平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(541)エンケンさんのライブだ、ワッショイ。

9月16日の話であります。
これまた随分と前の話でありますことか。
とはいうものの、これは書いておきたかったんです。
でも、書けなかったのと、みゆきさんの月イチを先に書いたので、こんな遅くになってしまった。
さて、その9月16日であります。
凡は、歌が好きだ。
それは誰でも好きな歌があるだろう。
それと同じだ。
若いころはそんな歌に聞き入ったし、そんな歌を歌うことに憧れもした。
そして、その歌は、何も洒落た歌やカッコイイ歌ではなくて、普通の歌謡曲であったり、たまたま聞いた歌であったりとこだわりのあるものじゃなかった。
でも、それがいつしか日々の生活に流されて、歌を聴かなくなっていたんですよね。
どこからか耳には流れてはくるけれども、自分から追っかけるなんてことはしなかった。
それが、3年前にみゆきさんを大好きになってからは、ずっと通勤の時もイヤホンでみゆきさんの歌を聴いている。
でも、それはみゆきさんが好きだから、みゆきさんの歌も好きという理由ではあるのではありますが。
それでも、そんなことをしていると他の歌も面白いなと思うようになって、いつかだったかテレビで遠藤賢司さんが出演されていてギターをかき鳴らして「夜汽車のブルース」を歌っている姿をみたのです。
その瞬間、こころが打ち震えましたね。
愕然とした。
凡は遠藤賢司さんと言ったら、中学生時代に歌の本で「カレーライス」の特集をやっていて、その楽譜と遠藤賢司さんのカレーに関する話を読んだぐらいだった。
たしか記憶ではカレーにはギーという水牛のバターを使うと美味しいとかいうような話をされていたと思う。
カレーライスも聞いたことはあったけれど、変な曲だなあ、ぐらいの印象だった。
それが、そのテレビを見た瞬間、凡は遠藤賢司さん(以後、エンケンさんと書かせて頂きます。)のファンになってしまった。
そんなエンケンさんが、関西でライブをするという。
京都と大阪の十三の2日間。
行きたい。
純粋にに行きたいと思った。
それは聴きたいという気持ちと会いたいという気持ちとの両方だ。
会場を調べると、京都の会場は椅子があるようなので京都にする。
そして、当日であります。
開場は6時なのですが、4時過ぎぐらいに会場である「拾得」さんに着いてしまった。

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なので、近くの清明神社さんにお参りに行ったりして時間を調整するも、やっぱり5時半にはまた拾得さんに着く。
すると先に年配の男性が1名入り口で待っていた。
お聞きすると福井から車で来たとのことだった。
話をしながら待っていたが、ドアの中からリハーサルの声というか音が聞こえてくる。
エンケンさんだ。
それを聞いて、凡は興奮せずにはいられなかった。
リハーサルなんだけれども、ドアの向こうから聞こえてくる歌とギターは、本気モード。
普通のアーチストは、こんなにリハーサルに力を入れやるのだろうか。
他の人は知らないが、ドアの向こうから聞こえてくるは正しく本番のステージそのものなのである。
凡は、勿論に本番のステージを見に来たのですが、このリハーサルを聞けたことが、エンケンさんの素晴らしさを知ることになったことと、そんな理屈よりも何よりもその音に凡のこころが動かされているのを感じたのであります。
さて、6時になってドアが開いて中に入る。
入り口にちかいところにステージがあって、丸や四角のテーブルが並べられ、それぞれに椅子がセッティングされている。
ステージの反対側の壁際には畳のスペースがあった。
面白い造りですね。
さてどこに座ろうかと思っていると凡の前に並んでいた年配の男性が、ここにしようと手招きをしてくれた。
そこはステージに1番近い真正面だ。
凡はこんなときに座高が高いものだから、後ろの人が気になるのでやや斜め方向の場所に座る。
でも、今回は誘ってくれたので真正面だ。
でも、これは正解だった。
エンケンさんのギターや歌を、真ん前で受け止めることができたからだ。

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(目の前のステージ)
周りを見回すと年齢層は高い。
しかも男性ばかり。
30名ちょっとぐらいだろうか。
中には有名な男性の俳優さんも来られていて、後ろの端っこに座っていた。
やっぱり少し気を遣っているんですね。
でも、好きなんだね。
凡の席の男性の反対側には、年配の女性の2人組が座った。
その女性と凡を挟んで年配の男性が話をしているのを聞くと、「岡林」とか「フォークジャンボリー」だとかの話題で弾んでいる。
そんな内容が聞いていて大体解るのが、凡も近い年代ということだろうか。
ステージにはまだ時間があるので、ちょっと腹ごしらえをしよう。
というか折角だから、拾得さんで食事がしたい。
ここはやっぱり「カレーライス」だよね。
そして、ギネスを注文。
ただ、このギネスを注文するのには迷いがあった。
凡はライブハウスなんて、これが初めてだ。
こんな場所では、やっぱりお酒を飲みながら聴くのが場の雰囲気だろうと思うのです。
でも、さっきにあのエンケンさんの本気のリハーサルを聞いている。
ならば、やっぱり本番も更にこころを込めてやってくれるのだろうと思う。
そんな人に対して、お酒を飲みながら聞くというのは礼を失する行為ではないのかと自問せずにはいられなかった。
のではあるけれども、周りを見渡して、この雰囲気に浸るのもいいだろうとビールを注文したのであります。

