平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(612)凡凡列車(12)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(236)

凡凡列車の6日目。
3月18日。
帯広へ来た目的の1つ。
インデアンのカレーである。
外観はいかにもカレー屋さんという感じでグッド。
店内に入ると蒸気がムッとした感じで湿度が高い気がした。

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カウンターに座ってメニューを見る。
ここは基本のインデアンのカレーだろうか。
でも、折角だからトッピングも試してみたい。
聞くとカツのトッピングが人気だという。
なので、インデアンのカレーのトンカツのトッピングにした。

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帯広のインデアンのカレーは、粘度は結構あるけれども、食べた後にもたれる感じはない。
玉ねぎなどの甘みもあって美味しい。
さて、大阪のインデアンとの違いだけれど、辛さと甘さとのバランスは、似ていると言えば似ている部分もあるかもしれないが、カレーとしては別のものである。
甘さも、これは以前に凡の推測を書いたことがあるのですが、大阪のインデアンのカレーは砂糖系の甘さだと思うのですが(さらに言うとそばつゆの甘さ)、帯広のインデアンのカレーは野菜やフルーツの甘さだと思う。
そんでもって、カレーの掛け方だけれども、ご飯にカツを乗せた後、その上から全体にわたってルーを掛けている。
賛否両論はあるところだけれど、これはこれでインデアン流ということで、凡の好みではないけれど良かった。
さて、これでもう目的を全部達成してしまった。
ただ時間があるので百年記念館というところに行ってみよう。
インデアンのカレーのお店の前でタクシーを拾って百年記念館までお願いをした。
運転手に、みゆきさんの故郷だから来たというと、「みゆきさんは、札幌出身となっているけれど、本当は帯広。帯広ってこんなところやしね、出身ていうのイヤなのかなあ。」ときた。
帯広ってこんなとこやしって、今度もまた帯広否定だ。
それで、みゆきさんは帯広イヤという運転手さんの推測はどうなんだろう。
そうなの、みゆきさん。
帯広出身っていうのイヤなの。
でも、凡は大切な場所だと思っていると感じるんだけどなあ。
そして運転手は続けた。
「生まれたとこも、そこにあるよ。」
そうだった、帯広はみゆきさんの生まれたところでもあったんだ。
運転手さんのその言葉を聞いて、そこへ行ってくださいと言いたかったが、言いそびれてしまう。
そして最後にこう付け加えた。
「帯広は、特に観光するところがないからねえ。」
100年記念館は、広い公園の中にある。
中の展示は、明治時代からの帯広の開拓に関することが中心で、それとアイヌのことや、石器時代の遺跡のことも紹介をしている。

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この百年記念館は来て良かったと思った。
帯広というところへ、食事とみゆきさん目的で来たけれども、その土地について知らずに帰ったんじゃ勿体ない。
開拓のことなんて大阪にいたんじゃ考えもしない。
アイヌの文化も、今までは興味がなかったけれども、もっと知りたくなった。
石器時代から人が住んでいたというのもスゴイ。
八戸で知った縄文時代も古いので1万3千年前だけれども、帯広には石器時代の3万年まえから住んでいた遺跡があるという。
寒い地域なのにね。

