4月28日(金曜日)。
春の関西1デイパスのちっちゃな旅の途中であります。
ランチを頂いて、港まで歩いてきました。
そこにある「人道の港 敦賀ムゼウム」さんに行ってみたのであります。
(敦賀ムゼウム外観)
建物自体は、すごく小さいです。
展示物も、すごく少なく、内部のスペースも狭いですが、内容的には、興味のある内容で、2階のビビデオなどを見て、今まで何となくは知っていた程度のポーランドからのユダヤ人難民孤児の話を、改めて知ったのは、本当に良かったと思った。
ここ敦賀ムゼウムは、リトアニアのカナウスの領事館で、ナチスの迫害から逃れて来たポーランドのユダヤ人に、日本国政府の反対を無視してビザを発給しつづけたことで知られている杉原千畝さんと、そのポーランド孤児に特化した資料館です。
特化したと言っても、また言いますが展示資料は少ないです。
でも、タダですからね。(気持ちを入れる箱がありました。)
何故、そんな施設がここにあるのかというと、ポーランドからナチスの迫害を逃れて来た難民が、シベリア鉄道などを通ってウラジオストクの港から日本にたどりついたのが、ここ敦賀の港だったのです。
逃れて来たポーランドのユダヤ人孤児たちは、通過ビザなので、この敦賀に滞在したのは数時間から1日と短いものだったそうですが、その時の様子を知ることのできる数少ない施設です。
1階には、実際に杉原千畝さんが書いた通過ビザが展示されてましたが、当時はワープロとかないので全部手書きで書かれているのですが、その文字数は、1家族分であっても中々の量で、これを書き続けたというのも物理的にスゴイなと思った。
勿論、日本の外務省の指示を無視してまで書きつづけた精神もスゴイのですけれど。
(敦賀ムゼウムさんの前の広場。パノラマで撮影)
敦賀ムゼウムを見学したら、さっきの敦賀港の駅舎を再現した建物に戻って、自転車を借りる。
2時間300円。
(気比の松原までのサイクリング。海が近い)
自転車なら、気比の松原までは、10分か15分程度である。
気比の松原は、松原自体は、真ん中に道路も通っていて、思ったより雑然とした感じだったけれども、あれは松の葉の香りだろうか、吹き抜ける風の香が何とも清々しかった。
(気比の松原)
砂浜の手前で自転車を停めて、波打ち際まで行ってみる。
さすがに、万葉の時代から歌に詠まれた場所であるから美しい。
ただ、ペットボトルなどのゴミが、ポツリポツリと見えるのは、どうも興醒めではある。
打つ寄せる波を見ていると、砂というよりも小石で、綺麗だなと思って手に掬ってみたら、小さなフナ虫のようなのが小石の間をウロチョロしていたので、「ギャー。」と手を振り払った。
さて、さっきの敦賀港を再現した駅舎まで戻ろう。
気比の松原は有名なので、どんなところだろうと思っただけなので、長居は必要ない。
自転車を返して、駅まで戻って、姫路に向かって電車に乗ろう。
と、こんなことを書いたら、「敦賀にいるのに、何で今から姫路なの?」と思われる方もおられるだろう。
折角に敦賀に来たのだから、このまま敦賀を満喫するのが、常識人というものである。
凡も、敦賀が気に入ったし、まだ行って見たいところもあるし、敦賀で夕食というのも、きっと楽しいに違いない。
なので、半分は、そうしたいと思っている凡がいる。
でも、もう片っぽの凡が、姫路へ行けというのである。
何故なら、今日は、春の関西1デイパスというお得な切符で旅をしている。
この切符が、3600円だ。
そして、今日の今までの運賃はというと、大阪の京橋から敦賀まで片道運賃が2590円で、往復で5180円である。
金額的には、得をしている。
普通なら、これで良しとするところだ。
とはいうものの、そこが貧乏人の凡である。
3600円の切符なら、2倍の7200円分ぐらい運賃を使った距離を乗らなきゃ、どうにも気持ち悪いのであります。
ということで、そんな訳の姫路行きなのであります。
敦賀港を再現した建物へ戻って自転車を返す。
スタッフの女性が、まだまだ金崎宮など、見どころが沢山あるよと教えてくれたが、また来ることを述べて敦賀駅に向かった。
