平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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そうだ、ソウルへ行こう!(3)

そうである。3年前の北京旅行の大喧嘩である。
凡(愚で凡の私、平凡蔵のことです。)は北京に行ってみたいと思い立ち、2泊3日のツアーを申し込んだのだ。
それで、いよいよ出発当日。
関空からANAに乗り込みました。10時離陸の飛行機です。
凡は、前の座席のラックに入っている雑誌を広げて、機体の座席の配置図や機内食の内容などを一字一句にいたるまで堪能しておりました。
しかしながら、飛行機はピクリともしないのである。
ややあって、機長のアナウンスがありました。「北京の天候が悪く指示待ちの状態だ」というのです。
うーん、仕方がないのか。
しかしながら、1時間経っても、まだピクリともしません。
そのうち、アナウンス。
「今から機内食を用意します」というのだ。
凡と妻は止まったままの飛行機の中で機内食を食べました。
これは腑に落ちない。
凡は、旅行に出かけて汽車に乗った場合、缶ビール、ワンカップ、ゆで卵、駅弁、冷凍みかんなどを買い込み汽車の中で食べるのが大好きなのでありますが、
凡のルールで、汽車の車輪がガタンと少しでも動かないと缶ビールのプルトップをプシッと開けることは絶対にしないのである。
なのになのに、今、凡のルールは無視して、機内食を食べる事になってしまったではないですか。もちろん機内食は大好きです。
旅の往路の楽しみの80%は機内食にあるといっても過言ではないだろう。
しかし、不本意にも機内食を関空に止まった飛行機の中で食べてしまった。
しかも、不本意にも美味しいではないか。すなわち、これも仕方がないか。
それで、12時を過ぎてようやく離陸することになり、
ホッとして今度は持参のガイドブックで北京のレストランなどの記事をこれまた一字一句満喫しておったのですが、あることに気がつきました。
座席についている液晶の画面の飛行機の絵の方向が北京からやや違う方向にカクンと曲がったように見えたのです。するとまたアナウンス。
「北京の空港の視界が50mしかないのでこのまま、関空に引き返します」
えーっ。
もうあとちょっとで北京なのに。
凡はあまりのショックに関空まで、機内で出されたビールをガブ飲みして、半泣きで、うな垂れておったのであります。
関空について、旅行会社の人の説明がありました。
さあ、ここからが、喧嘩の始まりなのです。
こんどは、喧嘩しないようにソウルへ行かなければいけません。

コメント

  1. とっちゃん より:

    止まった機内で機内食ってのも微妙ですが、北京の手前で引き返すのは悲惨ですね
    でも滅多に経験できないのではないでしょうか?

  2. 凡蔵。 より:

    とっちゃん、過去のブログにもコメントありがとう!
    もう本当に最悪でした。
    それだったらどこか近くの飛行場に降りることが出来なかったのかな。
    北京でなくても、どこでもいいのに。

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