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(イオマンテのパネル。実際に見てみたいなあ。)
建物をでて、まだ時間が少しばかりある。
ここで凡はタクシーの運転手の言葉が耳に残っている。
みゆきさんの生まれたところだ。
よし、行ってみよう。
そう思って道路に出たけれども、タクシーが捕まえられない。
こっちの方かなという方向へ歩き始める。
結構、遠いなあと思っていた。
銀行のATMに行こうとしていた女性がいたので、駅の方角を確認してみた。
すると、駅に行くんだったら車に乗せてあげるという。
凡はドキリとした。
よくドキリとするのであるが、またドキリとしたのである。
女性の年齢を見分けるというのは凡は苦手だ。
でも、30歳代ぐらいだろうか。
そんな言葉を受けて、どうしたらいいものか。
一応は凡だって男だ。
狼である。
いくぶん年のせいか牙と爪は抜け落ちてしまってはいるけれどもだ。
とはいうものの、歩くのも遠そうだしタクシーも来ないので、お願いすることにした。
しかし、大阪でこんなことがあるだろうか。
無いと思う。
帯広だからなのだろうか。
そういう気質の土地。
北国の女とはそういうものなのか。
車内にはぬいぐるみなどがいっぱいだから後ろの座席に座れと言う。
たぶん子供がいるのだろう。
駅までの途中、みゆきさんや豚丼の話をした。
その話によると、柏葉高校は超名門だそうだ。
今日は帯広に泊まるのか、札幌に帰るのかという話になったときに、凡はもうすぐ列車で札幌に帰ると答えた。
ここは、「今日の予定は決まってないよ。まだホテルも取ってないし。どうしたらいいのかなあ。」なんて言うべきだったのか。
ただの女性の親切心を、どうも誇大解釈してしまうのは日ごろの妄想の後遺症なのでありましょうか。
駅までは車ではすぐなので、少し走ると駅に着いた。
女性にお礼を行って別れる。
それにしても、ドキリとしましたね。
駅に着いたら、時計を見ながら歩きだした。
みゆきさんの生まれたところに行くためである。
駅で貰ったタダの地図とアイフォンを頼りに歩く。
場所的には厚生病院の裏あたりだ。
住所にぴったりとくる場所がない。
ただ、このあたりかなという場所があったので、一応写メをとるが、どうも少し違うような。
合っているのかなどうなのかなという気持ちで歩いて行くとJRの高架を横切る道が見えた。
ここだ。
昔の地図をネットから取り込んでいたので、その地図と見比べる。
この斜めの道路が目印だから、このあたりに間違いがない。

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(ネットで情報を検索してゲットした地図。)

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(左の車のあるところあたりから、手前のあたりかな。)
ちょうど厚生病院の駐車場のあるところだ。
ここに中島産婦人科があったんだ。
でも、今は建物も何も残ってはいない。
そこで何かを感じようとしたけれども、凡の頭の中のキャンバスにみゆきさんの残像を描くことはできなかった。
とりあえずは納得をして、ブラブラ歩いて、また藤丸百貨店まで戻る。
そしてトイレを借りた。
今度は、小だ。
いや、そんな話はどうでもいい。
兎に角、藤丸百貨店さんに感謝だ。
帯広駅まで帰ってきたら、観光案内所のお姉さんに豚丼の店に行ってきたことを報告。
そんな報告をする人が少ないのか、喜んでくれた。
そして、北海道KIOSK限定のドリンク剤を飲む。

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(瓶に北海道の文字があったので買ったドリンク剤)
結構いろいろやれたね。
さあ、札幌に帰ろう。
18時31分、帯広駅発。
20時33分、富良野駅着。快速狩勝。
20時39分、富良野駅発。
21時36分、滝川駅着。根室本線、快速。
21時42分、滝川駅発。
22時21分、岩見沢駅着。
22時32分、岩見沢駅発。
23時14分、札幌駅着。
日の暮れた北海道の車窓は、都会の夜中の暗さよりも、さらに黒い。
昼の移動には感じることのない寂しさと、それでもこの土地の生活の温度のようなものを感じながら、、ただ列車のシートに座ってレールの音を聞き、列車の振動を受け、流れる時間に身を任せていた。
夜の地方の列車には特別な時空が存在するように思う。
エンケンさんの夜汽車のブルースを思い出しながら、「シュッシュッ、ポッポー。」なんて、叫んじゃおうか。
あのギターの刻むリズムのように激しくはなかったが、夜汽車なのでありました。
そして思うのは、夜行列車がどんどん無くなっていくのが寂しいということだ。
JRのやることは理解不能である。
本当は、あのエンケンさんの夜汽車のブルースは、夜行列車に乗らないと解らない。
あの何かが潜んでいるという感覚。
さて、札幌に着いたけれども23時を回っている。
ホテルに戻る前に食事をしよう。
取り敢えずは、開いている店を探そう。
駅前は開いているのだけれど、全国展開しているチェーン店ばかりだ。
ただ、地方の学生やサラリーマンは、たぶん安い店に行くだろうから、こういう安いチェーン店に行く方が地元の人と触れ合えるのかもしれない。
でも、旅行者にしたら、それはどうも気が乗らないよね。
駅からホテルまでの間に「いただきコッコちゃん」という店があった。
迷う時間がないので、ここに決定。