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食事を終えて、ステージが始まって咳をしたくなったり、喉が乾いたりした時のためにお冷をテーブルにスタンバイして待った。
エンケンさんは会場の2階からハシゴを下りてきてステージに設置された椅子に座る。
そして始まったステージは2時間ぶっ続けで、ギターをかき鳴らし、歌い、ハーモニカを吹き、ピアノを弾き、どうにも素晴らしいステージだった。
何と表現したらいいか分らないのだけれど、エンケンさんのギターの音がストレートに凡のこころの細胞になのか、本当の肉体の細胞なのか、とにかく凡の内側に共鳴してくるんだ。
その音はエンケンさんの気持ちそのものだと思った。
ただただ、響いてくる。
それに、ただ激しいだけでなく、少女のようなメルヘンチックと言ってもおかしくないような優しい言葉の優しい音も表現されていて、これもまたエンケンさん自身を表現しているようで、聴いている凡も凡も優しくなる
そんでもって、これは単純にエンケンさんに会って思ったこと。
年を言うと、そんなものは関係ないとエンケンさんに言われそうですが、68才でよくあれだけ過激にギターが弾けるものだと感心させられてしまった。
というより、エンケンさんより年下の凡に「ちゃんとやれ!」と言われているようだった。
ステージで喋るエンケンさんは、何を書いてあるのか見えかったが、ボードに挟んだ紙を見ながら、最近見た映画や自分のCDの宣伝などを、何となく恥ずかしそうに話しておられたのも、すごく魅力的に感じたのであります。
そんなステージが終わって、みんなが返って行く。
凡はみんなが帰るのを待ってから帰ろうと思って、しばらく椅子に座っていたのですが、そろそろと思い出口に行ってお会計するカウンターの横の小さなCDのスペースに置いてあるものを見ていると、もうちょっと待ってくれたらCDにサインもしますよというではありませんか。
凡はみゆきさんのサインはイラナイ。
何故ならファンじゃないから。
ただただ好きな女性であって、彼女にしたい存在であって、決してファンじゃないからだ。
もしみゆきさんが目の前にいて、「凡ちゃん、これ、サインあげる。」なんて言われても凡は受け取ることを拒否するだろう。
何故なら、それを受け取った瞬間に凡はみゆきさんのファンになってしまうからだ。
なので、凡はみゆきさんのサインを断る。
、、、とはいうものの、みゆきさんがあげるっていうものをイラナイというのもみゆきさんに嫌われるか。
とはいうものの、受け取りたくない。
いや、みゆきさんに嫌われることは凡の中で最悪の事態であるから、ここは信念を曲げて受け取るべきなんだ。
ならいっそ、笑顔で受け取ってゴミ箱に捨てる。
、、、それはバカである。
ただ、今日はみゆきさんのサインはどうでもいい。
エンケンさんだ。
エンケンさんは、尊敬する人物であると同時に、そんなに詳しくは知ってはいないけれども、でも今日この日に凡はファンになった。
凡はエンケンさんが大好きだと胸を張っていいたい。
そんな気持ちだ。
なので、これはサインをもらいたい気もする。
というかサインを貰うという口実で間近で会ってみたかったのだ。
なので、「デビュー45周年記念リサイタルin 草月ホール」のCDを買って待っていた。
するとすぐに2階からエンケンさんが降りてきて、サイン会が始まった。
凡も列に並ぶ。
人数は10人ちょっとぐらいだろうか。
サインを貰って一緒に写真まで撮っていただいた。
凡のアイフォンをそばにいた女性にアイフォンを渡すとエンケンさんが「このCDのジャケットは彼女が撮ったんだよ。」と言った。
緊張しながら横に座る。
出来ることなら何枚も撮って1番いいのを残したかったが、これもその瞬間の1枚がいいのかもしれない。
写真を撮る時に、エンケンさんが「ワッショイピースで撮ろう。」とおっしゃっていただいた。
ワッショイは、「東京ワッショイ」にちなんだものだ。
凡は初心者で知らなかったが見よう見まねで写真に納まる。
そして、それだけでエンケンさんから離れるのが寂しかったので、何かエンケンさんに話しかけようと思った。
咄嗟にでた言葉が「この前、カラオケでエンケンさんの歌を歌ったんですけれど、難しいですね。」と今から思うとどうにも間抜けな言葉だ。
でも、その言葉にエンケンさんは「何を歌ったの?」と返してくれたのである。
優しいよね。
凡は「不滅の男」ですと答えると。
エンケンさんは「もっと簡単な歌もあるよ。」と言ってくれた。
ステージで見るエンケンさんは、あれだけ迫力があって突っ走ってるのに、ステージを降りると、本当に優しい人なんだなあと更に好きになってしまいました。
そして、凡もエンケンさんみたいな人になりたいと思ったのであります。
もっと、もっと、その場に居たかったのですが、電車の時間もあるのでタクシーで三条まで急いだのでありました。
そして、最後にエンケンさんは本当に素敵でした。
凡も、あんな風になりたいと思った。
「東京ワッショイ」
いや、これからは「凡蔵。ワッショイ」でいくのであります。

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