平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(363)青春18きっぷ。尾道ラーメンと、みゆきさんの影を求めて呉の旅。(5)

今日の宿は、呉駅から歩いて行ける距離にある「ビジネスホテルクレ」さん。
往路の電車の中で、アイフォンで検索をして楽天トラベルから予約を入れた。
便利になったものであります。
プランは、500円の朝食券付き禁煙シングルで、5300円。
朝食付きなら安い方だろう。

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細長いホテルの横の階段を上がると、フロントがある。
部屋に入ると、清潔感もあり、中々いい感じだ。
ビジネスで宿泊したのなら少し机が狭いだろうか。
でも、気楽な1人旅なら十分な施設であります。

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バストイレは、ユニットになっていて、トイレはウォシュレットではない。

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また、バスタブは中年太りの凡にとっては、かなり狭いけれどシャワーカーテンにシミなどもなく、カーテンがサラサラとしていたので、気になるほどではなかった。
あのシャワーカーテンが濡れてペタペタと体に触れることほど、気持ち悪いものはないものね。
凡はシャワーをして、そろそろ出ようかなと思ったときに、あのカーテンに体が触れると、またシャワーをやり直す。
もし、年を取って、立っているのが不安定になったときに、足腰が弱くなってさ、ホテルの狭いバスタブででシャワーをしたなら、大変だよ。
シャワーを終わって出ようとしたら、体が不安定だから、ヨロヨロっとするでしょう。
そしたら、体がシャワーカーテンに触れる。
肩や二の腕のあたりがよく触れるんだよね。
気持ち悪いから、またシャワーをする。
そんでもって、またバスタブから出ようとしたときに、ヨロヨロってなりますよね。
そしたら、また体がシャワーカーテンに触れる。
またまた、気持ち悪いからシャワーをする。
そんでもって、またまたバスタブから出ようとすると、ヨロヨロっとなるに違いないのです。
シャワー、気持ち悪い、シャワー、気持ち悪い、、、。
永遠にシャワーしてなきゃいけない。
果たして何時間、シャワーの体力が持つか。
それだけを考えても、年を取ることは怖い。
時間が怖いのであります。
さて、荷物を軽くして、晩御飯でも食べに行きましょう。
フロントの男性に、美味しいお店を聞くと、「れんがどおり」のあたりが昼間は賑やかなところだそうですが、夜になるとその近くを流れる堺川に沿って屋台が並ぶので、行ってみてはと教えてくれた。
外へ出るには出たが、まだ夜は早い。
呉の駅前あたりもブラブラとしてから、屋台方面へと向かうことにした。
駅前は、ビジネス街なのか飲食店は少ない。
歩いていてもあまり人とすれ違わないので、やっぱり屋台方面に向かうことにした。

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(れんがどおりには、もう人影がなかった。)

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(堺川の周りが飲食店が多い)
川沿いに5、6軒の屋台が並んでいて、想像したよりは少なかった。
まだ仕込中のお店もある。
でも、まだいろいろお店を物色してから、お店を決めたい。
屋台の川とれんがどおりの間には、焼き鳥やなどの居酒屋も多そうだ。
こういう場合、1人旅は気楽だ。
今回も、どんなお店があるのかなと探検気分で歩き回る。
このプロセスが楽しい。
こんなところに、美味しそうなお店があるよとか。
でも、お客に注文をつけそうな店主がいそうだなとか。
このお店は昼間にランチで来たいなとか。
きっとウエイトレスさんは、近くの女学生のアルバイトだよ。
きっと白いエプロンの似合うショートカットの御嬢さんかもねとか。
50分ほどブラブラしただろうか。
これがミニボンと一緒なら、早々にお店を決めなきゃ機嫌も悪くなるというものだ。
まさか当てもなく何十分も歩き回れない。
友達と行っても同じだ。
歩き回っている内に、小さなカウンターだけの居酒屋なのか焼き鳥やなのかのお店を発見。
そのお店の前を通ったときに、スパイシーな香りが鼻をかすめる。
「美味そうな匂いだなあ。」
何ともいえないスパイシーなオリジナルのタレを絡めた焼き鳥なのだろうか。
これは食べてみたい。
そう思ってお店の前を2、3回行ったり来たりした。
どうしたものか。
ガラスのはまっているドアから中を覗いてみると、常連客ばかりのようである。
しかも、手前のカウンターには、子供を連れた30才代の女性。
これはいけない。
常連客が巾を利かせているお店にはいるのは、よっぽどの運が必要だ。
運が良ければ楽しい時間を過ごすことができるのだけれど、大概の場合はポツリと居心地の悪い空気の中で、頭の中でそうそうに切り上げるか、もう1品注文するかなんてことを考えながら杯を上げることになる訳で、始めから避ける方が賢明だ。
それに、常連の女性のお客が子供を連れてくるようなお店は、多くの場合そのお店の人の知り合いのことが多くて、一見のお客をそっちのけで、子供に愛想をつかったりする。
やっぱりやめよう。
そう思って歩き出したら、近くのビルの2階にインド料理のお店があることに気が付いた。
そうだったんだ。
インド料理のスパイシーな香りが、風に流れてきて、さっきの焼き鳥やのお店で漂っていたんだ。
それに気が付いたら、入らなくて良かったと思った。
インド料理にも少し惹かれたのだけれど、やっぱりホテルのフロントで教えていただいた屋台に行ってみることにした。

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(ホテルのロビーにある休憩所のようなスペース)

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