平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(378)どこかへ行ったらといわれて出かけた金沢の旅。(8)

「あれー。無い、無い、無い、切符が、ありませーん。」
もうすぐ帰路のサンダーバードに乗らなきゃいけないのに、切符が見当たらないのであります。
さっきまで、ついさっきまで、切符は凡の鞄の中の、クリアケースに入れてあったんだよね。
それを凡は確認しているんだよね、電車の時間を見るためにね。
でも、その数分後の今は無くなっている。
どうして、凡はこうなんだ。
普段は、強迫神経症の凡でありますから、確認は執拗にする筈な訳でありまして、切符を無くすなんてことは、ありえないのであります。
家を出る時も、ガス栓や電気のコンセントなど、何度も何度も確認しなきゃ出られない。
一度靴を履いても、また脱いで確認しに行ったりする。
このまま夜になっちゃんじゃないかって思う時もあります。
朝から晩まで玄関のドアの前でガチャガチャしながら立ちっぱなし。
でも、ありうるな。
玄関のドアも、何度も何度もガチャガチャと確認するものだから、毎回ミニボンから「いい加減にして。」と言われる。
自分でも呆れてしまうのだけれど、自分ではどうにもならないのです。
そんな凡だから、切符も何度も確認しているのに、無いのです。
とうとう凡もボケがきましたか。
そう思うと、以前温泉に出かけて、危うく他人のオッサンのパンツを穿こうとした事件を思い出した。
やれやれ、「頼むで、頑張ってや、凡の脳」。
そう自分で励ましてはみたものの、切符が無ければ帰れない。
駅に着いてからの行動を思い出しながら、落としていないか逆戻りして探す。
金沢のお芋をつかったスイーツのお店の女性の店員さんに訊いてみた。
「あの、この辺にJRの切符落ちてませんでしたか。」
「えっ、切符落とされたんですか。」
そう言って、悲しそうな気の毒そうな目をして凡を見つめた。
「いえ、落ちてないと思いますよ。」
「そうですか、すいません。」
そう言って帰ろうとすると、お姉さんが言った。
「切符、落とされたんですよね。」
そして、悲しそうな気の毒そうな目をして凡を見つめる。
「そうなんです。探してるんです。」
そう言ってお店を出ようとするとお姉さんが言った。
「はあ、切符、、、落とされた。」
そして、悲しそうな気の毒そうな目をして凡を見つめた。
「そうなんです。」
そしてお姉さん。
「そしたら、そこの案内所で聞いてみたら、、、えっ、もう聞かれた、、、きっぷを、、、落とした、、、はあ。」
ため息交じりにお姉さんは、悲しそうな気の毒そうな目で凡を見つめ続ける。
気の毒そうな目のお姉さんと、涼しげではあるけれども実際は悲しい目の凡と、見つめあう2人。
恋が芽生えそうな予感。
「凡、切符を無くして、帰れないよ。」
「じゃ、帰らなきゃいいじゃない。私の家に泊まればいいじゃない。」
「でも、切符が。」
「切符の事なんか、忘れさせてあげる。子守歌を歌ってね。
♪ねんねん、ころりよ、おころりよー。♪」
「もう、眠くなってきちゃった。凡、お姉さんの膝枕がいいよー。」
ふとお姉さんを見ると、悲しそうな気の毒そうな目で凡を見つめていた。
もう、その悲しそうな目は、いらないのであります。
それに、そんな妄想をしている時間が無い。
「ありがとう。」と言って店を出た。
気の毒そうな目は、気持ちとしては有難いけれども、この際、何の役にも立たない。
同情してくれる気持ちだけ頂いて、次の場所に向かった。
その後、トイレや、ぶらぶら歩いたルートの逆戻りをしながら、聞いて回ったが切符は出てこなかった。
駅の遺失物取扱い所に声を掛けたが、届いてないという。
再発行も出来ないらしいのだ。
どうすればいいのだろうと思っていると、駅員さんが、このまま切符無しで電車に乗ってくださいという。
乗ってから、もう一度切符を探してみてはというのです。
そして、見つかればそれでいいし、見つからなければ車内でもう一度切符を買い直せという。
買い直すのは辛いけれど、仕方なく電車にそのまま乗り込んだ。
どうもね、やっぱり凡は少しばかり進行しているのだろうか、ボケがね。
カバンの底から、切符が出てきました。
ほっと安心。

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(電車の切符と、改札口でもらう紙)
駅に着いた時に買った駅弁を広げて、最後の旅を楽しんだ。

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(ペットボトルも金沢の棒茶)
それにしても、今回も1人で旅に行かせてくれたミニボンに感謝。
切符を無くす前には、金沢駅で駅そばを食べました。
やっぱり、これを食べなきゃね。
さて、次に旅をするのは、いつになるのだろうね。

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(金沢の駅そば)

コメント

  1. ゆけむり より:

    凡蔵さん、自分は非常にだらしないのですが、だらしないなりにキチンとしています
    どういうことかと言うと、だらしないままにしておくと物がなくなりません
    中途半端にちゃんとしまっちゃったりすると、逆にどこにしまったかは分からなくなっちゃうんです
    特にカギ、なくさないようにキチンとしまっておくと、旅行から戻った時にどこにしまったか忘れちゃうんです
    こないだも紛失したと思い、カギの110番みたいな所に電話しようとしたらひょんなところから出てきたりします
    すなわち、やっぱりいつも通りだらしなくしておくのが得策との結論に至りました(笑)

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    なるほど、そのやり方もあるんですね。
    だらしないままにしておく方法。
    私も、その方法を取り入れてみようかな。いつも部屋中ゴチャゴチャですが、さらに、もうゴチャゴチャのまま。
    っていうと、今も、もう既に、だらしないから、ちゃんとその方法を実践しているということですね。

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