明洞を出た凡は鐘路3街(チョンノ・サンガ)というところに地下鉄で向かった。
昨夜は何年も前に行ったときの記憶だけで東大門の近くで屋台を探したが見つけることが出来なかった。
チョンノ・サンガには屋台が多いというのをソウルナビで見ていたので、今夜は探す事ができるだろう。
地下鉄の駅を出ると、すぐにオレンジ色のシートで作った屋台がずらっとならんでいる。
さあ、どこに入ろうかな。
とりあえず、この周辺を1周してみよう。
道の両脇にずらっと並んだ屋台は20軒ぐらいあるだろうか。
でも、1軒1軒覗きながら歩いていると、どこの屋台もお客さんがあまりいない。
やっぱり流行っている屋台に行きたいのだけれど、どこも閑そうなのでどこに入るか迷ってしまう。
途中、屋台ではない小さなお店を見つける。しかも満席状態だ。
中では50歳から60歳ぐらいの男性ばかりが集まって何やら食べながら飲みながら楽しそうに話している。
こんなオッチャンが楽しそうに飲み食いする店はたぶんリーズナブルで美味しいんだろうなと思ったが、女性はまったくいないし、カップルで行く雰囲気ではなかったので諦める。
どこも閑そうだけれど、道の両端がややお客さんがいた。
とりあえず、端っこお店に入ることにする。
オレンジのビニールをくぐって中にはいる。
調理台けん素材陳列スペースけんカウンターの台があり、テーブル席も6卓ぐらいある。
作っているところが見えるカウンターに座る。
台の下を見るとタイヤがついていて、営業許可の関係か一応は動かせるということになっているようだ。
凡の隣にはサラリーマンの2人組。
少し離れたテーブル席には中年のカップルが座っていた。
とりあえずビールを注文。
それで料理は隣のサラリーマンが食べているものを聞くと焼き鳥だというのでそれを注文。
改めて回りを見ると、サラリーマンは何やら真剣に話をしているようだ。
「だから僕はあの案件には最初から反対だったんです。」
「しかし、あれは常務の発案だからやるしかなかったしな。」
話の内容は真剣な感じから仕事の話だろう。
テーブル席のカップルはどう見ても夫婦じゃない。女性は水商売風だ。
「なぁ、今日はええやろ。」
「なにがやのんなぁ。」
「せやから、今日はええやろ。」
「もう、ターさんたらエッチ。」
「せやから、ええやろ。なあ、ええやろ。」
まあ、こんな感じで話しているようだ。
こんな屋台では刑事が似合う。
今、凡はデカの気分だ。
「先輩。絶対あいつが犯人に決まってるんです。引っ張ってきて吐かせましょう。」
「ばかやろう。引っ張るにも奴にはアリバイがあるだろう。」
「先輩。俺悔しいんですよ。今この時間にもあいつはのうのうと美味しいもん食って、美人のホステスをはべらせているんですよ。俺、悔しいっす。うぅぅ。」
「よし、明日からもう一度交友関係を洗いなおせ。」
「解りました。先輩。」(チャミスルを飲み干す)
1人でこんな芝居をしてみても、相手はミニボンだ。気分がでない。
屋台のオバサンも日本語では意味が解らないだろう。
オマケに凡は芝居は苦手だ。
オバサンにしてみれば、変な日本人がお経を唱えているように見えるだろう。
南無阿弥陀仏。
お皿を叩いてチーン。
しばらくすると、焼き鳥が出てきた。
しかし、隣のサラリーマンが食べているものと違う。
焼き鳥でもいろんなバリエーションがあるのだろう。
とりあえず、屋台に来れたので乾杯―。
でも、こんな凡があんなことになるなんて。
コメント
すいません。
このページのコメントに書き込みが出来ないという報告がありました。
原因不明です。
もし、コメント頂いて書き込み出来なかったら、ごめんなさい。
懲りずにこれからもよろしくお願いいたします。
何でダメなんですかね???
文面が長いとダメなのかな?
今は入りましたね!
屋台で焼き鳥とは、達人の域に入ってますね~
流石です!
細切れでゴメンナサイね!
あのあたりは仁寺洞とリースの中間あたりですよね?
自分は一度だけウロチョロしましたが、入れませんでした・・・
あっ、怪しいカップルは無事○○○出来たんでしょうかね?
ありがとう、とっちゃん。
本当ですね、今回は書き込み出来てる。
メンテナンスとかか、それか何かが引っかかってたのか。
何はともあれ、良かったです。
私も意外とお客さんが少なかったのでどうしようか迷いましたが、入らなければ奥さんがホテルに帰ると言い出すと思ったので、折角だから入りました。
味は期待はずれでしたけど、楽しかったです。
怪しいカップルはどこの国でも怪しいように見えますよね。見た目ってすごいですよね。