平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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そうだ、ソウルへ行こう!(97)

もうソウルに着いたんだ。もっと乗っていたいな。
そんなことを言う予定なんです。
しかし今、どこも空席がないのであります。
途方に暮れているとマリア様が、「ツアーはどうですか。」と尋ねてくれたのであります。
ツアーだと席が確保できるかもしれないというのであります。
有り難いな。これでソウルへの光が見えてきた。
とはいうものの、ツアーとなるとマイレージだけでは足りないのであります。
ホテル代もついてはいるものの1万円以上払わないといけません。
マイルを全部使って、なおかつ1万円というのはどうなんだろう。
それもどちらかというと凡がいつも泊まっているような安いホテルだ。
それならいっそマイレージを使わずに、もともと安いツアーで行ったほうがいい。
今は安いツアーが沢山あります。
ツアーに二の足を踏んでいると、ふと特典旅行のマイルの表が目に入りました。
距離によってどれだけのマイレージが必要か書かれています。
その表に「ビジネスクラス」という文字が光輝いて見えたのであります。
そうだ、エコノミーで探しているからないのだ。ビジネスクラスで探そう。
凡はマリア様にビジネスクラスで探して貰うようにお願いしました。
やっぱり、凡の勘が的中した。
「アシアナのビジネスクラスだったら空いてます。」
しかし、ここで問題です。
ビジネスクラスでは凡のマイレージが足りるのだろうか。
A
NAのローシーズンだったら12000マイルでソウルへ往復できます。
アシアナは少し高くてローシーズンでも17000マイル必要です。
そして、アシアナのビジネスクラスは33000マイルなのであります。
凡とミニボンで今あるマイルを全部使う形になるのであります。
今までせっせと貯めたマイレージ。
始めはソウルに行って、残ったマイルでまた旅行しようと考えていたのですが、ビジネスとなると、この1回きりです。
マリア様も言います、「ソウルは近いから、ビジネスにしてマイルが勿体なくないですか。」
ああ、何と優しいんだ。
ただソウルへ旅行に行くだけでなく、残りのマイルの心配もしてくれているのである。
「ねえ、ねえ、凡ちゃん。せっかく貯めたマイルやのに、1回のソウルで全部使ってええのん。うち、ちょっと心配やわあ、後で後悔せえへん。」と、年の離れた恋人のように心配してくれているようだ。
しかも大阪弁の恋人だ。
それにしても、綺麗だ。
心配してくれる表情の中に、美しさと知性のハーモニーを感じる。
普通の男性だったら、マリア様の言うようにビジネスクラスは取りやめてしまうだろう。
しかし、凡は意外と亭主関白。
どんな綺麗な恋人にも、すぐにはうんと言わない。
ここは冷静に判断しよう。
ソウルにはビジネスクラスで行くべきだろうか。

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