平 凡蔵。の 創作劇場

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そうだ、ソウルへ行こう!(95)

やっぱり空の上で飲むビールは違うなあ。
そういいながら、ソウルへの旅を楽しむはずなんです。
しかし、目の前にいるマリア様はソウル行きの空席は無いとおっしゃられるのであります。
南無阿弥陀仏。
これでソウル行きはお終いか。
マリア様に南無阿弥陀仏は似合わない。
それにしても綺麗だ。
空席は無いと言った言い方も爽やかなそよ風に吹かれているように心地いい。
しかし、心地いいのは、この際ちょっと端っこに置いとかなければならない。
どうしても、ソウルに行きたいのだ。
しかも、休めるかどうかは判らないけど、休めるとしたら22日しかないのである。
凡は訊ねた。
「提携している航空会社ではないでしょうか。」
マリア様はまたパソコンに向かってキーボードをカチャカチャいわし始めた。
そして、言った。
「アシアナ航空も22日は空席がないですね。」
そうか、やっぱり。
後はキャンセル待ちをするかどうかだが、今回は何とか今の時点で予約を取りたい。
しかも、キャンセル待ちなので、取れるかどうが不確実だ。
こうなったら、いっそソウルは諦めよう。
ソウルは今、今までに無い厳寒の時期。
寒さでミニボンの血圧が上がって、また脳内出血をしても困る。
でも、22日からは3連休を取る予定だ。
まだ、休めるとは決まった訳ではないが、何としても休む予定なのだ。
なので、何処かには行きたい。
凡はマリア様に訊いた。
「そしたら、台北か香港は空席はあるでしょうか。」
そうだ、暖かいところに行こう。
台北の屋台なんかいいじゃないですか。
香港もスターフェリーに乗って潮風に吹かれたい。
また、マリア様はパソコンでカチャカチャさせた。
「台北も、香港も空席はありません。」
えーっ。今度はさすがに驚いた。
何と運の悪い凡なのであろうか。
その落胆ぶりを見たマリア様は凡の気持ちを察してくれたようだ。
「あ、3日間で行けそうなところを探してみますね。」
ああ、何と素敵な女性なのでしょう。
綺麗だけではなく、人の気持ちを察する心配りの出来る人だ。それに優しい。
出来ることなら、その優しさを独り占めしたい。
などと妄想に耽っているとマリア様が言いました。
「上海も空席はないですね。」
万事休す。
これで、凡のソウル行きの道が絶たれたのか。
今から溢れ出て来るであろう涙に備えて、そっとハンカチを取り出したその時、マリア様は凡に向かって優しく微笑んだのであります。
ああ、もうソウルへは行けないのだろうか。その微笑の理由を教えてマリア様。

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