で、小さな低い椅子に座って、柵に引っ付いて1番前で拝んでいる人がいる。
60歳を越えた男性だ。
小さな椅子の上で、丸くちょこんと座りながら、ずっと唱えている。
その光景が、どうも大仙陵古墳の前で、周りに奇妙な雰囲気を醸し出しているのである。
ずっと、何かを口に出して唱えている。
横で聞いていると、「ハイ、ハイ、ハーイ。ハイ、ハーイ。ハイ、ハイ、ハイ、ハーイ。」
と、聞こえる。
時おり、印のようなものを結んだりもする。
気になる。
凡は、こんなのが気になるのだ。
横でしばらく聞いていると、この「ハイ。」にも、リズムがあるようで、ハイの数を数えてみる。
2回、2回、1回。
2回、3回、1回。
成る程、2回ほど、ハイを言った後に、長いハーイが来るんだなと思ったら、1回、1回とやったりする。
どうも、法則はなさそうである。
凡は、このオジサンに、色々聞いてみたかった。
何故、拝んでいるのか。
その「ハイ。」という言葉は何なのか。
なのだけれど、ずっと途切れることなく唱えているので、それに、ちょっと怖いしね。
結局は、聞けず仕舞いに終わった。
帰る時に、ボランティアの人に、あの人は、いつも来ているのかを聞いたら、よく来て拝んでいるそうだ。
素晴らしいね。
凡は、こういうのが大好きだ。
それに、拝み方だって、オジサンのオリジナル。
大仙陵古墳を出て、先に行って待っていたミニボンに、あの「ハイ。」は、何だろうねと言ったら、「拝。」じゃないのと返って来た。
そうかもしれない。
さっき、堺市博物館で、すごく感動したんだけれど、今のオジサンで、興味が、全部、オジサンに切り替わってしまった。
凡も、何か、オリジナルな拝み方を開発したいなと思った。
さて、仁徳天皇陵から、30分ほど歩くのだけれど、もう1か所、行こうと思っているところへ向けて歩き出す。
「さかい利晶の杜」という施設だ。
千利休と、与謝野晶子さんの展示を中心に、堺を紹介しているので、ちょっと見てみたかったのであります。
さかい利晶の杜に着いたら、まずはお昼ごはんを頂こう。
敷地内にある「梅の花」さん。
ミニボンのリクエストだ。
4人掛けのテーブルのある個室に通される。
外には、小さなお庭も見えて、女子会なんかには最適な造りになっている。
個室のドアは、自動ドア。
すごいね。
お昼のメニューでも、ちょっと贅沢な価格ではあるけれども、今日は、気分よく頂くのが雰囲気だ。
女性の方なら、如何にも喜びそうな、小さな可愛い器で、少しずつ提供される料理も、凡なら1口だ。
折角だから、500円でセットにできる土瓶蒸しとカキフライも注文。
更に、竹の酒器に入ったお酒も付ける。
何とも、豪華なお昼ではありませんか。
梅の花さんは、結構人気があるのだけれど、御昼時分を過ぎていたので、待つことなく入れたのが良かった。

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さて、お昼を頂いたら、利晶の杜へ行こう。
入場料を払ったら、ここでもボランティアの人がいて、説明をしましょうかと声を掛けてくださったので、お願いをする。
利晶の杜は、1階に千利休の展示、2階に与謝野晶子の展示がされている。
凡とミニボン以外にも、もう1人中年の男性が一緒だったのだけれど、その男性が質問をしても、ちゃんとボランティアの人が答えてらしたので、やっぱり勉強されているなと感心した。
2階の与謝野晶子さんの展示では、与謝野晶子の言葉を映し出す仕掛けがあって、凡が通った時に愛についての言葉が表示された。

