平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(879)片山津温泉でバイキングのはずが。(2)

体調が悪いとテンション下がってしまうもので、ログとして残しておこうと思った片山津温泉の旅の話も途中で止まってしまったけれど、ここに続きをアップしなきゃ。
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片山津温泉へ行くことができなくなったので、温泉旅行での夕食のバイキングの雰囲気だけでも味わってやろうと、梅田のホテル阪急インターナショナルに行こうと思った訳なのであります。
さて、京阪電車で、天満橋まで移動して、御堂筋線はまだ復旧してないので、谷町線で東梅田まで出る。
梅田の地下街は、ほとんどの店のシャッターが閉まっていた。
今回の地震は、高槻や茨木の、すごく限られた地域の被害が大きかったようだ。
被害に遭われた方には申し訳ないのだけれど、それ以外の地域では、被害が少ないように思う。
地下街のお店だって、交通機関が動いてないので閉まっているけれども、実害は少ないのじゃないだろうか。
テレビでも、朝から同じ被害ばかりを報道している。
というか、阪神淡路大震災を知っているから、地震に対する感覚がマヒしているのかもしれませんが。
そんなシャッター街を歩いてホテルに行く。
受付をしたら、スタッフの女性が、ここまで来るの大変だったでしょうという。
このホテルの周辺でも、そしてこのホテルでも、営業しているのは、このレストランだけだという。
さすがに、地震のせいか、テーブルの1割もうまっていない。
イルミネーションの見える大きな窓の横の席に案内された。
平日の今日は、17時30分から21時まで時間は無制限だという。
税込み2160円の飲み放題を付ける。
これは迷うことなく付けた。
というのも、2人で行っても、1人だけ飲み放題を付けることができるし、ドリンクメニューを見たら、生ビールが、さすがホテルだけあって、1杯が1100円じゃないか。
2杯は、これは間違いなく飲むだろう。
広いレストランに、ゆっくりとした時間が流れる。
人数が少ないので、料理に人だかりもなく、自由に料理を取り分けることが出来る。
ここで、凡のバイキングの評価ポイントを言っておきたい。
何度か、書いたことがあるけれどもね。
「好きなものを、好きなだけ、気兼ねなく。」
この1点だ。
もちろん、手の込んだ料理があったり、味付けが美味しかったり、食材が豪華だったりすれば、それはもう、嬉しいに決まっている。
なのだけれど、たとえ安い食材だったとしても、凡の評価ポイントをクリアしていれば、まったくもって、凡は満足なのである。
もちろん、値段とのバランスもあるけれどね。
さて、今回のホテル阪急インターナショナルのナイト&デイのバイキングだ。
蓋つきのポットが並ぶカウンターを見て回る。
ホテルらしい料理も並んでいるので、テンションも上がってくる。
ライブキッチンでは、ローストビーフの切り分けや、鱧の落としの西洋風も提供されているようだ。

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まずは、少しずつ料理を取り分けて1プレートを盛り付けた。
んでもって、ローストビーフ。
それから、「フォワグラのフラン トリュフと小海老添え 甲殻類のエミュルション」という、さすがホテルというネーミングの小さなカップを取って来た。
濃厚な味わいと海老の香り。
これには、シャンパンだ。
とはいうものの、飲み放題のプランにシャンパンはないので、ビールを流し込む。
炭酸が効いているという点で、ほぼシャンパンだと言っても、そう大した間違いではないだろう。
ビールは、庶民のシャンパンというところか。