帰る途中の商店街にあった薬屋のガラス戸にロシア語で書かれた薬の広告が貼ってあった。
さっきポーランド孤児がウラジオストクから船で敦賀港に着いたということを聞いたばかりなので、或いは、今もまだロシアとの繋がりがあるのかなと気になる。
それに凡は薬が大好きだ。
取り敢えず、どんな薬屋さんかと入ってみる。
「山本道庵薬店」さん。
(ガラス戸にロシア語を発見)
まずは、飲みすぎ食べすぎに聞くという「五苓黄解」という漢方のドリンク剤を購入。
3本で1350円。
そんでもって、おもむろにガラス戸のロシア語の案内について尋ねてみると、今のお店のオススメの薬が「五加参」というエゾウコギを原料とした薬だそうで、そのエゾウコギがロシアのものなので、エゾウコギというのをパソコンの翻訳ソフトを使ってロシア語にして貼っているとのことだった。
「なあんだ。」と思ったが、お兄さんが1回分の袋を開けてお湯で溶いて凡に飲ませてくれたので、気持ちだけ5回分小売りしてもらった。5回分1000円。
地方で薬を買うのって、なかなかに楽しいものではあります。
敦賀駅に着いたら、まだ次の新快速の時間があったが、これといってすることもなく、駅の売店を見たりして、時間を過ごす。
16時23分発、新快速。湖西線経由姫路行き。
姫路までは3時間ちょっとだ。
今度は、湖西線の琵琶湖側に座って景色を楽しむ。
移動中に、姫路駅で降りるか、はたまた切符の西の端である相生駅まで行くか、それとも播州赤穂駅まで行くか、或いは、手前の加古川駅や明石駅で降りてビールというのも楽しいかもしれないと、行き先を考える。
相生駅や播州赤穂駅は、あまり行かない場所なので、それはそれで面白い。
ただ、帰りの列車の時間が気になるか。
明石駅や加古川駅も、美味しいお店があるだろう。
ただ、帰りの新快速に座れなかったら、ちょっと酔っぱらった状態ではシンドイな。
ということを考えて、やっぱり姫路に決定。
神戸を過ぎたあたりから、少しずつ日が落ちて、何となく物寂しくなる。
19時36分、姫路駅に到着。
姫路は賑やかなところなので、飲み食いするお店は沢山ある。
特に、姫路城のある側は、お店がありすぎて、却って迷ってしまうかもしれない。
そう考えて、あえて駅の南側へ出る。
20年ぐらい前になるかな、前の前の仕事をしていた時は、この近くに取引先があったので、この辺りでも飲みに行ったことがある。
とはいうものの、20年前である。
ブラブラ歩いて見たが、やっぱり、南側はお店が少ない。
ずっと南下して、無いなと思って、また駅の近くまで戻ってきたら、ビニールで覆われた、オープンテラス風でもあり、安い居酒屋でもあるというようなお店があった。
ちょっと外から覗いてみると、奥にカウンターもあって、席も空いているようだ。
それほど時間もないので、ここにしようと中に入る。
ごはん家 「まんぷく 萬福」さん。
奥のカウンターは、1組座っているだけだった。
カウンターと言っても、そして安い居酒屋と言っても、席と席の間は、思ったよりもゆったりとしていて、居心地は良い。
さて、まずは生ビールを注文して、お姉さんにオススメを聞く。
お店は、中年より少し若いかなという男性1人と、凡にはちょうど良い年齢のお姉さんが2人でやっている。
20代とか、そんな若い女の子じゃないけれど、可愛い人である。
エリンギのバター焼き450円。
ミニボンが、きのこ大嫌いなので、凡の家の食卓にきのこが上ることはない。
なので、1人で外で食べるときは、きのこは外せないメニューだ。
何と言っても、きのこは凡の大好物なのであります。
それから、姫路名物の、姫路のおでん。3品で400円。
生姜醤油を掛けて食べるのですが、このお店のは、既に掛けたものが出て来た。
以前、別のお店で姫路おでんを食べたことがあるけれど、どうも味が薄いなと思っていたのですが、このお店のは味がしっかり濃くて、なかなか美味しかったです。
ぐじゃ焼き。650円。
これも姫路の名物らしいのですが、豆腐を入れた柔らかいお好み焼きのようなもの。
お姉さんのオススメなので注文。