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「愛もまた必ず訓練されねばならない。愛は成長する可能性を持っている。」
与謝野晶子さんの言葉なら、ちょっと耳を傾けたくなった。
でも、凡には、愛を訓練するなんて、無理だ。
凡は、みゆきさんを愛している。
凡は、みゆきさんへの愛を訓練できるのだろうか。
凡は、みゆきさんへの愛を成長させることが出来るのだろうか。
無理だ。
そもそも、凡は、みゆきさんを愛してはいないのかもしれない。
ただ、恋しているだけだ。
それに、愛というものの意味が凡には、まだもって解っていない。
どうしても、愛と言うと犠牲を伴うものだと、凡はイメージしてしまう。
愛というものは、自分の事はさておいて、相手のことを最優先して考えることだろう。
相手の事を考えるときに、その行動には、自分の痛みや苦しみを伴うことが多いのではないだろうか。
苦痛に耐えてでも、相手を優先する。
そんなイメージだ。
その愛を訓練するって、どういうことなの。
痛みや苦しみに耐える力をつけるということなのか。
どこまでの痛みなら耐えられるのだろう。
死の直前の痛み。
死んでしまったら簡単だ。
でも、死なないまま、1秒が永遠に感じるぐらいに苦しみが続く。
苦しい、苦しい、苦しい、もう死んでしまいたい。
でも、死なないで苦しみ続ける。
そんな状態でも、相手の事を愛することができるように訓練するのだろうか。
そんな愛の成長なら、凡は放棄することを選ぶ。
愛と言うものに苦痛が伴うようなら、それは愛ではないのではないだろうか。
愛っていうものは、もっと自由で、大らかで、伸びやかで、縛られなくて、そんなものじゃなきゃ存在意味がない。
苦痛や犠牲を伴うものが、愛であってはいけないのである。
愛っつうものはさ、もっと、「素」で、胸を開いて高らかに、愛してると叫ぶこと、それが愛の目指すところなのじゃないだろうか。
人間なんて、本来、何もできない存在だ。
相手のために苦しんでも、そう問題は解決するもんじゃない。
相手のために苦しんでも、それで相手が喜ぶわけでもない。
自分が苦しみに耐えて相手を愛するなんて行為は、愛の押し付けでしかない。
相手が苦しまなきゃいけな状態になっても、一緒になって、苦しんでオロオロする。
結局は、それしか出来ない訳で、詰まりは、仕方がないのであります。
だから、ただ、相手を大らかに愛する。
それが、いい。
それは、また、凡の敬愛する岡本太郎さんの考え方にも通じるのかもしれない。
岡本太郎さんは、凡にとっては、芸術家というよりも、愛の師匠なのであります。
なので、凡は、大らかに、伸びやかに、こう叫ぼう。
「みゆきさーん、愛していまーす。」と。
とはいうものの、与謝野晶子さんには、そんな愛は似合わない気がするな。
凡が映像の前を通った時は、こんなメッセージが映し出されたけれども、与謝野晶子さんは、もっと、情熱的で艶めかしいメッセージが似合う気がするし、そんな情熱的な短歌などの文章の方が、好きだ。
詰まりは、愛じゃなくて、恋のメッセージ。
或いは、もっと生きるものが体の奥から溢れ出るエネルギーを感じるようなもの。
「春みじかし 何に不滅の命ぞと ちからある乳を手にさぐらせぬ」
「くろ髪の 千すぢの髪のみだれ髪 かつおもいみだれ おもいみだるる」
こんな感じが好きだなあ。

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千晶の杜を出るときに、ボランティアの人が、すぐ横に千利休の屋敷跡があるから行ってみると良いと教えてくれたので行ってみると、またもやボランティアの人がいて、少し話をした。
屋敷跡は、何もないけれども、ボランティアの人と話をしたことで、印象に残った。
さて、今日は、堺と言う近場に行ってみたけれども、想像以上に楽しかった。
そして、ボランティアの人にもお世話になりました。
日の暮れかかった道を歩いて駅まで戻った。

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平 凡蔵。へのファンレターや
       お褒めの言葉は
sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント

  1. ゆけむり より:

    仁徳天皇陵のVRで体験するのは迫力がありそうですね
    ドローンで300m上空から俯瞰するかのようなのは分かりやすいでしょうし、迫力満点でしょうね
    ハイ、ハイ、ハーイのおじさんは謎ですね
    でも時々謎のおじさんっていますよね(笑)
    ちょっと豪華なランチに500円で土瓶蒸しとカキフライをセットにできるのは嬉しいですね
    大満足のランチになったのではないでしょうか?

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    VRは、結構楽しめましたよ。若者がVRのゲームにハマる気持ちが解りました。
    ランチは、豆腐料理がメインなのですが、カキフライとかあったので、お酒もすすみました。
    ただ、私には、ちょっとお洒落過ぎる気もしますが。

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