平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(613)凡凡列車(13)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(237)

凡凡列車の7日目。
3月19日。
今日は、1日を使って札幌市内を歩いてみよう。
ホテルの2階で朝食を頂く。
パンとコーヒー、オレンジジュース、紅茶のみで、これはHPの説明通りだ。
ナチュラル調の食堂は気が張らずに利用できる。
8時過ぎに行ったら、お客は男性1人で、あとから女性が3人と男性が1人入ってきた。
結構、女性1人のユースも多いようである。

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10時30分ごろホテルを出る。
ホテル名のノルテとは「北」という意味だそうだ。
JRの札幌駅のコインロッカーに荷物を預ける。
今日のホテルは昨日までと違うからだ。
昨日の予定は、これは目的地を札幌にした時点で1つ決めていた。
いざ、藤女子大へ。
みゆきさんの通った大学だ。
地下鉄の南北線で北18条まで行って、そこから歩く。
この辺を歩いたのかなと感慨に耽りながら歩いているとすぐに着いた。
どこが正門なのか分からないので、右回りに歩いてみる。
すると、校舎の一部を取り壊していた。
「やめてー。」
みゆきさんの想い出の校舎を壊さないで、とセンチメンタルになってしまった凡が叫ぶ。
旧館と南校舎というところを解体しているらしい。

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そこを回ると南門があった。
中に入ってみる。
しかし中には入っていいのだろうか。
大学は、その構内には誰でもが入れるようになっているところが多いのではないだろうか。
部外者でも入れる。
それが大学と言うものだ。
とはいうものの、ここは女子大である。
となるとチト事情が違ってもおかしくない。
男性は不可と言われても当然だろう。
なので入っては見たものの、少々不安である。
誰かがいたら聞いてみようと思うのだけれど、土曜日なので人が全くいない。
これじゃ確認のしようがない。
ここは大学だけでなく、同じ施設内に中学と高校もある。
なので、みゆきさんの通ったであろう大学の辺りをブラブラして門を出た。

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そんでもって、またグルッと周りを歩いていると、正門にたどり着く。
またちょっと入ってみることにした。
校内はそれほど広くないので、正門からも大学は見える。
校庭にマリア様の像があった。
その姿は、傷ついたものを総て救い上げようとする慈愛にみちたものだった。

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それは像と言う単なるオブジェにすぎないけれども、そこからイメージされるものは大いなる優しさと愛である。
凡の脳の中にイメージされるものは、すなわち凡の中ではリアルである。
マリア像を見ていると、こころの固まったものが解けていくようだった。
両手を広げて受け入れる姿。
凡は「みゆきさんだ。」と叫びそうになる。
マリア様は、みゆきさんそのものじゃないか。

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(みゆきさんは、マリア様のようである。)

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(誰をも受け入れてくれる優しさと愛。でも、凡は独り占めしたいのである。)

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(もう、凡はメロメロです。)
みゆきさんがコンサートで見せる姿は、そのポーズは違っても、すべての人を温かく包む優しさに満ちている。
それはマリア様と同じ優しさなんだ。
しばし、マリア様の像の前で足を止めて見入っていた。
そんなことを思ったら、凡はみゆきさんだけじゃなくて、マリア様も独り占めしたい気分になった。
マリア様、凡だけを愛して、凡だけを救い上げて、凡だけに膝枕で頭なでなでして欲しいんです。
叶わぬ想い。
博愛というものは、どうにも辛いものである。
正門まで戻ると、もう1か所行かなきゃいけない。
昨年から今年にかけてあったコンサート一会で、みゆきさんは大学の時に寄宿舎に居たと話していた。
ついでだから、寄宿舎も写メしておこう。

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正門からすぐのところにある寄宿舎は、たぶんみゆきさんがいた時から改装か改築をしてるんじゃないだろうか。
結構、新しい感じの建物だった。
とはいうものの、みゆきさんは学生時代にこの場所にはいたわけで、そしてこの場所から正門を通って大学まで行っていたわけで、そう思うと、どうにも今いる歩道が愛おしい。

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(寄宿舎から正門へ行く道。きっとここを歩いて通ったと思うと、地面のアスファルトに頬ずりしたくなった。)
とはいうものの、女子大の寄宿舎の前でウロウロしてちゃダメだろうから、そろそろ藤女子大から帰ることにした。
地図を見ると、ここから北海道大学まで歩けそうだ。
歩いていると気が付いたけれど、昨夜泊まったホテルも近かったんだね。
みゆきさん関係で言うと、札幌にはゆかりのある場所が多い。
歌の「ミルク32」のモデルとなった喫茶店もあるのだけれど、そして住所も調べたのだけれど、これは止めておこう。
お店だから、お客として、むしろ歓迎してくれるのかもしれない。
だけど、どうにも、そんな有名なお店に行くのは恥ずかしい。
考えただけでも、顔が赤くなる。
そんでもって、札幌には、みゆきさんがお母さんと住んでいたマンションもあるらしいのですが、それはいくらなんでも、今住んでいる人もいるわけで、それはやりすぎかもしれない。
なので、行かない。
ということで、北大に向かって歩いて行った。
駅に近いところに北大のインフォメーションセンターがあると知っていたのですが、何しろ敷地が広いので、そこまで行くのが一苦労だ。