これは、まあ間違いのない美味しさ。
んでもって、これまたお姉さんのオススメのジャンボシューマイ。1個150円。
これはレンジでチンするスピードメニューです。
ただ、肉もジューシーで、胡椒のスパイスも利いていて、レンジでチンしたとは思えないぐらい美味しかったので、あとでもう1個追加して食べた。
ビールは3杯だったかな、それと姫路のお酒を冷やで1杯。
会計は、4430円だった。
このお店は、お造りなどの生のメニューは、ほとんど無いけれども、料理は、どれも美味しかったです。
凡の場合、折角の姫路だからと、沢山食べて飲みましたが、中には若いサラリーマンが会計をしているのを聞いたら、1500円とかの人もいたので、ちょっと帰りに寄って、ビール2杯に料理1品なんていう使い方も十分できるので、姫路で仕事をしていたなら、何度も来たくなるお店だなと思う。
さて、そろそろ帰ろう。
と思って、ホームに上がると、いつも姫路に行ったら食べるホームのまねきさんの駅そばがやっているじゃないですか。
もうすぐ閉店のようだったが、声を掛けたら大丈夫だというので、黄そばのきつねを急いで食べる。
やっぱり見たら食べたくなってしまうのが、姫路の駅そばだものね。
姫路に降りた時に確認していた新快速に乗り込む。
21時57分発、野洲行きの新快速。
若いころなら、何ともない飲み食いの量なのですが、凡も年なのでしょうか。
ちょっと飲みすぎ食べすぎのようであります。
と、そこで気が付いて、敦賀の薬屋で買った「五苓黄解」のドリンクを1本カバンから出して飲んだ。
新快速に1時間ぐらい乗って、大阪で乗り換え、環状線で京橋まで移動して、京阪電車に乗り換えて、門真市駅まで帰ってきた。
自宅に着いたら、ちょうど24時だった。
今日1日を振り返ってみると、敦賀という初めての土地にも行ったし、姫路で美味しいお酒も頂いたし、春の関西1デイパスのお得な切符3600円の詳しい計算はしていないけれど、2倍の7200円以上の距離は電車に乗れたので、満足の1日となったのでありました。
(後で計算して見ましたら、京橋駅から敦賀駅までが、2590円。敦賀駅から姫路駅までが4000円。そして、姫路駅から京橋駅までが、1660円。ということで、合計が、8250円ということになり、これは間違いなくお得な切符であったという結論に達したのであります。)
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平 凡蔵。へのファンレターや
お褒めの言葉は
sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント
おっ、久しぶりに怪しい薬が登場しましたね
ちなみにどんな効果が期待できるんでしょうか?
敦賀ムゼウムの前の広場は、かなり広がりがあって気持ち良さそうですね
また、ポーランド孤児に関する資料館の内容も気になります
姫路での食堂、これもまた旅ならではでないでしょうか?くじゃ焼きなど、行かなければ食べる事ができなそうですもんね
かなり充実した1日だったようで、たまにはこんな旅も良いもんですね!
ありがとう、ゆけむりさん。
クスリは、ドリンクの方は、二日酔いに効くそうです。そんでもって、小袋の方は、なんでも、気持ちが落ち込んだときや、ストレスを感じる時に良いと聞きました。まさに、今欲しい薬なんですが、5包で1000円なので、箱で買うのは、ちょっと見送りました。甘い味で、飲んだ感じは薬のような感じはしませんでした。
んでもって、ムゼウムの前の広場は、気持ちが良いですよ。でも、写真はちょっと広く写り過ぎかもです。パノラマで撮ったので。
ポーランド孤児の資料については、パネルでの文章がメインです。他に、簡単なビデオと。展示資料は、かなり少ないですが、ポーランド孤児に関して知るのには、よい機会を与えてくれる施設じゃないでしょうか。私が行った時も、地元の小学生が見学に来ていました。
姫路では、庶民的なお店でしたけれど、姫路名物も頂けて、楽しかったです。
電車に乗ることが好きなので、その点では、充実した1日でした。