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席について、取り敢えずビールを注文。
そして、どれを食べようかなと店員に話しかけると、「イングリッシュ・メニュー?」と聞かれた。
凡は非常に滑舌が悪い。
いつもカミカミである。
なので凡の放った言葉が日本語と思われなかったのだ。
でも、やっぱり疲れてたのだろうね。
日本語でいいと言ってしまった。
余裕があるなら、「ワタシ、ニホンゴ、ワカリマシェーン。」なんて、どこかの外国人を演じたら面白かったのかもしれない。
それだったら日本語か。
「アイ・ドント・アンダースタンド。」
いや、アメリカ人じゃないな凡の顔は。
「アー、ハレホレ、ハレホレ、ハレレレレー。」なんて、どこの国か分からない人にすべきか。
或るいは、不思議大好き中年らしく「ワ・タ・シ・ハ・火星・カ・ラ・キ・マ・シ・タ。鳥・タ・ベ・タ・イ。」なんてもいい。
と、凡の滑舌が悪い話は広げなくてもいいか。

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(唐揚げ用のソースがあった。)
ビールは飲み放題をすすめられた。
3杯以上飲むと得らしい。1290円だ。
時間が遅いからあまり飲まない気だったのだけれど、まあ結果は3杯ぐらいは飲むかと思って飲み放題にした。
これが失敗で、ビール5杯と酎ハイ2杯を飲んでしまった。
やっぱり放題というのは、よろしくなかったようであります。
このお店は北海道と仙台と東京に店があるという。
大阪にないから良かった。
25時05分ごろ店を出る。
4546円。
そんでもって、ホテルに戻って寝たのであります。
今日のホテルは昨日と同じである。

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sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント

  1. ゆけむり より:

    お~、これがインディアンのカレーですか?
    なんとなく金沢カレーをイメージしていましたが、当たらずとも遠からずと言った感じですね
    ネットリのして、カツのトッピングやステンの皿も雰囲気が似て、これは美味しそうですね!
    人気なのも分かる気がします
    >昼の移動には感じることのない寂しさとありますが、これ分かります分かります
    しかもちょいと寂れた地方独特の雰囲気が、どことなく寂しさと言うか哀愁と言うものを感じるんですよね
    いただきコッコちゃんですか?
    また札幌とは全然関係なさそうな店名ですね
    そんな店に突撃するのも凡蔵さんらしいですね(笑)
    しかも外人と間違われるとは・・・

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    そうです、私も食べたかったインデアンのカレーです。
    ここのお店で嬉しいのは値段の安さです。
    インデアンカレーはたしか421円でしたよ。
    でも、ここで私も、次への宿題を残してしまいました。
    本当は、ベーシックなインデアンのカレーを食べたかったんです。
    でも、せっかくだからとカツをトッピングしたら、カツカレーになってしまいました。
    後で確認してみると、ベーシックのカレーとカツカレーではルーが違うようなんです。
    何とも、悔しいというか、また行って確認してみたいです。
    コッコちゃんは、札幌には関係ないのですが、大阪にはない店ということで、私的には何とかセーフというところでしょうか。
    それと、私って滑舌が悪いんですけれど、そこまで悪いとは、、、、。
    まあ、これも魅力だと私だけは思うようにしています。
    悲しい魅力ですが、、。

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