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やっとたどり着いたけれど、楽しみにしていた北大の博物館は修理中で閉館してた。
どうにも、こんなことの多い凡なのであります。
北大の食堂でランチなんてことも考えていたのですが、これも北大の広さに気持ちが折れた。

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(北大には観光客用の地図などもおいてある。)
さて、これからだけれど、札幌駅の観光案内所で「おおば比呂司記念室」という資料館のパンフレットを貰っていた。
大通公園の端っこにある札幌資料館の中にコーナーとしてある。
今までそれほど関心のあった人じゃないけれど、面白そうだから行ってみよう。
地下鉄の西11丁目駅を出たものの、さてと思い出した。
お昼である。
もう1時を回っているので、そろそろ食べてもいい。
辺りを探してブラブラ歩いていると、狸小路商店街というところがあって、それを端から端まで見て回ることになる。
こういう商店街は好きだから、あればついつい見てしまう。
それでも、まだこれと言った店がなくて、ウロウロ歩き回ったら、すすきのの方へ出てしまったり、また狸小路に戻ったりと、思いのほか時間を費やしてしまう。
そんでもって、札幌と言えばやっぱりラーメンかと思い、狸小路商店街から少し横に入ったところにある「大公」さんに入ることにした。
昭和41年創業と書いてあったから、それだけ続いてたら有名店ではと思ったからだ。

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中に入ると時間がずれているので客は1人しかいなかった。
そして、やっぱり札幌だから、ここは人気だというコーンバター味噌ラーメン850円を注文。

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壁にはたくさんの色紙のサインが貼られている。
それを1つひとつ見ると、赤塚不二夫さんや、さだまさしさん、藤田まことさん、古いところではヒデとロザンナさん。
その他にも結構有名な人が来店している。

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色紙の写真を撮らせてほしいと店の人に言うと、誰か好きな人がいるかという。
そこで、凡は中島みゆきさんは来たことがあるかと尋ねた。
すると女の店員は、みゆきさんは来たことがないという。
それを聞いた、たぶん店主だろうか、みゆきさんは「藤」やなと言った。
凡は一瞬、何の事だろうと思ったが、すぐに「藤学園」つまり、みゆきさんの通った「藤女子大」のことだと分かった。
なので、「そうです。」と答えると。
その店主は、「うちの娘も藤や。みゆきさんの後輩や。」と言った。
なんと、札幌のラーメン屋で、まさかの小さな小さな、みゆきさんの縁。
小さく小さく、うれしかった。
2時ごろ店を出る。
そしてまた「おおば比呂司記念室」に行く。
2部屋の展示室と1つの展示室兼土産物コーナーがあって、とりあえず順番に見て回る。

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(資料館の中に、おおば比呂司記念室がある。)
凡はここへくるまでは、それほど、おおば比呂司さんと言う人を知らなかった。
その描かれた絵を何かの媒体で見たことはあるけれども、それだけだった。
でも、今回じっくりと作品を見て、改めて、面白い絵を描く人だなあと感心したと同時に、好きになった。
その絵は、漫画や図案をやられていたこともあり面白いタッチだ。
被写体は、デフォルメされているが、その仕方が繊細である。
壁の線も真っすぐじゃない。
車のタイヤも丸じゃない。
すごくイビツに描かれているんだけれど、その1つひとつの曲線を絶妙のバランスで組み合わせることで、心地よい全体を作り出している。
それに、輪転機と呼ばれるぐらい書くのが早かったらしい。
それは、すごい才能だと思う。
最後に売店の方へ行くと、おおば比呂司さんの最後の書斎を再現したコーナーと、その前に最後の作品を置いてあった。
売店のお姉さんと少し話をして、記念だから3000円していた日めくりが500円に値下げされたものと、画集とメモ帳を買った。

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また、好きな人が増えましたね。
どうにも惚れっぽい凡なのではありました。
さて、おおば比呂司記念室を出たら、もう少しだけ時間があるので、これも札幌駅の観光案内所で貰ったパンフレットにある北海道立近代美術館へ行ってみようか。
「さとぽろ」という1925年から北海道大学の学生と教師が作っていた詩と版画の雑誌があって、それが最近また注目を浴びているらしいのです。
パンフレットを見ると版画が面白い。
パンフレットの簡単な地図を頼りに歩きだしたが、道に迷ってしまい、というか探すことができずに、時間が経ってしまい、結局あきらめることにした。
なので、これからホテルに向かおうと思う。

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