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それから、「鱧(はも)のポシェ バジル風味のトマトのクーリ」というものを取る。
これもまた、ホテルらしい盛り付けで、高級感がある。
白い皿が、エーゲ海の小高い丘からみる、白い街並みをイメージさせてくれる。
♪♪ 南に向いてる窓を開け~~~ ♪♪
ジュディオングのものまねをしながら、もう1度料理の名前を思い出す。
ポシェである。
そんでもって、クーリである。
一体、何のこっちゃ。
しかし、この意味の解らないネーミングこそ、ホテルの高級料理なのである。
その高級料理も、凡にとっては、「鱧(はも)のポシェ バジル風味のトマトのクーリ」であっても、「鱧(はも)のクーリ バジル風味のトマトのポシェ」であっても、「クーリのバジル 鱧(はも)風味のポシェのトマト」であっても問題はないのではある。
とはいうものの、鱧風味は、少しばかり高級感が下がってしまうか。
その他にも、いろいろ取って来ては食べた。
どれも美味しい。
飲み放題のビールの酔いも回るうちに、少しずつ、片山津温泉へ行けなかったことの残念な思いが薄らいでゆく。
とはいうものの、こうやって贅沢をしている間にも、高槻あたりの住民は、ガスや水道が止まって難儀しているのである。
それなのに、そういうことを、敢えて無視して凡の欲望を貪るというのは、どうにも凡の人間性を疑うべきところなのでありますが、それは仕方がない。
何処かで難儀している人がいるから、贅沢を我慢するなんてことを実践していたら、死ぬまで贅沢できないもの。
世界に目を向けると、今日の食事が食べれなくて餓死していく子供が、想像以上に多いんだけれどね。
この際、考えないふり。
可哀想だけれども、今は、想像しないようにして、凡の欲望を満たそう。
優しさや、品格というものの全く以って持ち合わせていない凡。
最低な凡なのか。どうなのだ。
さて、テーブルのお皿が開いたので、またローストビーフでも頂こう。
と思って、カウンターに行く。
若いお兄ちゃんが、器用にローストビーフの塊を、薄く切り分けてくれた。
どうせ、また取りに来るだろうから、切り分けている時に、2枚くださいと言った。
すると、お兄ちゃんは、「それは、出来ません。1枚という規則になっています。」というようなことを答えた。
言葉の細かいところはどうだったか不正確だけれども、そんな内容の返事だった。
「またか。」
そう思った。
特に、阪急系は、この方式が多いように思う。
どうしてバイキングなのに2枚乗っけられないのだろう。
あまりにガッカリした表情だったのか、スタッフの兄ちゃんは、それだったら2皿にしろという。
これもまた不可解だ。
2皿にしたら、洗うお皿も増えるだろう。
それに、分厚い肉なら、2枚乗っけたら、見た目がホテルらしく無くなりますという理屈も立つだろうけれど、薄い肉を2枚重ねたって、見た目は、ほとんど変わらない。
凡は、喧嘩は苦手なので、いつも、目の前にいる相手にペコペコしてしまう。
どうして、バイキングに来て、ペコペコしながら、2皿貰わなきゃいけないのだろう。
なので、1皿だけにして、席に戻る。
まあいいさ。
他の物を食べよう。
と、見ると、ビーフシチューのポットが空だ。
さっき食べたら、さすがにホテルのシチューだけあって美味しい。
なので、もう1皿頂こうと思う。
とはいうものの、空なので、一旦席にもどる。

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そんでもって、しばらくして行ってみると、はたしてシチューは空のままだった。
スタッフの方は、料理をチェックしたり、料理の盛り付けを直したりしているのだけれど、シチューに気が付いているはずだ。
なので、また席に戻る。
んでもって、ここが凡の性格の悪いところなのだけれど、腕時計で時間をチェックした。
それから2回ほど見に行ったが、補充されない。
時計を見ると、空になってから40分以上経過している。
もう言ってもいいだろう。
そう思って、スタッフに、シチューの補充はあるのかと聞いたら、奥に確認に行ったかと思うと、すぐに補充を持って出て来た。
無くなって、すぐに作り出しての今なのか、人数が少ないからの様子見だったのか、凡としては微妙な感触。
とはいうものの、シチューも美味しく追加で頂きました。

