混浴の魅力。
岩風呂の隅に、恥ずかしそうに湯に浸かる、サラサラロングヘアーをお団子にした女の子。
少し前から入っているのか上気した頬にほつれた髪が垂れている。
凡の視線に気が付いたのか、うつむきながら微笑んだ。
白いタオルで隠した胸元がピンク色に透ける。
凡は思い切って彼女に声を掛ける。
「いい湯ですね。」
「ネー。」
「ひょっとして、韓国人?」
大分だけでなく九州は、韓国や台湾からの旅行者も多い。
そして、韓国の女性は綺麗な人が多い。
だから、そんな期待を持っても的外れではないだろう。
とはいうものの、そんな素晴らしい混浴の出会いというものは、まず無いと断言できる。
とはいうものの、その0パーセントに近い可能性に夢を見るのが男性と言う生き物だ。
さて、別府温泉保養ランドは、鉄輪バスセンターで乗り、紺屋地獄というバス停で降りると目の前にあった。
見た目は、ちょっと古びた、地方都市の区役所かなという雰囲気である。
入り口で入湯料1050円を支払いチケットをもらう。
この正面の建物は、食堂や宿泊するための施設のようだ。
コインロッカーに荷物を入れて、さて温泉に入ることにしましょう。
温泉へは、入り口の建物から、工事現場のような通路を歩いて行く。
何の飾りもない木材が組まれただけの通路も、旅情があっていい。
辿り着いた温泉施設の古びた建物に入って、休憩室の受付でさっきのチケットを渡す。
混浴と言っても、最後の泥湯だけが混浴で、他のお湯は男女別だ。
(コロイド湯の前に貼ってあった案内図)
まずは、入り口を入ると、すぐに脱衣所がある。
脱衣所の横には、すぐに昔からやっていますという雰囲気のコロイド湯があった。
小さな粒子が浮遊していて、体に良さそうです。
しばらく浸かって、次の浴場に進むと、泥湯があった。
ここも工事現場のような木を組んだ作りで、年配の人が手すりにつかまりながら、浸かっていた。
本当に温泉で体を癒しにきているのだろうか、時間を気にしながら目を瞑り、じっと我慢して湯に浸かっているように見える。
温泉での苦行。
少しでも体が良くなるといいですね。
(男女別の泥湯。HPから拝借)
凡も泥につかると、湯の底にじゃりじゃりした小石が足の裏に当たる。
泥などが固まったものだろうか。
底に泥が溜まっているせいか、底の石がでこぼこなせいか、手すりにつかまらないと不安定だ。
さて、1つ1つの湯にしっかり浸かっているとのぼせてしまう。
凡の温泉は苦行ではなく、観光だ。
目を瞑って耐える必要はない。
次の湯に行こう。
今までは、屋根のある温泉だったのですが、次の湯からは露天風呂になる。
そして、混浴だ。
露天へ通じる扉を開けると、広い空が広がる山の中の露天風呂があった。
(保養ランドのHPから拝借)
お湯に浸かると、前の泥湯よりも泥が多い。
混浴なのですが、男女の間には竹で仕切りがしてあった。
露天風呂に入ると、先に入っていたミニボンが凡の名前を呼んだ。
女湯は、ミニボンの他に年配の女性が1人入っているだけだ。
その女性は、凡の横にいる男性2人と家族のようで、同じように旦那さんを呼んでいた。
ミニボンは、もう十分に温まったらしく、しばらくして先に帰って行った。
温泉のあるホテルに泊まると、露天風呂があることが多い。
でも、ホテルの露天風呂に比べると、ここの露天風呂は比べ物にならないほど解放感があって気持ちがいい。
山の中腹に広がる温泉につかると360度の青空が広がる。
これは別府に来たなら訪れたい露天風呂ですね。
さて、少しばかり湯に浸かっていたのですが、女風呂には、この年配の女性以外誰もこないので、諦めて最後の露天風呂に入ることにした。
この最後の露天風呂は、今居る露天風呂の更に後ろにあり、ここも混浴だ。
でも、女性の方は入るのにかなり勇気がいる。
今居る露天風呂は、女性の建物から湯に浸かったまま来ることができる。
泥湯なので、体を見られることがないのです。
でも、最後の露天風呂は、いったん外に出て、男性の前を歩いて行かなきゃいけないのです。
受付のおばさんは、タオル2枚を使って上下を隠して歩けと言っていましたが、それにしても、その瞬間は男性の視線を一斉に浴びることになる。
とはいうものの、今は女性は年配の方1名だけだ。
心配も期待も必要がないというものである。
さて、凡は最後の露天に入りましょう。
最後の露天は、少し小さいのですが、ブクブクと温泉が出ているところのようです。
泥も一番濃くて、底から20センチ以上ねっとりとした泥が溜まっている。
ここで、この露天に行くことを考えている人にアドバイスです。
最後の露天風呂の底の石は、かなりでこぼこしているので、お湯に浸かって体を浮かしながら、湯ぶねの中を移動した方がいいですよ。
急に深い石の穴があったりして、危ないです。
凡もこけそうになりました。
最後の露天風呂は、温度も一番高くて、泥も一番濃くて、やっぱりここの一番のお湯じゃないかなと思う。
さて、すっかり泥を堪能した後、休憩室に戻るとミニボンが足を延ばしてくつろいでいた。
休憩室の古び方もいい感じだ。
(休憩所。これも拝借。温泉内は、撮影禁止と書いてあったので、拝借ばかりです。)
期待した混浴も、女性がいないという結果に終わってしまったが、内容の濃い温泉にすっかり満足したのであります。
ミニボンに聞くと、若い女性客が後から入って来たそうです。
「もう少し我慢してればよかったな。残念。」
この保養ランドは、パラダイス的要素が満載の施設で、ミニボンのオススメの場所らしく、また来たいそうであります。
それにしても、建物全体が古く、日常を忘れさせてくれる雰囲気を持っているので、凡にとってもオススメの温泉が出来た。
さて、まだ時間は早いのですが、JRの駅まで戻って、杉乃井ホテルへ向かうことにしよう。
何しろ、有名で大きなホテルなので、ホテルそのものも楽しみたい。
JR別府の駅からは、送迎バスが走っているので、それを利用。
別府の町を見ながらバスに揺られ、山道を登って行くと、今日の期待の宿「杉乃井ホテル」に到着した。
コメント
サラサラヘアーの韓国アガシが入っていなくて残念でしたね
凡蔵さん、自分はどうも混浴は苦手ですよ
今年秋田に行った時、混浴の鶴の湯に入りましたがどうも居心地が悪かったです・・・
ところでこちらはお湯の色もなかなか良い感じだし、泥湯なんてのもあるから相当良い温泉なんでしょうね
ありがとう、とっちゃん。
ここは体によさそうな雰囲気が満点です
でも、ちょっと古い感じですが、まあそれも却って効きそうな感じです。
混浴は、私もあまり行ったことがないのですが、何故か行ったときは、誰もいないことが多いです。
散散歩歩。(410)別府の旅で、いい湯だな。(1)
さて、先日書き始めようとした別府の旅であります。