平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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そうだ、ソウルへ行こう!(43)

凡は本当にあかんたれであります。
凡は焼肉が大好きです。
でも、食べるのはいつもロースとカルビです。ホルモン系は匂いが気になるので苦手です。
なので、焼肉を食べに行くと、「お姉さん、ロース」「お姉さん、カルビ」を繰り返します。
家でも肉を食べることがあります。家では薄い肉をポン酢で食べるのが好きです。
でも、その好きな肉も、食べる箸が止まるときがあります。
凡は家で食べる時はテレビを見ながら食べます。
そんな時に、テレビ番組やCMで偶然、動物の映像が流れることがあります。
犬や猫などの可愛いペットならいいのですが、たまに牛や豚の時があるんですね。
トンカツを食べているときに、可愛い豚さんの映像がながれると急に箸が止まってしまうんです。
「ごめんね、凡は友達食べてるけど、ごめんね。」と思わず謝ってしまいます。
何か食欲が薄れてしまいます。
その間、凡は下を向いてテレビを見ないようにします。
そして、ミニボンに聞きます。
「もう、終わった。」
終わったのを確認してから、また食べます。
大阪の能勢にある牧場に遊びに行った時のことです。
そこは開放された広い牧場で、一般の人も入れます。
凡は持ってきた弁当を食べ始めました。
広いところで食べるのは美味しいですね。
前には牛が何頭ものんびり草を食べたりしています。
牛の目は可愛いですね。凡は何気なく牛の目を見てのんびりと休日を過ごしていました。
それで、弁当にふと目をやると、そこに牛肉があったのです。
今まで美味しく食べていたのですが、また急に箸が止まりました。
そして、今まで可愛い目だねと思って見ていた牛の目が、急に恨めしそうにこちらを見ているように思え始めたのです。
「ねえ、ねえ、何食べてるの。もー。美味しそうだな。」
「これはね、牛なんですよ。美味しいよ。」
「、、、。」(牛の恨むような目)
もう、食べられません。
食べているのにそんな事を思うなんて、凡は本当に勝手ですね。
でも、凡の煩悩はそんな事は気にしません。
次の日になったらまた肉を食べてしまいます。
そうだ、ソウルでもやっぱり焼肉だ。

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