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それにしても、凡は食い意地が張ってるというか、食べることに対して意地汚いなと、凡自身も思ってしまう。
料理は、目の前に沢山あるのに、だったら、それを有り難くいただけばいい話なのに、こんなことに拘ってしまう。
「ああ、凡は、なんてダメな人間なんだ。」
「んんっ、このシチュー、やっぱり美味しい。肉が柔らかいし。」
「でも、料理がないことを指摘するなんて、意地汚い行為だったかな。落ち込んじゃうな。凡って品格ないな。」
「んーっ。ビール冷えてて、美味い~。ングング。」
「周りを見ても、凡みたいにガツガツしてないな。何だか恥ずかしいな。カッコ悪いな。」
「あ、そうだ。カレーもあったから、食べちゃおうかな。食べ放題だから、構わないよね。」
、、、、。
なんて、いろんな感情が入り乱れつつ、口に料理を運ぶ。
極めて、品格がない。
ふと、斜め向かいのテーブルを見る。
40歳ぐらいのヨーロッパ系の男性2人がテーブルに案内された。
暫くしたら、1人の男性が、皿に料理を山のように盛り上げて帰って来た。
乗っけ過ぎだろうと無言でつっこんだ。
そして、しばらくして、もう1人の男性が戻ってくる。
見ると、皿にはポテトフライが少しと、野菜のスティックが少し。
凡は、思わず注視してしまう。
「あなた、それだけで良いの?それだけしか食べなくても、4500円要るんだよ。解ってる?」と言いたかった。
風貌を見ると、確かに痩せてはいる。
んでもって、どこか自然主義的とでもいうのだろうか、そんな服装だ。
彼は、そのポテトフライと、野菜スティックを、ナイフとフォークで、少しずつ食べ始めた。
んでもって、山盛りのお皿のもう1人と楽しそうに話をしている。
バイキングで、ポテトフライで、満面の笑み。
幸せそうである。
「完敗だ。」
バイキングで、あくせく元を取ろうと、満腹にもかかわらず、まだ食べようとしている凡に対して、目の前にあるポテトフライと野菜だけで幸せを感じている彼とでは、品格に雲泥の差がある。
バイキング会場でガックリ肩を落とす凡。
3つ隣のテーブルを見ると、凡より後に入って来たヨーロッパ系の60歳ぐらいの男性が、一通り食事をしたら、あとはテーブルのお皿を片付けて、白ワインのグラスだけを目の前に、異国の地の風景を楽しんでいるようだった。
完敗だ。
自分の適量を頂いたら、あとは、素敵な空間で、旅の時間を、ゆっくりと感じる。
大人の旅である。
ああ、なんて凡は、情けない存在なんだ。
落胆していると、ミニボンがショートケーキとコーヒーをもって帰ってきた。
幸せそうである。
まあ、凡とミニボンの、幸せは、お腹いっぱいに食べることで、この際、品格は見ない振りをしておこう。
普通、バイキングのデザートというと、大きな冷凍もののケーキを解凍して、サイコロ状に切り分けたものが提供される場合が、庶民のバイキングでは大半だ。
でも、ここは、今日が地震で人が少ないせいもあるのかもしれないが、普通にケーキショップで売られているケーキが並んでいる。
たまたまなのかもしれないけれどね。
なので、凡もお腹いっぱいだったけれど、ケーキを欲張って2個食べた。
この際、思いっきり欲張るべきなのでありますから。
んでもって、帰って来てから、ケーキの値段を調べたら、フランボワーズショコラ 480円と、ミュール・ド・ショコラ 550円だった。
これは素直に、得した気分になったのであります。

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さて、まだ時間はあるけれども、帰ろう。
料理もスイーツも、そしてビールも、お腹いっぱい頂いて、ふらりふらりと梅田の街を歩いて、帰りには動き出した御堂筋線と京阪電車で、自宅に帰ったのであります。
もう、片山津温泉のバイキングの事は、ほとんど、どうでもいいような気分になっていた。
明日も休みだから、どうしようかな。

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sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント

  1. ゆけむり より:

    ローストビーフ美味しそうですね~
    フォワグラのフラン トリュフと小海老添え 甲殻類のエミュルションですか?
    舌を噛みそうなネーミングですが、なにやら凄そうな名前ですね
    それにしてもやはりホテルの高級ビュッフェ、それぞれが豪華で美味しそうですね
    どれを食べようか迷ってしまいますね
    ローストビーフは1枚づつってのも解せないですね
    なぜ2枚はダメで2皿なら良いんでしょうか?
    自分だったら理詰めで相手が折れるまで攻めまくりそうです
    優しさや、品格というものの全く以って持ち合わせていないと仰いますが、ちょっとでも満足に食べる事ができない貧しい子供たちの事を思い浮かべるだけでも違うと思いますよ
    全く意識すらしない人がほとんどですからね・・・
    デザートのケーキも美味しそうですね~
    これはやっぱり高級ホテルだからなんでしょうね
    そうそう、ポテトフライと野菜だけのヨーロッパ系の男性、それだけしか食べないならこちらじゃなくても良いような気がしますけどね?
    マックとかでも良いんじゃないの?って突っ込みたくなりますね(笑)

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    ローストビーフは、じゃ、10皿と言いそうになりました。でも、それもまたイヤラシイから止めましたが。
    バイキングについては、僕の友人が、バイキングの良さは、食べなくても良いという選択肢があることだと言います。
    他のお店だと、何かしら注文しないと、お店にいられないですもんね。その点、バイキングなら、食べなくてもお店にいられる。
    成る程と思いますが、私には出来ない芸当であります。

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